問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
それぞれの始まり
「やあ、球磨川君、久しぶりだね」
球磨川禊はそんな聞こえる筈のない声を聞いて振り向くがそこには誰もいなかった。
『やっぱりただの幻聴か』
溜め息を吐き、前を向くと球磨川は驚愕をする。
そこにいる筈のない人間、否、人外がいたからだ。
「言っておくが幻覚じゃないぜ」
安心院なじみ、いる筈のない、死んだ筈の人外が微笑み、そこにいた。
『……』
球磨川は無言で手を伸ばすと安心院の胸に触れる。
その瞬間、強烈な踵落としを食らい、球磨川は顔面を地面にめり込ませる。
「全く相変わらずだね君は」
「そんな君に届け物だよ」
そう言って、安心院は起き上がった球磨川に封書を渡した。
『これは何かな?』
「開けてからのお楽しみさ」
球磨川としては安心院が現れた理由の方が聞きたかったがこの様子では聞いてもはぐらかされるだけと思い封書の封を切った。
◆◆◆◆◆
僕、阿良々木暦はいつも通り、火憐と月火に起こされた。
今日は休日だからもう少し寝たいのだが起きることになった。
それに今日は忍との約束もある。
「忍、起きろ!!」
「ミスドに行く約束を忘れたのか?」
影に向かってそう言うと忍が飛び出てきた。
「忘れるわけがないじゃろう」
「ところでその机の上の封書は何じゃ?」
忍に言われ机の上を見ると見覚えのない封書があった。
さっきまではなかった筈だ。
誰がいつの間にと疑問に思ったがその前に忍がそれを手に取った。
「どうやらお前様宛のようじゃぞ?」
「だからって勝手に取るなよ」
忍は僕が封書を取る前に勝手に封を切ってしまった。
僕宛の手紙を勝手に見るなよ。
仕方なくしゃがんで忍の後ろから文面を見る。
◆◆◆◆◆
そして逆廻十六夜も封書を手に取っていた。
◆◆◆◆◆
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
◆◆◆◆◆
『うわっ』
「うおっ」
「はっ!?」
三人の視界は間を置かずに開けた。
急転直下、彼らは上空4000mほどの位置で投げ出されたのだ。
落下に伴う圧力に苦しみながらも、三人は同様の感想を抱き、同様の言葉を口にした。
「『「ど……何処だここ!?」』」
眼前には見た事のない風景が広がっていた。
視線の先に広がる地平線は、世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。
眼下に見えるのは、縮尺を見間違うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。
彼らの前に広がる世界は____完全無欠に異世界だった。
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