問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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今回は番外編です。
オリキャラ中心です。
というかオリキャラ掘り下げです。
前回の次回予告はあくまで八巻分の次回予告です。




番外編1
緋御 悟の人間関係[1]


 

夏歩との関係

 

とある夏の日、悟は反坂の上に乗って散歩していた。

何時もの如く護衛は撒いて来ている。

悟としては必要ないのだが、ぬらりひょんが付けろとうるさいので連れてるだけである。

だからある程度したら抜け出すのである。

 

「暇だな……」

 

「お前……護衛を撒いた癖に目的ねぇのかよ」

 

「今日は面白そうなことがありそうなんだけどな……」

 

「サトリの勘か?」

 

「俺のは伏目みたいに未来が見えるわけでもねぇよ」

 

そうか~と適当に言う反坂。

こちらもこちらで何となく付き合って散歩しているだけなので暇なのだ。

そんな時、二人は視界の端に何かを見付ける。

 

「今の何だと思う?」

 

「よく見てないから知らね~」

 

「ったく相変わらず適当だな」

 

悟が上から降りると、反坂も人型になる。

そして何か見えてた所へと歩いていく。

 

「こりゃあ……猫か?」

 

「猫だな……」

 

そこにいたのは傷だらけで倒れた黒猫であった。

 

「しょうがねぇ……屋敷に戻って治療するか」

 

「そうだな。ちょうど濡鴉の奴に見付かったみたいだし」

 

二人が上を見ると、大量の烏が頭上を飛んでいた。

おそらく濡鴉も憤怒の表情でこちらに向かっているだろう。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

悟と反坂が濡鴉に説教を受けてる時、治療を済ませた黒猫は寝かされていた。

しばらくして目が覚めると周囲の状況を把握出来ず、驚く。

周囲を見回し、状況を把握していく。

 

(どうやら……何処か連れ困れたみたいかニャ?治療をしてくれた辺り悪い奴ではないかニャ?)

 

とりあえず変化は解かないで寝た振りをしておく。

そんな中、説教を抜け出してきた悟が部屋に入ってくる。

 

「まだ、寝てるのか……しかし、何で猫又が傷だらけで倒れてたりしたんだ?」

 

まあ、いいかと悟が一人で納得するが、黒猫はそれを聞いた瞬間に変化を解く。

姿は変化して、体が大きくなる。

変化を終えると悟に跳び掛かり、喉に爪を当てる。

 

[いつ気付いたの?]

 

「どうやら元気になったみたいだな」

 

[いいから、質問に答えろ!!]

 

「そんなもん、俺はサトリの血が混ざってるからな。多少は読める」

 

[何故、私の正体を知ってながら治療した?そもそも此処はどこ?]

 

「助けた理由?そんなもん必要ねぇだろ。目の前に傷付いた妖怪が倒れていて、俺が助けたくなった。それで充分だろ?」

 

[………]

 

悟の言葉に少々黙る猫又。

 

「場所を答えて無かったな。此処は傭兵コミュニティ“百鬼夜行”の本拠だ」

 

[!?]

 

今度こそ驚く猫又。

まさかそんなところにいるとは思っても無かったのだろう。

驚いている間に悟の姿が消えていた。

 

[何処に!?]

 

「こっちだ」

 

背後から声がして思わず飛び退く。

そちらを見ると悟は座りながら茶を飲んでいた。

 

[貴方はぬらりひょん?]

 

「の息子だ。そういや名乗って無かったな。俺の名は緋御 悟だ」

 

それを聞いて猫又は悟が名乗った事に首を傾げる。

この近くの外門にいる妖怪は大体が妖怪名=本名である。

 

「まぁ座れよ。話をしようぜ。話を」

 

[何故、何故私を助けた?]

 

「さっきも答えただろ?」

 

[違う!!私は、猫又は、不幸を呼ぶ!!だから……]

 

猫又が傷付いていたのはそれが理由である。

不幸を呼ぶ、不吉、それだけで突き放され、傷付けられたのだ。

それを察した悟は立って猫又へと近づいていく。

 

「そんなもんは関係ねぇよ。此処には貧乏神の類いもいるしな。不幸を呼ぶくらい気にしねぇよ。猫の一匹くらい、普通に受け入れてやるよ」

 

[そ、それはどういう意味だ……]

 

「同士にならねぇか、って事だよ。ちょうどいいしな。俺らならお前を傷付ける奴らから守れるし」

 

[いいのか?私みたいなのがいいのか?]

