問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
吸血鬼化した巨人族との戦いは、混戦極まる状態になっていた。
黒死病を操るぺストも戦いに参加していたが、吸血鬼となった巨人族には効果が薄い。
怨嗟を衝撃波として撃ちだし応戦するぺスト。
その後ろでは狐川がアルマに乗りながら、焔と稲妻の槍を放っていた。
どちらの戦法も、大局を変えるには程遠い。
しかし互いに意地の張り合いで気を持たす。
「限界が近いようね斑チビ」
「勝手に言わないでくれるかしら狐女。あなたの方が限界でしょう?」
「誰が限界だ。誰が」
[敵が来てますよ!!]
言い合いをする二人にアルマが警告する。
それを聞いた狐川は青筋たてながら一際大きい炎で巨人を焼き払い、残りをぺストが吹き飛ばす。
睨み合いながらもそこは息を合わせる。
だがそれも焼け石に水だ。
巨人は次々と召喚されて、千を越えている。
◆◆◆◆◆
「テメェら!!ここで引いたら“百鬼夜行”の名が廃る。振り向かずに進み続けろ!!」
悟が叫びながら敵陣に突っ込む。
「悟様!!先走らないでくだいさい!!」
濡鴉が烏を従え後に続き、巨人を斬り倒していく。
巨人は吸血鬼化により強化されているが急所を斬られ、烏に肉を抉られ倒れていく。
「若様が戦っている限り、」
「私達が、」
「「引くわけないでしょうが!!」」
吹雪が風を起こし巨人を凍らせ、粉雪が氷柱で貫いていく。
二人が通った後は、氷のオブジェの山と変わっていた。
それは砕かれたり、武器などに利用されていく。
「巨人ごとき何体来ようと問題ねぇよ!!」
土丸が張り巡らせた蜘蛛糸を引っ張ると巨人が細切れになっていく。
更にそこらの建物に蜘蛛糸を巻き付け、もぎ取り振り回し、巨人を薙ぎ倒す。
「その程度が俺に効くか!!」
がしゃは巨人の剣を、斧をその身で受け止める。
がしゃの骨にはヒビ一つつかない。
それら全て弾き飛ばすと叩き潰していく。
「鎌音は十二時の方向に20m、風間は十二時に19m」
「了解」
「連打!!」
伏目が指示し、鎌音が斬撃を、風間が打撃を送る。
出来るだけ多くを巻き込むように放たれるそれは巨人を肉塊に変える。
『キリがないね』
「仕方ねぇだろそれは」
「ニャハハ……数が多いですからね」
球磨川が反坂の上から【却本作り】を放ち無力化し、夏歩が急所を抉っていく。
反坂と夏歩がそれなりに仲が良かったこともあり、息の合った連携になっている。
「面倒ね……吹雪!!粉雪!!」
河澄が水を操り網を作り、雪女二人が水を刃に変え、巨人を斬り裂く。
その刃を再び水に変換して巨人を貫いていく。
「息が切れてるぞ悟」
「うるせぇお前もだろ茨」
悟と茨は互いを補い合うように巨人を斬り捨てていく。
二人とも息を切らしている。
二人だけではなく若頭派、全体的に息を切らし始めている。
幾ら“百鬼夜行”で衰退の呪いを弾き、全体的に強化されているとはいえ、体力は減っていく。
「さすがに“あいつ”の力を借りるしかないか?」
「“あいつ”を呼んで大丈夫なの?」
「信頼は出来る」
悟は息を整えながら紅葉と話す。
切り札とも言える“あいつ”を呼ぶかどうか考えながら戦況を見る。
今のところは拮抗しているがこのまま続けば不利だろう。
「呼ぶしかねぇな。“あいつ”を、自由にすると契約したが仕方ねぇ」
悟は媒介たる“青”を掲げる。
「来い!!百物語の主にして、百物語そのものである鬼!!“青あ
「あいや、そこまでや」
悟が覚悟を決めて呼ぼうと呪を唱えようとした時にそれは現れた。
そして、全ての覚悟を押した流す、龍の如き濁流によって決着がつけられた。
◆◆◆◆◆
現れたのは蛟魔王だった。
彼は現れていきなり百二十体もの巨人族を放出した水流で散り散りに吹き飛ばした。
「いやあ、えらい遅れてしまった」
それを遠くで見た悟は媒介をしまう。
「あれ?呼ぶのは中止?」
「蛟魔王がいりゃ“あいつ”を呼ぶまでもないだろ。“あいつ”の自由は出来るだけ阻害したくねぇしな」
背に乗る紅葉とそんなことを話しながら肩を竦める。
本音と言えば本音である。
いつでも呼び出せるが自由を邪魔しない為にも出来るだけ呼ばないようにしているのだ。
その隣に反坂と球磨川が来る。
『戦況はどうなったんだい?』
「あいつがほぼ終わらせそうだよ」
悟が指差す方を見ると、蛟魔王が津波を起こして巨人族を呑み込んでいった。
そこで混世魔王と黒龍が乱入して、吹き荒れる炎と海流の渦。
「さて、俺らはどう動くかな」
近くの巨人を斬り倒しながら呟く。
悟の頭の中にはどう動けば一番利に繋がるかとあった。
悟の目的はあくまで功績を立てて、総大将を継ぐことである。
どう動けば繋がるか思案していた。
『とりあえず巨人を倒すことには変わりがないだろ?』
球磨川が巨人を無力化しながら言う。
今やれることと言ったら、それくらいである。
巨人族は海流に阻まれ進軍の速度を落としている。
一度に外壁を襲う数は半減したと思っていい。
燃える炎の戦場は未だに静まる気配を見せない。
そこで球磨川は気付く。
球磨川だけではない。
多くの者が気付き驚愕する。
“それ”はとある魔王の末路とも言えた。
街で一番大きい尖塔に“それ”はあった。
そこには____マクスウェルの生首が剣で貫かれた状態で刺さっていた。
再びオリキャラ中心回でした。
“あいつ”に関しては後々。
百物語、鬼、青で大体分かるかもですが。
それでは質問、感想待っています。