問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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遂に百話ですが内容は通常運転です。




酒場の交渉

『それにしても今回の護衛は女の子だけだね』

 

球磨川と皐は悟と一緒の席に座っていた。

悟と皐はアルコール低めの酒を、球磨川は酒に弱いのでジュースを飲んでいた。

悟は何時も通りの和装で、北では目立ちそうだが気配操作で目立つことはない。

そして悟の近くには四人の女性がいた。

 

「そういえば球磨川には紹介して無かったな。まず、この双子が……」

 

悟が言うと薄い青系の色の着物を着た二人が立つ。

髪は二人とも、薄い青で長髪である。

肌はまるで雪のように白い。

そして一番特徴的なのが、二人で対称的な事である。

髪型も左右対称である。

 

「私は吹雪。右目が隠れてる方よ」

 

「ウチは粉雪~左目隠れてる方」

 

「見ての通り、こいつらは雪女の双子だ」

 

「「若の友人さん、よろしく♪」」

 

二人は各々の見えてる方の目でウインクして座った。

 

「相変わらず息はぴったりだな。お前ら……」

 

皐が呆れたように言う。

とはいえ、何時ものやり取りのようで吹雪も粉雪も気にはしない。

 

「次にスーツのこいつは、」

 

「百目の伏目と申します。何卒よろしくお願いします」

 

呼ばれると立ち上がり、深々と頭を下げた。

見た目はごく平凡なスーツを着た女性である。

しかし両目を隠すように包帯を巻いているのが平凡な雰囲気を台無しにしている。

 

「もっと崩せないのかお前は?」

 

「し、しかし……人前で素を見せるのは余り気乗りが………」

 

「「お前……人の素を覗き放題の癖に何を言ってやがる!!」」

 

反坂と悟が声を揃えて叫ぶ。

それもそうである。

百目で色々と見えているのに自分は素を隠すというのは不公平である。

一方、球磨川はこの流れに一切ついていけてなかった。

 

『ところで、君はそれで視えているのかい?』

 

「これですか?」

 

伏目は眼を隠す包帯に触りながら言う。

 

「これはあくまで見え過ぎるのを防ぐ処置なので人並には見えていますよ」

 

『へぇ~そうなんだ。ちなみにどこまで視えるんだい?』

 

「その気になれば人の心をはっきりと見たり、透視が出来ますが」

 

『それは凄いね。でも抑えたがる気持ちも分かるよ』

 

一通り喋ると球磨川はさっきから気になっていたことを聞く。

 

『悟君。君が腕で抱いてる女の子は何かな?』

 

「私?私は座敷童子の紅葉だよ」

 

『座敷童子かい?座敷童子を連れているってことは……』

 

「幸運が寄って来るからだな」

 

「私の本質は少し違うけどね」

 

小柄な少女は微笑みながら言う。

しかし反坂は少し驚いた様子だった。

悟が紅葉を連れている時は何かしら大きく事を起こす時だ。

 

「紅葉まで連れてくるとか何のつもりだ?」

 

「それがお前らを呼んだ本題だ。少し厄介な相手に呼び出しをくらってな。断るわけにもいかないからな……」

 

『それで僕達を待ち合わせな場所に呼んで手伝わせようというわけだね』

 

「そういうことだ」

 

『別に付き合うのはいいけど……君が断れないってどんな相手なんだい?』

 

「断ったら親父に戦争を吹っ掛けかねない奴らだ。それは防がないといけない」

 

ぬらりひょん率いる“百鬼夜行”は今では中立の傭兵コミュニティではあるが、昔はかなり暴れまわっていた。

その本質は今も健在であり、何時再活動してもおかしくはない。

悟としては再活動が始まると継承させることが難しくたなるので、それは避けたいのだ。

 

「それでじーさんに感付かれない様に来てるんだろうけど、どんな理由で来た?」

 

「召集会の見物だ。親父もそれならすぐに承諾してくれた」

 

『それで交渉決裂したらどうするつもりだい?』

 