 

「だからどんな奴だろうが関係ねぇって言ってるだろ?」

 

そう言いながら悟は猫又の頭に手を乗せ、撫でる。

 

[ヒャッ!?]

 

そんな声を上げると煙が上がり姿が変わる。

現れたのは猫耳と尻尾を生やした少女だった。

見た目からして16歳あたりに見える。

格好は素っ裸だったが……

 

「へ?」

 

「フ、フニャァァァァァ!?」

 

顔を真っ赤にして悟を割りと全力で蹴り飛ばす猫又だった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「いや、本当に悪かった……」

 

「いきなり人化した私も悪いけど少しは反省してよ……」

 

素っ裸だったのが今まで基本猫の姿が普通だった為に服を着てなかったのである。

今は悟を追い出した後に持ってこられた服を来ている。

 

「それでお前は家族とかいるのか?」

 

「父さんも母さんも私が小さい時に死んだのよ……それからは分かるでしょ?」

 

「まぁ……そうだな」

 

そこらへんは悟も大体察している。

今までどういう扱いを受けてきたかは先程の傷付いた姿で分かる。

 

「それで俺らのコミュニティに、そして俺の同士になる気にはなったか?」

 

「それ?ニャにか違うの?」

 

「素だと、猫口調になるんだな」

 

「う、うるさい!!」

 

「まぁ、質問に答えるとして、コミュニティへの加入はそのままの意味、俺の同士になるかどうかは俺の個人的な仲間になるかどうかだ」

 

「つまりコミュニティ内の派閥的なもの?」

 

「それに近いと言えば近いな」

 

少々考える猫又。

治療の恩もあるし、加入しなければ、ずっと今のままなのは分かるがどうも踏ん切りが付かないでいる。

出会ってすぐで信用し切れてないのもあるのだろうが。

 

「まぁしばらくは置いておいてやるからじっくり考えろ」

 

そう言って部屋を出ようとする悟。

そこで何かに気付いたように振り返る。

 

「そういやお前って名前は何ていうんだ?」

 

「名前?猫又だけど?」

 

「あ~そういうタイプか。なら……」

 

そこで悟は数瞬考えるような仕草をして、顔を上げる。

 

「俺はお前を夏歩と呼ぶ事にする」

 

「何でよ?」

 

「俺は妖怪を妖怪名で呼ぶのが嫌いなんでね」

 

それを聞いて溜め息を吐く猫又。

何やら気が抜けるようだった。

 

「家に連れ込んで、名前まで付けて、あんたは私を拾い猫か何かかと思ってない?」

 

「思っちゃいないが、間違ってはいないな」

 

確かに最初は猫の状態で拾って来たのだから拾い猫ではある。

そこで猫又の何かが吹っ切れた。

 

「ヒヒッ、いいわ。あんたの拾い猫でいいわよ」

 

「つまり加入するってことか?」

 

「そういうことよ、飼い主さん」

 

「お前……養えと言っていると解釈すればいいのか?」

 

「コミュニティに所属するんだから働きはするわよ」

 

そこはしっかりと言うのだった。

その時、キュ~と猫又、こと夏歩の腹が鳴るのだった。

 

「飯を持ってきたぜ」

 

そこにちょうどよく反坂が握り飯を持って、部屋に入ってきた。

 

「よぉ、ちょうどいいとこに来たな。ちょうど夏歩の腹が鳴ったとこだぜ」

 

「ちょ、言わニャいでよ!!」

 

慌て口を塞ごうとする夏歩。

反坂は首を傾げる。

 

「夏歩って猫の事か?」

 

「そうだ」

 

「別に夏歩が定着するのはもういいけど!!せめて名付けた理由くらい教えて!!」

 

「それは夏の散歩中に出会ったから夏歩だ」

 

「俺が言えねぇが適当だな~」

 

「そんなので人の名前を決めてるの……」

 

ガックシとする夏歩だった。

その後、夏歩はコミュニティに溶け込んで“百鬼夜行”を居場所として確立するのだった。

その過程で反坂と仲を深めたりするが、それは別の話。

 

(夏歩との関係、拾い主)

(関係続行、若干の変化有り)

 




番外編でした。

八巻の構想は出来ているのですが、九巻次第で変更の可能性があるので九巻が出るまで八巻分はないです。
しばらくは短編などです。

別途で何かやる計画もしていますがやるとしたらどちらがいいですかね?

「狼さんと妖狐が問題児と共に異世界から来るそうですよ!?」
「問題児と000と弱者の箱庭物語」
というかんじですが。

「零崎舞織の人間関係」とかも構想があると言えばありますが此方は纏まり切ってないので。

それでは質問、感想待っています。

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