問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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覚醒

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

僕は火龍達と共に巨人の相手をしていた。

衰退の呪いとやらで体力はどんどん持っていかれるがそこは吸血鬼性でごり押しする。

というかここで死んだらガハラさんや羽川に二度と会えないかもしれないんだ!!

全力でやるしかないだろぉぉお!!

強引に体力を生産して巨人を斬っていく。

十六夜の話から“クイーン・ハロウィン”とかいう人なら元の世界に変える方法を知ってるかもしれないんだ!!

 

「そこまで死ねるかよぉぉぉぉ!!」

 

これで何体目か知らないが巨人を斬り倒していく。

とりあえず人が大きくなっただけのやつらだ。

急所は大体同じである。

 

「……大丈夫?」

 

「うわぁ!?」

 

いきなり横から話しかけられる。

ウィラちゃんが現れたのだ。

ウィラちゃんはそのまま炎で巨人を焼いていく。

 

「マクズウェルの相手はいいのか?」

 

ウィラちゃんは忍と一緒にマクズウェルを相手にしていたはずだ。

 

「必要ないと思って……」

 

「へ?」

 

ウィラちゃんの言葉の意味が分からず、忍のいる方を見ると………マクズウェルを圧倒していた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「ぐっ……」

 

マクスウェルは腹を貫かれ、顔を歪める。

忍の蹴りに当たる前に空間を跳躍する。

しかしそこには既に忍が迫っていた。

 

「ちょこまかちょこまか面倒じゃのう!!」

 

炎と吹雪を放つが【心渡】で斬り裂かれる。

斬り切れない分はくらうのだが、そこはすぐに再生する。

 

「吸血鬼にしてはかなりの力だな。しかし私はそれほど強い魔王ではないのは自覚している。だからこのようなものを作らせてもらった。___召喚、【踊る姉妹人形(Coppelia sister)】!!」

 

パチン、と指を鳴らしすと螺旋状の“境界門”を開く。

炎と氷の乱舞が発生し、その中心から次々と少女の形をした人形が出現し、忍を包囲する。

人形たちは全て女性型をいしており、透き通るような蒼い瞳とプラチナブロンドをなびかせて次々と召喚されていく。

整列した彼女たちは人形とは思えない柔らかな仕草でスカートの裾を持って一礼。____している間に真っ二つにされる。

 

「なっ!?」

 

「数は多いようじゃが弱いの」

 

忍は次々と斬り倒していくが、人形も次々と召喚されていく。

 

「(キリがないの……)」

 

忍は地面にヒビが入る程、足に力を込める。

全力の跳躍の勢いのまま、マクスウェルを全力で叩くつもりである。

そして無意識の内に霊格が肥大していく。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

神霊になるには“功績”と一定以上の“信仰”が必要である。

更に“歴史の転換期”を起こしたりなどすると霊格は上がる。

それを忍野忍に当てはめてみよう。

彼女は現在は忍野忍として、阿良々木暦の影に縛られているが、彼女の本来の姿、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは“怪異の王”や“怪異殺し”など広く知れ渡り、“信仰”に値する扱いを受けている。

そして“功績”としてもっとも大きいだろうことは“世界を滅ぼした”ことだろう。

不完全とはいえ、人類を壊滅寸前にして、世界を滅ぼしたのだ。

かなりの規模の“歴史の転換期”てあろう。

そんな彼女が箱庭にて霊格が解放されたらどれ程の力を手にするかは……想像の範囲を越えるだろう。

 

しかし現在の彼女は忍野忍であり、キスショットではない。

吸血鬼性を上げて、元の姿に近付けば影響を受けるだろうがそれは本来の力のほんの一部であろう。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

忍の全力の跳躍は地を砕き、周囲の人形を吹き飛ばし粉々にしていた。

そしてちょうど空間跳躍で現れたマクスウェルは狙ったように跳んでくる忍に驚愕して、再度跳躍しようとするが、左腕が斬り落とされる。

そして左脇腹も一緒に斬られている。

これが少し前までの忍だったら、マクスウェルにとってたいしたことのない傷だったろう。

しかし“今”の忍の全力の斬撃は____霊格ごと斬り落とす。

 

