問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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今回も番外編です。




緋御 悟の人間関係[2]

 

 

茨との関係

 

 

 

悟は荒野を歩いていた。

その後ろには伏目、がしゃ、反坂が歩いている。

伏目とがしゃは護衛で、反坂は気分でついてきただけである。

 

「それでこっちであってるのか伏目?」

 

「あってますよ。この方角に視えてますから」

 

「若頭~本当に勧誘するつもりですか?依頼は討伐なんでしょ?」

 

「うるせぇな~いいだろ別に。面白そうなやつは加えて損はないだろ」

 

いや、あるだろと心の中で突っ込むがしゃ。

口で言っても無駄という事は分かり切っていた。

一同は最近ここらで暴れているという茨木童子の討伐依頼を受けていた。

“百鬼夜行”は傭兵以外にもこういう依頼も受けていた。

 

(おい、皐!!お前が何とか言ってくれよ)

 

(無理だって、あいつがあんなテンションの時は俺でも止めれねぇよ)

 

ヒソヒソ話しながらガックシするがしゃ。

そこで強烈な死臭を感じる。

一同は同時に気付いたようで、一斉に臭いの元に視線を向ける。

そこには血貯まりとただ一人その中で立つ人影があった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

一同が近付くと人影は気付き、刀を向けてきた。

 

「テメェら、何者だ?」

 

「俺は緋御 悟。“百鬼夜行”の若頭だ。討伐しに来たぜ、茨木童子でいいんだよな?」

 

「あぁ……俺が茨木童子の茨だ」

 

刀を向けたまま言う。

その姿は長髪で表情は髪に隠れて見えないが、返り血まみれなのは一目瞭然だった。

そして足元には大量の死骸があった。

茨はいわゆる戦闘狂という類である。

手当たり次第に挑み皆殺しにする。

挑んでくる奴らも皆殺しである。

大量の死骸を見て、悟達が平気なのは見慣れているのもあるだろう。

 

「それで?今度はお前が俺を倒す気か?」

 

「そうだ。戦う前に聞いておきたいが俺の同士になる気はねぇか?」

 

「その気はねぇよ!!」

 

叫びながら斬り掛かる茨。

悟は紙一重でその斬撃を避ける。

今日はサトリが7割なのである程度は動きが読める。

その証拠に二撃目以降は全て刀で受けている。

 

「若頭を一人で戦わせていいのか?」

 

「言っても聞かないでしょう?」

 

「そりゃそうだ」

 

二人の斬り合いを眺める一同は各々呟くのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

二人の戦いはしばらくは拮抗していた。

実力的には互角くらいだと思われるが、悟がサトリの能力である程度斬撃を読めているので傷がつくことがない。

 

「受けてばかりで戦う気がないのか!!」

 

「そうでもねぇよ!!」

 

茨が突きを放つと、悟はそれを待っていたかのように刀で突きの軌道をズラしながら近付き、その腹に蹴りをいれる。

そして怯んだところへ、斬り掛かる。

 

「舐めるな!!」

 

「あぁ?」

 

茨がどたんばで飛び退いたことにより、傷は浅かった。

そこを狙うように茨が悟の腹に蹴りを入れる。

 

「中々楽しめそうだな」

 

「そりゃ俺が相手だ。楽しんで貰わなくちゃな!!」

 

悟は口を緩めながら言う。

悟も何だかんだで戦闘は好きな方である。

二人は距離を取る。

その間に茨が何かを呟くと、茨の額に日本の角が生え、眼が紅く染まる。

妖怪性を全開にしたのだ。

悟がその変化を見ていると、茨は姿を消した。

 

「終わりだ!!」

 

いつの間にか背後に回っていた茨が刀を振り降ろそうとしていた。

鮮血が舞う。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

斬られたのは悟だけではなかった。

悟は背後に回られたのを読んでいたように振り向く。

その間に振り降ろされた刀は悟の肩を抉る。

悟は肩を抉られながら、茨の腹へと刀を刺した。

刀が雷を纏っているのか肩が焼けるような気がしたが気にしてはいない。

 

「ガッ……」

 

「グッ……」

 

お互い、短い悲鳴を上げるが、すぐに戦闘を再開する。

悟は肩から、茨は腹から血を溢れさせながら斬り合っていた。

そこから先は読みも何もなかった。

ただ斬り合うそれだけであった。

一撃を入れる度に血が舞い、傷が増えていった。

 

「ハッ、中々やるじゃねぇか!!」

 

「それは此方の台詞だ!!」

 

悟が茨の右頬を斬れば、茨が悟の左頬を斬っていた。

血が舞う中、二人は延々と斬り合うのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

二人が倒れるのは同時だった。

互いに血を流し過ぎで、体力を消耗し過ぎであった。

 

「今回は引き分けだな!!」

 

「納得がいかねぇ……」

 

「それなら互いに修行してから改めて勝負をするなんてどうだ?」

 

「その間はテメェのコミュニティに入れってか?」

 

「強制はしねぇよ」

 

「まぁいい、お前らといれば強者と戦えるかも知れないしな。いいぜ、休戦としてやるよ。だが忠告しておくぜ。せいぜい寝首を掻かれないように気を付けるんだな!!」

 

「やってみろ、この野郎!!」

 

二人が言い合っている間に観戦していた三人が近付いてくるのだった。

 

 

(茨との関係、休戦関係)

(関係継続)

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

裏話

 

ある朝、茨と悟が本拠ですれ違った時のこと。

 

「誰だお前!?」

 

その格好の茨を見た悟の第一声はそれだった。

 

「何だよ……うるせぇな…………」

 

茨は顔をしかめて言う。

茨は長髪を纏めて、ポニーテールにしていた。

そして露になった顔は以外にも女顔だった。

 

「いや、髪を纏めるだけでここまで変わるんだなと思って……」

 

「その反応がウゼェから普段は隠してるのによ……」

 

茨は自分の女顔を嫌っていた。

女顔だと相手が本気で殺って来ないからだ。

 

「しかし本当に印象違うな。ここまで違うとさす

 

「いい加減にしろ!!」

 

さすがにイライラしてきた茨は木刀で突きを放つのだった。

片手でポニーテールに纏めていた紐をほどく。

 

「やるか?朝の運動にはちょうどいいな」

 

いつの間にか悟も木刀を持ち構えていた。

そして、二人は朝っぱらからぶつかりあいのだった。

 

一~二週間に一度、何かしらの理由でぶつかる二人なのだった。

大体、その後は濡鴉あたりに説教されることになるのだが。

 

 





人間関係その二でした。

最後の女顔設定は茨木童子が女の説もあるからです。

前回の別途でやる奴の候補の元ネタを書き忘れたのでここに書いておきます。

狼さん→dearの魔王と勇者
妖狐→妖狐×僕ssの双熾&凛々蝶
000→火野映司
弱者→霧崎カブト

こんなかんじです。

それでは質問、感想待っています。

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