問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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今回から七巻分です。




落陽、そして墜月
Tain Bo Cuailnge


 

球磨川は現在、“ノーネーム”一同と別行動を取っていた。

悟率いる“百鬼夜行”の一部、通称若頭派と打ち合わせをする為の別行動だった。

今は打ち合わせは終わり、悟と反坂の話が終わるのを待っていた。

 

『安心院さんは何処に行ったのかな?』

 

「此処だよ」

 

何となく呟いた言葉に答えが返ってきて驚き、そちらを向くとそこには安心院なじみが立っていた。

 

『やっと戻ってきたのかい』

 

「いや、ちょっとした報せに来ただけだよ。黙ってるのも悪いと思ったからね」

 

安心院の言葉の意図が分からず首を傾げる球磨川。

 

「君も何か切れた感覚は感じただろう?」

 

『そうだね。殿下君との戦いの時に感じたよ』

 

「それはね。僕と君の繋がりが切れたということだよ」

 

『どういう意味だい?』

 

「つまり僕の体はほぼ復活を果たしたということだよ。まだスキルは復活してないけどね」

 

『それはおめでとう』

 

「驚かないのかい?」

 

意外そうに言う安心院。

聞けば球磨川が驚くと思っていたのだ。

 

『何時か来るとは思っていたからね。それより君はこれからどうするつもりなんだい?』

 

「僕は……少し一人で行動させて貰うよ。此処にはそれを言いに来たんだしね」

 

『そうかい。分かったよ。他の皆にも言っておくよ』

 

「それじゃあ球磨川君、元気でね」

 

『君も気をつけてね』

 

それを最後に安心院は球磨川の前から姿を消すのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一方の“ノーネーム”。

十六夜達は実力を見せ付けた後に頭を下げ、古豪達を納得させるのだった。

そして誰が誰を相手にするか決めようとしていた。

 

「あの白髪鬼は俺が相手するとして……“マクスウェルの魔王”を始めとした側近は誰が相手する?」

 

「主様、マクスウェルは境界門を使うんでしたよね?」

 

狐川が確認するように言う。

 

「そうだ。それをどう押さえるかが問題だ」

 

「それなら適任がいますよ」

 

そう言って狐川は忍を指差す。

忍は対して驚いたようすでもない。

 

「儂があれの相手をすればいいんじゃな?」

 

確かに忍は原因不明だが境界門を探知している。

それならマクスウェルの相手として適任だろう。

ウィラも十六夜も納得というかんじだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

その夜。

十六夜と黒ウサギのところに殿下が現れた。

そして黒の封書が舞う。

 

{ギフトゲーム “Tain Bo Cuailnge”

 

 ・参加者側ゲームマスター“逆廻十六夜”

 ・主催者側ゲームマスター“     ”

 

 ・ゲームテリトリー“煌焔の都”を中心とした半径2km。

 

 ・ゲーム概要

  ※本ゲームは主催者側から参加者側に行われる略奪型ゲームです。

   このギフトゲームで行われるあらゆる略奪が以下の条件で行われる限り罪に問われません。

  条件その一:ゲームマスターは一対一の決闘で雌雄を決する。

  条件その二:ゲームマスターが決闘している間はあらゆる略奪可(死傷不問)

  条件その三:参加者側の男性は決闘が続く限り体力の消費を倍加する(異例有)

  条件その四:主催者側ゲームマスターが敗北した場合は条件を反転。

  条件その五:参加者側ゲームマスターが敗北した場合は解除不可。

  条件その六:ゲームマスターはゲームテリトリーから離脱すると強制敗北。

 

  終了条件:両陣営のゲームマスターの合意があった場合にのみ戦争終決とする。

       ゲームマスターが死亡した場合、生き残ったゲームマスターの合意で終決。

 

 宣誓 上記を尊重し誇りと御旗の下、“ウロボロス”連盟はゲームを開催します。

         “ウロボロス”印}

 

そして巨人族の雄叫びが響く。

十六夜は黒ウサギを逃がすと、殿下と衝突するのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

ウィラ達の前にはマクスウェルが現れていた。

 

「ああ、やっと……やっと、君に触れられるだけの力を手に入れられた。この力を手に入れる為だけに、私は時の最果てまで駆け抜けた。この恋心よ、世界の境界を飛び越えて君に届けと願い続け___ウィラ!!私はとうとう、君を迎えに来た!!」

 

「きもい」

 

一刀両断である。

しかしマクスウェルには照れ隠しにしか見えなかったのだろう。

不快な色は一切見せず、掴んだ青髪に口付けようと顔を近づけた。

 

「何をしようとしてやがる!!このマクズウェルが!!」

 

見かねた暦が怒鳴りながらマクスウェルに本気の蹴りを放ち、宮殿の通路へと叩き込んだ。

それだけの動きでも衰退の呪いにより、息を切らす暦だったが吸血鬼性を上げているのですぐに回復はする。

“サラマンドラ”がマクスウェルを追撃するが呪いにより倒れ始める。

無傷のマクスウェルは巨人を召喚する。

 

「雑魚じゃな」

 

召喚された瞬間、忍が三割ほど斬り倒した。

残りの巨人は火龍達と暦が相手をすることになった。

そして忍とウィラはマクスウェルの前に立つ。

 

「その少zy

 

マクスウェルの言葉が切れる。

忍がマクスウェルの顔面に蹴りを放ったのだ。

だが手応えはない。

 

「人の恋路の邪魔をしないでくれないか?」

 

マクスウェルは忍の背後に移動すると両腕から炎と氷結を放った。

その瞬間、忍が首に下げていた二つの指輪が光る。

赤い指輪は“アンダーウッド”の手紙の中に、青い指輪はウィラから渡された手紙の中にあった。

その指輪の光により、炎と氷結は無散する。

メメの贈り物はセットで発動する火避けと冷気避けの指輪だったのだ。

 

「なっ!?」

 

マクスウェルが予想外の事態に驚いた瞬間、忍はマクスウェルの頭を掴んで引き寄せると、腹に蹴りを放ち吹き飛ばすのだった。

 

「貴様は殺られる覚悟は出来てるんじゃろうな?」

 

忍は笑みを浮かべながら言うのだった。

その光景にウィラは唖然とするのだった。

そんなウィラの背後にマクスウェルが移動してくる。

しかしウィラも即座に移動する。

そこへウィラの影に隠れていた忍が【心渡】で斬り掛かるのだった。

マクスウェルも姿を消すが、次に現れたマクスウェルの頬から血が垂れる。

 

「やってくれるな……吸血鬼ごときが!!」

 

「貴様が弱いだけじゃマクズウェル!!」

 

怪異の王と最新の魔王がぶつかる中、忍は内側から何かが溢れるのを感じるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

『行こうか、悟君』

 

「俺はどっちでもいいけどな~」

 

「少し待てっての。こういうのは出陣前が一番大事なんだよ!!」

 

悟は二人に言った後に若頭派の方を向く。

 

「さ~て、お前ら!!開戦だ!!俺に続け!!」

 

悟が叫ぶと、若頭派も答えるかのように叫び、戦場へと向かっていくのだった。

 

 





七巻分及びゲームスタートです。

対戦表としては
十六夜vs殿下
忍vsマクスウェル
です。

それでは質問、感想待っています。

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