問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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ハンティング

翌日

___箱庭二一〇五三八〇外門。

ペリベッド通り・噴水広場前。

球磨川、安心院、暦、忍、ジン、そして黒ウサギと十六夜は“フォレス・ガロ”のコミュニティを訪れる道中、“六本傷”の旗が掲げられた昨日のカフェテラスで声をかけられた。

 

「あー!!昨日のお客さん!!もしや今から決闘ですか!?」

 

『昨日の店員ちゃん。そうだよ』

 

ウェイトレスの猫娘が近寄ってきて、球磨川達に一礼する。

 

「ボスからもエールを頼まれました!!ウチのコミュニティも連中の悪行にはアッタマきてたところです!!二度と不義理な真似を出来ないようにしてやってください!!」

 

ブンブンと両手を振り回しながら応援する猫娘。

 

『女の子に応援されたからには頑張るしかないね』

 

「おお!心強いお返事だ!!」

 

満面の笑みで返す猫娘。

だがしかし、急に声を潜めてヒソヒソと呟く。

 

「実は皆さんにお話があります。“フォレス・ガロ”の連中、領地の舞台区画ではなく、居住区画でゲームを行うらしいんですよ」

 

「居住区画で、ですか?」

 

答えたのは黒ウサギ。

初めて聞く言葉に暦は首を傾げる。

 

「黒ウサギ、舞台区画ってなんだ?」

 

「ギフトゲームを行う為の専用区画でございます」

 

「しかも!!傘下置いているコミュニティや同士を全員ほっぽり出してですよ!!」

 

『……それは確かにおかしな話だね』

 

球磨川達は顔を見合わせ、首を捻る。

 

「でしょでしょ!!何のゲームかは知りませんが、とにかく気を付けてくださいね!!」

 

熱烈なエールを受け、一同は“フォレス・ガロ”の居住区画を目指す。

 

「あ、皆さん!!見えてきました……けど、」

 

黒ウサギは一瞬、目を疑った。

他のメンバーも同様。

それというのも、居住区が森のように豹変していたからだ。

ツタの絡む門をさすり、鬱蒼と生い茂る木々を見上げて安心院は呟く。

 

「ジャングルかい?」

 

「虎の住むコミュニティだしな。おかしくはないだろ」

 

「いや、おかしいです。“フォレス・ガロ”のコミュニティの本拠は普通の居住区だったはず……それにこの木々はまさか」

 

ジンはそっと木々に手を伸ばす。

その樹木はまるで生き物のように脈を打ち、肌を通して胎動の様なものをかんじさせた。

 

「やっぱり___鬼化してる?いや、まさか」

 

『ジン君。ここに“契約書類”が張られてるよ』

 

門柱に張られた羊皮紙には今回のゲームの内容が記されていた。

 

{ギフトゲーム名“ハンティング”

 ・プレイヤー一覧 球磨川禊

          安心院なじみ

          忍野忍

          阿良々木暦

          ジン=ラッセル

 

 ・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐

 ・クリア方法 ホスト側の指定した武具でのみ討伐可能。

        指定武具以外は“契約”によってガルド=ガスパーを傷付ける事は不可能。

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 ・指定武具 ゲームテリトリー内にて配置。

 

 宣誓 上記を尊重して、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

        “フォレス・ガロ”印}

 

陰で十六夜はジンに昨夜のことを話していた。

 

「この勝負に勝てないと俺の作戦は成り立たない。だから俺はコミュニティを去る。予定に変更はないぞ。いいな御チビ」

 

「……分かっています。絶対に負けません」

 

こんなことでつまずくわけにはいかない。

参加者五人は門を開けて突入した。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

五人は“フォレス・ガロ”本拠の前にいた。

 

『館まで呑まれているね』

 

虎の紋様を施された扉は無残に取り払われ、窓ガラスは砕かれている。

中に入ろうとする前に血を吸って中学生くらいの外見になった忍が暦に話かけた。

 

「そうだ、お前様。入る前に言っておくぞ」

 

「なんだ忍?」

 

「儂は今回、手を貸さんぞ」

 

「なんでだ!?」

 

「このくらいで儂の力を借りていたら魔王には勝てんじゃろ?」

 

「確かにそうだけど……」

 

「安心せい。そこの小僧を守るくらいはする」

 

ジンを指差しながら言う。

 

『まさか安心院さんもかな?』

 

「そうだぜ」

 

『君が売った喧嘩だろ?』

 

「ギフトゲームを提案したのは君だろ?」

 

『………』

 

それを言われると球磨川は黙るしかない。

 

「それに少し調子が悪くてね。これは中に入ってないとまずいね(棒読み)そういうことで頑張ってね」

 

そう言って、安心院は姿を消して、球磨川の中の教室に移動した。

 

「ガルドは二階にいるぜ」

 

最後にその言葉を残した。

 

『全くしょうがないね。行こうか暦君』

 

「そうだな」

 

そして二人は本拠の中に入る。

 

『そういえば君は十六夜君から話を聞いてるかい?』

 

「コミュニティの存在を広げるチャンスって話か?」

 

『それのことだよ』

 

「責任重大ってことか」

 

『全く僕には荷が重いね』

 

階段を登りながら話す二人。

話していると最後の扉の前に来ていた。

 

「さて、それじゃあ球磨川。やるだけやるか」

 

『そうだね。これから僕達のショータイムだ』

 

その言葉と共に扉を開け、中に入る。

中には、

 

「ギ………」

 

「___…………GEEEEEYAAAAAaaaa!!!!」

 

言葉を失った虎の怪物が、白銀の十字剣を背に守って立ち塞がった。




やっとガルド戦です。

ガルドvs暦&球磨川さん
というかんじです。

ジンと忍は本拠の外で待機しています。
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