問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
詳しくはあとがきで。
忍の相手をしながらも三頭龍はぬらりひょんから目を話していなかった。
火龍達からの援護も少なくなつており、三つ首の視界から外す事も無くなった。
故に消える事も叶わない。
「とでも思ってるんじゃろうが、甘いのぅ。ワシの力がその程度だと思ってるおるのか?」
[貴様を見くびるはずが無いだろう?まだ力があるのなら見せてみるがいい!!]
「もう“見せとる”じゃがの!!」
言いながら刀を構えて三頭龍に向かってくる。
だが、その姿ははっきり見えている。
忍を警戒しながらも、龍影を放つ。
ヒラリヒラリと避けていくが、何分数が多い。
避けれる範囲はどんどん狭まる。
そして、遂に一つの龍影がぬらりひょんを貫こうとした時だった。
[何ッ!?]
ズルリ、とまるで何も無かったかの様にぬらりひょんの体を龍影がすり抜けた。
手応えは一切無い。
つまり、当たってすらいないという事だ。
ぬらりひょんの姿は幻の様に揺らいだと思うと、霧の様に消えてその背後に新たな姿が現れる。
驚きはするが攻撃の手は緩めない。
放たれ続ける龍影が再びぬらりひょんを貫く。
だが、これまたすり抜けるだけだった。
その二撃でアジ=ダカーハは仕組みを大体理解する。
[そういう事か。貴様、認識を“ズラ”しているなッ!!]
「二撃で気付くとはさすがじゃのう!!」
答えながら龍影を“刀で弾いて”いる。
その間に懐に踏み込んでいる。
それに対して三頭龍は鋭利な爪を“大振り”に振るう。
またしてもすり抜けると思われたが、ザシュと肉を斬り裂く様な音が鳴る。
ズレた像が消え、現れた姿は左腕から血を溢れさせていた。
“大振り”に放った事により、ズレた範囲よりを越えて斬り裂かれ、避け切れずにかすらせたのだ。
だが、そこで終わるぬらりひょんではない。
[ほう。あの一瞬で私の腕を斬り裂くか]
三頭龍の腕からも血が溢れていた。
爪を振るった際に、ぬらりひょんは斬られながらも振るわれている腕に刀を振るい当てていたのだ。
「儂を忘れていないかの!!」
飛び込んで来る忍の攻撃を防ぎながらもぬらりひょんを警戒する。
ぬらりひょんは不敵に笑いながら左腕をついでに斬られた着物の切れ端で結び止血していた。
その様子も三頭龍はしっかりと逃さない。
しかし、それが“第三段階”の発動キーであると知らずに。
視界から外れたら“気付かれなく”なる“第二段階”とは逆に位置するのが“第三段階”だ。
対象の視界に一定以上入っていれば発動する。
強く見ている程掛かりやすい。
“第二段階”で警戒させて“第三段階”へと続けるのが流れだ。
とはいえ、それ相応の“デメリット”はあるのだが。
傷口を縛り終えると、再び三頭龍へと向かっていく。
「やっぱり並の物語じゃ本体にはそこまで効き目が無いようね。なら、使うならば“これ”系かしら?」
一方の蛍は呪い系、遠距離攻撃系をアジ=ダカーハ相手に試していたが、全て弾かれていた。
仕方ないので他の巻物とは色合いの違う“巻物”を取り出す。
そして、そのまま三体の真ん中に降り立つ。
突然の出現に戦闘が一瞬で止まる。
「私を忘れないでくれない?とっておきの物語を使ってやるんだからしっかりと記憶に刻みなさい。“三鈷剣の怪”開幕ッ!!」
巻物を広げた途端に地面が割れ、何かが飛び出す。
それは蛍の手に収まる。
金剛杵の一種である三鈷杵の刃の一つが刀身に変わった様な形状だった。
「“貪”・“瞋”・“癡”、三つの煩悩を断じる“神仏級”の物語ッ!!“絶対悪”であるあんたにはそれなりに効くでしょう?味わってみるといいわ。そして、私にあんたを味合わせてよ!!」
[青行燈ごときが、それを振るうか!!身の程知らずにも程があるな]
「私をただの青行燈だと思わないでくれる?私は神仏だろうが関係無く全てを喰らう存在よッ!!そう“調整”されて生まれたんだからッ!!」
百の物語を語った末に現れる妖怪、青行燈。
その性質を持ってすれば妖怪でありながら妖怪の枠すら越えられる。
青行燈は物語の集合体とも言える。
そして、物語とは何も妖怪話だけではないのだから。
例え神仏であれば語られれば、それは物語となる。
とはいえ、霊格的にはオリジナルよりは劣るが。
それを微々たる物にする要素が蛍にはあるのだ。
◆◆◆◆◆
その戦いを眺める暦はただただ圧倒されていた。
