問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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vs殿下

 

{ギフトゲーム名“造物主の決闘”

 

 ・参加コミュニティ

  *全二十四名 ※別紙参照。

 

 ・ゲーム概要 一、予選は一試合で三人が一斉にぶつかり合う。

        二、最後まで失格しなかった一人が予選通過。

 

 ・勝利条件 一、対戦者がリングから落ちた場合。

       二、対戦者のギフトを破壊した場合。

       三、対戦者が勝利条件を満たせなくなった場合(降参含む)。

 

 ・敗北条件 一、参加者がリングから落ちた場合。

       二、参加者のギフトが破壊された場合。

       三、上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、コミュニティはギフトゲームを開催します。

        “サラマンドラ”印}

 

球磨川、反坂、悟と護衛一同は“契約書類”を片手に観客席にいた。

彼らは闘技場を見ている。

その闘技場の上には、狐の面を被り戦闘体勢の狐川、高校生くらいの姿で【心渡】を片手に持つ忍、優勝候補のウィラ=ザ=イグニファトゥスがいる。

観客席に黒ウサギ、ジャック、ルイオスのグループとジン、サンドラ、白髪の少年のグループがいることは確認済みである。

 

「球磨川、皐、お前らは同じコミュニティとして誰が勝つと思う?」

 

「俺は分からねぇな~」

 

『僕は……ウィラちゃんがよく分からないから何とも言えないけど、忍ちゃんだろうね。狐川ちゃんも新武装があるようだけど、それでも忍ちゃんだろうね』

 

球磨川ははっきりと言い切った。

悟としてもそれは納得ではある。

彼らがそんなことを話していると、

 

[それでは此処に____“造物主の決闘”の開幕を宣言します!!]

 

司会のアーシャが開幕を宣言した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ぬ?」

 

「え!?」

 

開始直後、忍と狐川は大地から蒼い風が吹き荒れるのを感じる。

 

「(こりゃマズイわね)“性質変換・巫女”、“三魂共鳴”、目覚めろ“アルマテイアの城塞”」

 

狐川が慌てて詠唱すると、狐川の右目は橙に、左目は黄に変化する。

そして焔の狐耳と尾が生える。

そして山羊の神獣が顕現する。

劣化している筈の山羊の霊格がそのままなのは狐川の特訓の成果である。

狐川は安心院に頼み込んで、不知火の能力を最大限に引き出せるように特訓した。

その不知火の影武者としての特性を使い、体質を巫女へと変化させて、アルマテイアと天狐、各々の魂と自分の魂を共鳴させて、霊格を底上げしているのだ。

 

「アルマ、防護よ!!」

 

「了解です。マイマスター」

 

アルマは鋼の球体へと姿を変えていく。

一方の忍はウィラへ【心渡】を振り降ろしていた。

しかし【心渡】がウィラに触れる直前に姿が消える。

前持って知っていた忍は驚かない。

 

「そこじゃ!!」

 

自分でもよく分からないが妙な気配を感じる場所へと、【心渡】を投げ付ける。

だが【心渡】はウィラの頬を掠めるだけだった。

直後、ウィラが召喚した“愚者の劫火”により、闘技場は蒼炎の嵐が吹き荒れる。

開幕から僅か二秒の出来事であった。

 

「邪魔じゃ!!」

 

そんな声と共に蒼炎の嵐は、斬り裂かれ、消えた。

“怪異殺し”、ギフトを斬るギフト、【心渡】で忍が半身を焼き焦がしながら蒼炎を斬り裂いたのだ。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

蒼炎の嵐が斬り裂かれ、炎が消えた直後、雷を纏う焔の槍がウィラを襲う。

ウィラは瞬間移動を使い避ける。

そこへ体の修復が終わった忍が襲い掛かる。

再び瞬間移動をするが、忍はまるで移動先が分かってるように追撃する。

更に雷を纏う焔の槍も次々と襲ってくる。

開幕直後に蒼炎の嵐を受けた二人はウィラを標的に定めたのだ。

このまま追い詰めると思われたが、

 

事態は急変する。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

闘技場の観客席の一部が爆発と共に砕けて崩壊した。

殿下に吹き飛ばされた黒ウサギが観客席に突っ込んだのだ。

直後、観客席で棒立ちしていた殿下の背後に球磨川が襲い掛かる。

気配を感じない不意討ちに驚いたものの、凶悪な笑みを浮かべて迎え撃つ。

 

「遅い!!」

 

『グフゥ』

 

