問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
今回から地の文での反坂の呼び方は皐に変更です。
ぬらりひょんとの関係
とある夏の日。
皐は“百鬼夜行”の本拠の縁側で昼寝をしていた。
現在は悟が出掛けているので暇なのだ。
それに今日は快晴である。
昼寝には最適である。
皐は“百鬼夜行”において若頭の側近のような役割として扱われていた。
ほぼ一緒に育ってきたので当然と言えば当然なのだが、皐としては面倒なだけである。
とは言え、それは他の仕事をサボれる口実にもなるのだが。
ついでに普段からフラフラと適当なので真面目に働くことは期待されていなかったりする。
悟の護衛につけても、悟と一緒に何処かに消える事がしょっちゅうあるのでこの頃は護衛役もほとんど回ってこない。
しかし同時にほぼ唯一若頭の歯止め役であったりする。
皐が悟のやり過ぎを抑えてたりもするのだ。
ともかく現在はすることもなく、悟もいないので連れ回されるということもなく、昼寝に専念出来るわけである。
そんなこんなで睡眠開始から三十分経った時、皐は縁側から蹴り落とされた。
「痛ッ!?」
後頭部をもろに打った皐は後頭部を押さえながら、ノロノロと適当なかんじに立ち上がる。
「何の用だよ………ぬらりひょんのじーさん」
「お前こそ、何をやっとる」
「何って………昼寝だけど?」
「何かすることはないのか?」
「仕事もねぇし……無いけど」
そこでこの回答はマズッたと、直感で感じる皐。
何もないということはつまり……
「そうか。なら儂の用に付き合って貰おう」
相手の勝手に連れ回される理由が出来たようなものである。
「いや、やっぱ用事を思いd
「いいから遠慮するんじゃない」
ほとんど首を掴むように持ちながら、ぬらりひょんは強引に皐を連行した。
皐もそれなりに戦闘の能力はある。
しかしぬらりひょんは単体でそこらの魔王を倒しかねないという実力でもある。
◆◆◆◆◆
引き摺られた皐は鍛練場に連れ込まれた。
放り投げられた皐は、「こりゃ変化しても逃げられねぇな」と考えながら、立ち上がる。
これからすることには大体予想がついてる。
「俺も鍛練場に何か連れ込んでどうする気だよ……」
「そりゃ鍛練場ですることと言ったら一つだけじゃろ?」
ニィと笑うぬらりひょん。
顔をひきつらせる皐。
地獄の鍛練の始まりであった。
◆◆◆◆◆
数時間後、皐はボウガンをぬらりひょんに向けて数発、放つ。
正確な狙いをつけて、狙い撃つようなこはしない。
ぬらりひょん相手にそれはあまり意味がない。
二種類の気配操作を操るぬらりひょんを狙い撃つなど不可能である。
それこそサトリでもないと。
放たれたボウガンの矢をヒラヒラと軽く避けるぬらりひょん。
皐は一反木綿に変化し、近付く。
そして再び人化して蹴りを放つ。
しかし蹴りは宙を切るだけだった。
どうやらまだ気配操作の術中だったようだ。
「ボウガンの矢を適当に放って、儂の座標を割り出そうとしたようじゃが、それで分かる程、儂は甘くない」
「だ~何度目だよこれ………」
直後に放たれた、重い蹴りを“先程”教えられたばかりの方法で防御する。
しかしぬらりひょんの蹴りは防御など関係無く皐を吹っ飛ばした。
このやり取りも数十度目である。
はっきり言って教えられた防御に意味はあるのかと思い始める皐であった。
し
実際はぬらりひょんが無茶苦茶なだけなのだが。
◆◆◆◆◆
更に一時間後。
ボロボロでぶっ倒れた皐は寝転がって、天井を見ている。
まだまだ余裕というかんじのぬらりひょんは悠然と立っていた。
その間に何十度も皐はぬらりひょんに倒されるのだった。
倒され方も様々ではあった。
「………つーか何でいきなり稽古なんだよ………」
「ちょいとお前の戦闘方が気になっての。一応、護身術くらいは教えとこうと思っただけじゃ」
「大きなお世話と言いたいな………というか、そんなものは悟にでも教えておけばいいだろ?」
「それもそうじゃが、お前がどう道を選ぶかは知らんがの、とりあえず教えておいた方が“親”としては心配がなくなるんじゃよ」
「俺が選ぶ道ね……どうなるかとか想像つかねぇな~」
例え、血が繋がっていなくてもぬらりひょんにとって皐は息子同然だった。
同様に皐もぬらりひょんやサトリを親のように思っていた。
何やかんや仲はいいのである。
サトリにはあまり近寄ろうとは思えないが。
思考を読まれるのは例え親でも嫌なものである。
その上で皐は道を選ぶ事について考えていなかった。
流れにまかせる如く、フラフラとしてきたのが皐でもあるのだから。
はっきり言って今すら適当に生きてるよくなものなのだ。
「ま、今考えることもないじゃろ。その時が来たら儂に言うんじゃぞ?」
「分かった………分かったよ…………」
「それから、鍛練は毎週じゃからな」
「え?」
その一言にうんざりした顔をする皐であった。
はっきり言ってサボりたいくらいでもあるのだ。
しかしサボりでもしたら、現在の鍛練どころではない、拷問に近いようなことになるだろう。
そんなことを考えていると、ぬらりひょんは「じゃあの」とだけ言って鍛練場を出ていくのだった。
「相変わらず勝手だな。ぬらりひょんのじーさんは……」
体を起き上がらせながら、うんざりした調子で呟く皐であった。
(ぬらりひょんとの関係、親子関係)
(関係続行)
今回は皐でした。
ぬらりひょんについては徐々については色々出てますが後々ということで。
別途の方に関しては「狼さんと妖狐」の方になりました。
速ければ明日あたりでも始められると思います。
「000と弱者」についてはウィザードの特別編が終わったあたりに始めたいと思います。
どうせなら。
それでは質問、感想待っています。