彼らの“気”は完全に場を支配していた。
「レベルが違い過ぎるよな………というかどんな化け物だよ、あいつら」
「そんな事、今更じゃないですか」
一人言に答えが返ってきた。
意識を失っているサラはありえないし、作戦無視する連中に頭を抱えるラプ子も違う。
そして、その声は暦にしか聞こえていない。
つまり、答えは明白だ。
「君も神出鬼没だね、扇ちゃん」
「貴方がいる所に私がいなければ意味はありませんからね。私は貴方の批判者なんですから、阿良々木先輩。とはいっても、そう簡単に箱庭に干渉は出来ないんですけど」
「それじゃあ、今の君は幽霊みたいな物なのかい?」
「厳密には違いますかね。言うならば貴方の自問自答みたいな物です。例えるならセブン上司です」
「公式にすら忘れ去られてたキャラを例えに出されても分かりにくいよ!!」
というか、分かるはずがない。
ウルトラセブン最終盤しか出番が無く、以降のシリーズ一切触れられない存在である。
「あれは本来台本には{セブンの自問自答}的な事が書かれていたのが、いつの間にかセブンとは別のキャラ扱いされてたという経緯があるみたいですけどね。けど、最近の雑誌なんかではどっちとも取れる様な言い方されてますが」
「いや、そこを詳しく言わなくてもいいから!!そんな事を言ってる場合じゃないだろう?」
「そうでしたね。そうですけども、正直に言って阿良々木先輩は余裕がある方なんじゃないですか?だって、あんな戦闘に介入するだけの力も無ければ分身体を蹴散らす程の力も無い。阿良々木先輩が本来相手にする様なレベルとは桁違いとはいえ、特にやる事が無い感じになってますよね」
はっきり言うならば言う通りだった。
あんな戦闘には参加出来ないし、双頭龍の相手もむしろ邪魔なレベルだ。
だからこそ、考えていた物だ。
「自分には何が出来るか、をですか?結果的とはいえサラさんを守るという重要な仕事を任されてる様に見えますが?」
「でも、それだけじゃダメだろう。十六夜も、球磨川も、狐川ちゃんも何かしらやってはいるんだ。僕だけ何かしないわけにもいかないだろう?」
「全く相変わらず愚かですねぇ。やらないではなく、レベルが違い過ぎて出来ないなんですから大人しくしてればいいのに。だからこそ、私みたいなのがいるんですけどね」
言いながら扇は何かを取り出す。
何処からかは分からない。
というか、実体は無いので取り出す動作すらも余計な可能性もある。
「いえいえ、これも結構重要ですよ?動作一つ一つに意味を持たせる必要は無いですが、だからと言って省くのもどうかと思いますし」
「それで何を取り出すつもりだい?」
「“鏡”ですよ。手鏡というサイズですが、これくらいのサイズで一先ずは充分でしょう」
「それで僕は何をすればいいんだい?」
「分からないんですか?まぁそれはそれで貴方らしいですが。まぁ、今は時間がありませんし、手っ取り早く済ませるとしましょう。貴方が触れればいいだけですよ。そうすれば、“あの時”の様な事が限定的に起こりますから」
どうにも思い当たらないが、とりあえず言われるままに触れる。
すると、鏡面が揺れた。
「は?え!?扇ちゃん、これはどういう事だい!?まさか、“あの時”って“心残り” の………」
「その通りですよ。この段階でやっと気付きますか。けど安心していいですよ。前回の様に広範囲ではありせんから」
そんなやり取りをしていると鏡面から影の様な塊が幾つか飛び出して行った。
それらの姿はすぐに見失ってしまった。
「何だったんだ、今のは?」
「“心残り”ですよ。“誰”のかは分かりませんが」
「それで限定的にって具体的に何が起こるんだ?」
「さぁ?私には分かりませんよ」
「分からない事を僕に実行させたのか!?」
「私は“触媒”を用意しただけですよ。実行したのは貴方です」
割りと理不尽な事を言いながら、扇はいつの間にか姿を消していた。
何をしに来たのかは分からなかった。
そして、それが持たらすのは吉か凶か。
現時点ではさっぱり分からなかった。
扇の存在は暦にだけ認識出来ています。
実体は無いですが“干渉”は出来ます。
それではアンケートですが
見ての通り、原作最新刊分も終わりが近付いて来ました。
そこで終わった後は短編になります。
その短編の内容はどれをやるかアンケートをとります。
「1」~「21」までの番号から選んでください。
詳細は活動報告で。
それでは、質問などがあれば聞いてください。
感想待ってます。