殿下は振り返り様に球磨川の横腹に右肘を叩き込む。

骨の砕けるような音がした後に吹き飛んだ。

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

暦が叫びながら【心渡】で斬り掛かるが殿下は肘打ちの勢いのまま、左の拳を握り放つ。

拳は暦の腹を貫く。

殿下は腕を引き抜こうとするが、暦がそれを掴む。

 

「今だ!!狐川、球磨川!!」

 

意図を理解した殿下は暦に蹴りを放ち、引き離す。

その隙に稲妻の槍と焔の槍が襲い掛かる。

殿下はそれを紙一重で避けると、【大嘘憑き】で復活した球磨川に蹴りを放とうとするが暦に足を掴まれ、動きが一瞬鈍る。

その隙に球磨川が螺子を突き刺す。

突き刺す直前に何かが途切れる感覚に襲われたが無視する。

 

「悪いがそういうのは効かないんだよ」

 

“刃を通さない”殿下に螺子は刺さらない。

殿下は球磨川の腕を掴み、下に叩きつけようとするが、悟が蹴りを放ち、殿下がそれを防ぐ。

その間に球磨川は距離を取る。

 

『護衛はどうしたんだい?』

 

「手を出すなって言ってある」

 

『それが正解だね』

 

それだけ言うと、二人は殿下へと向かっていく。

 

「と、思わせて後ろだろ?」

 

殿下が背後に蹴りを放つと傷を再生し終えて、背後から襲撃しようとした暦に当たる。

暦はギリギリ両腕でガードするが腕が砕けた音がして、吹き飛んでいった。

そのまま殿下は跳躍し、球磨川と悟の頭を掴むと跳躍の勢いのままに地面に叩きつける。

 

「お前らは不死身か?手加減しなくてやりやすいな」

 

言いながら殿下は埃を払い、振り向く。

直後、忍が殿下の頭を掴んで、地面に押し付けながら引きずり、投げ飛ばした。

 

「……お前を忘れていたよ。お前が神霊の気配を感じる吸血鬼か?」

 

「神霊?何じゃそれは?」

 

「自覚は無しか。完全に覚醒しているわけでもないみたいだな。まぁ覚醒前だが実力は見ておくか!!」

 

殿下が起き上がった直後、忍の蹴りが殿下の側頭部に向かって放たれるが、殿下はその足を掴む。

そして空いている腕で思いっきり拳を放つ。

 

「な!?」

 

拳を放った殿下自身が驚きの声をあげる。

それもそうだろう、忍は殿下の拳を掴んだ。

殿下の拳を止めた腕は骨が砕け、血が溢れているがそれでも掴んでいる。

 

「手は塞がれたの」

 

忍に拳を掴まれ、忍の足を掴んで、両腕が塞がっている殿下は忍の拳を顔面に受ける。

咄嗟に頭突きをして、ある程度威力を殺す。

それでも腕の力は緩む。

忍は解放された足で蹴り放ち、殿下を蹴り飛ばす。

忍はすぐ追撃するが殿下はすぐに持ち直して、拳を放つ。

忍はそれを避けもせず、肉を散らし、血を散らしながら殴る。

 

「再生力を生かした戦法ってわけか!!」

 

形としては殴り合いなのだが、血肉を散らすのは、忍の方が多かった。

忍の体は耐久力自体はそこまでない。

しかし傷は即座に回復していく。

壊れて再生の繰り返しであった。

それは球磨川達がとても介入しようと思える雰囲気では無かった。

 

「(だがおかしい……さっきから感じる違和感はなんだ?)」

 

殿下は少し違和感を感じていた。

それは忍の動きが段々よくなっているように感じているのだ。

 

「隙ありじゃ!!」

 

殿下が思案してほんの少し動きが鈍ったところに忍の蹴りが入る。

殿下は蹴りの入る瞬間に後ろに跳躍し、威力を軽減するのと同時に距離を取る。

 

「逃がすと思うかの?」

 

「待て、忍!!」

 

追撃をしようとした忍を戻ってきた暦が止める。

 

「何故止めるんじゃお前様」

 

「あいつが来た。後は任せておけばいいだろ」

 

暦は観客席の西側入り口を指差し、忍もそちらを見る。

殿下も釣られてそちらを見る。

 

其処には独り__棒立ちのまま周囲を見渡す、逆廻十六夜の姿があった。

 

 





殿下vs複数でした。

今回は殿下無双になってましたが忍以外は殿下に対応出来る程の身体能力は無いと思ったのでこうなりました。

忍に関してもキスショット時代ならともかく、今の不完全な状態だと捨て身戦法でやっとというかんじです。

十六夜が来たくらいで忍は止まるとは限らない。


それでは質問、感想待っています。
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