「相手の動き次第では俺達で潰す」

 

「どれくらい連れてきた?」

 

「俺に賛同してくれた奴らをほぼ全員だ。目立たねぇように待機させてるけどな。後は一応こいつもな……」

 

悟は首から下げた青い水晶のような宝石を見せる。

反坂は今度こそ驚く。

 

「あいつを呼ぶ程かよ……」

 

「あいつは自由にさせたいが事情が事情だしな。それに俺が頼んだら承諾してくれたし」

 

「そりゃお前が頼めば承諾するだろ……」

 

反坂は急に冷めた声で呆れたように言う。

悟はよく分かっていないようだが。

 

『それで肝心の相手はどこだい?』

 

「我々“ウロボロス”、そちらの呼び方ですと魔王連盟ですよ。球磨川さん……でしたっけ?」

 

突然、参加してきた幼い声に一同は一斉に身構える。

声が聞こえてきた先に居たのはリンだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「そんな身構えないでくださいよ。私は交渉しに来ただけですよ?」

 

「まあ……交渉の場で身構えたら話せるもんも話せないしな」

 

悟が言うと、護衛達は一応構えを解く。

リンはその間に近くの席に座った。

 

「それで交渉ってのは何なんだ?」

 

「率直に言うと……私達の連盟に入る気はないですか?」

 

「断る」

 

「へ?」

『え?』

「はぁ?」

 

「「「「『……えぇぇぇぇ!?』」」」」

 

予想外の即答に一同は驚く。

しかしその声はリンのギフトで遮られてはいる。

 

『ねぇ……僕と皐君を呼んだ意味あるのかい?』

 

「無いよな。無かったよなオイ!!」

 

球磨川と反坂があまりの事態にぶつくさ言う。

そんな中で一番ポカーンとしているのはリンだった。

 

「あ、あの理由を聞いていいですか?」

 

「そんなもんは簡単だ。俺は親父に認めさせて、“百鬼夜行”を継ぎたいんだ。それは魔王連盟に加わったら叶わないからな」

 

「なら、何でこの場に来たんですか?」

 

リンはそれが疑問だった。

交渉の内容は予想出来た筈である。

断るなら、そもそもこの場に来ない方がいいだろう。

 

「もっとマシな交渉だったら乗ってからだよ。親父に認めさせれるだけの功績を稼げるような事だったらな」

 

悟はあくまで継ぐのが目標であり、それ以外眼中に無いのだ。

 

「ったく面倒なことに付き合わされたな……」

 

『本当に僕らがいる意味無かったね』

 

「それでどうする?俺らを消すって言うなら相手はするぜ?」

 

その言葉で再び臨戦体勢に入る一同。

しかし、リンは背を向けるのだった。

 

「さすがに貴方達相手は分が悪いので止めておきますよ。それにそもそも消すつもりもそれ以上に手を出すつもりもありませんでしたから」

 

「そもそも何で俺を勧誘したんだ?」

 

「何れ敵となるぬらりひょんに有効なカードでしょう?それに貴方に賛同する人達も魅力的でしたからね」

 

「そうかよ。まぁ残念だったな」

 

「最後に勧誘したからには言っておきますが此処からは避難しておいた方がいいですよ?」

 

「それは俺が決める事だ」

 

悟が返答する前にリンの姿は消えていた。

球磨川、悟、反坂は彼女のギフトを知っているので対して不思議には思わない。

 

『それでどうするんだい?』

 

「あいつらが行動を起こし次第戦争だ」

 

「物騒だな~」

 

「言うのはいいけど、総大将にバレないようにね」

 

「分かってるての」

 

『話はまとまったとして。どうせ時間も空いてるし、“造物主の決闘”でも見にいかないかい?』

 

球磨川の言葉に頷く一同。

一同は酒場を出ると闘技場を目指すのだった。

 

 




寝る前に書くものじゃないなと実感した回でした。
それゆえ少し支離滅裂なことがあるかもです。

それでは質問、感想待っています。
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