「ぐっ………がぁぁぁぁぁぁ!?」

 

マクスウェルは傷口を抑えながら叫ぶ。

霊格が斬り落とされた痛みは普通ではない。

何倍にも膨れ上がった痛みが常に傷口を襲うのだ。

そして存在を斬り落とされた部位の再生は出来ない。

忍もかつて似たようなことを吸血鬼ハンターやアロハ服の専門家にされたことがある。

忍は斬り落とした腕を喰らう。

斬り落とした霊格を自身の内的エネルギーに変換しているのだ。

あくまで内的エネルギーなので使えば消費されるが。

 

「……不味いの」

 

霊格を吸い切り、干からびた腕を吐き捨て呟く。

マクスウェルは顔を苦悶に歪ませながら空間を跳躍する。

 

「無駄じゃ!!」

 

背後に跳躍したマクスウェルの頭部を掴むと、地面に向かい投げ付ける。

地面に衝突する前に跳躍しようとするが、腹に投げ付けられた【心渡】が刺さり、そのまま地面に衝突する。

上を見ると忍が蹴りの体勢で降ってくるのを確認し、人形を召喚しつつ、跳躍する。

 

「ふんっ」

 

蹴りの姿勢のまま着地する。

その衝撃で地面は砕け、人形も吹き飛ばされる。

地面から【心渡】を引き抜くと次にマクスウェルが現れるところに狙いを付けて跳ぶ。

マクスウェルは空間跳躍で現れる度に忍に斬り掛かられ、避けきれずに傷が増えていく。

 

「おのれ……」

 

身体中を襲う激痛に耐えつつ、マクスウェルは忍に攻撃をしかける。

しかしそれは【心渡】で斬られ、当たっても再生される。

なのでマクスウェルは敢えて攻撃をせず、【心渡】の斬撃を受ける。

そして皮膚を薄く斬り裂いた瞬間に跳躍して、背後から襲う。

だが、しかし、そんな小細工は忍に通用しなかった。

忍は振り降ろす勢いを強引に殺し、回転斬りでマクスウェルの首を狙う。

 

「これで終いじゃ!!」

 

が、忍の斬撃より先にマクスウェルの攻撃が当たったことにより斬撃はマクスウェルの首を薄く斬っただけだった。

しかしそれはマクスウェルの危機感を最高に高めた。

マクスウェルはこの場から離脱するべくかなりの遠方にまで跳躍するのだった。

 

「逃げられたかの?」

 

“境界門”の気配を感じず、近くにマクスウェルが現れないことから判断して、呟くのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

マクスウェルはボロボロな姿で路地裏を歩いていた。

傷口は炎で焼き塞いで止血した。

 

「あの吸血鬼さえいなければウィラは私の元に……」

 

そんなことを呟きながら、フラフラと歩くマクスウェル。

自分に危機が迫ってるとも知らずに。

 

「やあ、かなりやられたようだね。でも君も用済みだし……ちょうどいいから消えて貰おうかな?」

 

突然、背後から声をかけられ、マクスウェルは慌てて振り返る。

そこには不気味に笑う安心院なじみが立っていた。

 

 





忍覚醒回でした。

書いてある通り、忍として使えるのはほんの一部の力です。
世界を救ったのも“歴史の転換期”扱いになるかも知れないですがそこらへんは微妙なので保留。

追加能力的なのは、“境界門”探知と霊格斬り落としです。

覚醒したと言っても本編の誰も何が原因でしたのか不明なかんじです。


現在、劇場版禁書の特装版が届いてテンションチョーイイネサイコー!!

傷物語速くやらないかなと思うこの頃。
セカンドシーズンより速くやるべきだったとは全力で思うが。


それでは質問、感想待っています。

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