問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
狐川は洞窟の中で
{ ー ギフトゲーム名”金剛の鉄火場” ー
参加条件:”サウザンドアイズ”発行金貨一枚。
※勝敗について。
一、A~Hグループに分かれて予選を行い、各グループで最も採掘量が多い参加者が勝者。
二、以降は勝者八名が採掘した鉱石を奪い合うバトルロワイヤル形式。
三、予選では複数名が採掘し、戦果を一人に集中しても良い。
四、本戦では
五、バトルロワイヤルの勝敗は予選・本選で得た採掘量の集計で決める。
六、採掘した鉱石はギフトカードに仕舞われる為、ギフトカードを奪われることは鉱石を奪われることと同意とする。
※注意事項。
金剛鉄の不正な持ち出しは反則です。
反則行為は全て審判に通達が行くので、密輸は諦めましょう。
参加者報酬:採掘量に応じて賃金を支払う。尚、略奪分の賃金は採掘した本人に還元。
優勝者報酬:採掘した”金剛鉄”で武具を発注できる。武具以外は要相談。
宣誓 主催者は上記のルールに則り名と御旗の下、公正なゲームを執り行う事を誓います。
同盟代表”六本傷”印}
(ルール把握はOKと。やり方次第じゃ優勝狙えそうなルールではあるわね)
気合いを入れて肩を鳴らしながら開始の合図を待つ。
黒ウサギが壇上で時間を確認し、ウサ耳を伸ばし、
【それでは!!ギフトゲーム”金剛の鉄火場”-------スタートです!!】
ドオオオオオオオオオオオオオオオォン!! と銅鑼の音が洞窟内に響き渡る。
参加者たちは待ちくたびれたとばかりに怒号を上げて一斉に動き始めた。
狐川は幾つか炎球を放った後はゆっくりと歩きながら考える。
(さてさて、どうしようかしら?本選を考えるとそこそこ量は取っておきたいのよね~)
(普通に炎放ってるだけじゃ量が不安だし)
(ギフトカードを奪うのは主様が見て無いとはいえこういうゲームじゃあんまりやりたく無いのよね)
(ましてや、
一つ前のグループに参加していた悟の戦法を思い出して一人でにイラつく。
悟は最初のうちはまともに掘ってるかと思いきや後半でガラリと戦法を変えた。
今はぬらりひょんの力が濃い日なのかは知らないが認識操作を全開にして暗躍を始めたのだ。
他の参加者に近付き気付かれないうちにギフトカードを抜き取る。
その繰り返しで予選を突破したのだ。
その戦法を狐川は性格的に不快に思った。
ゆえにイラつくのだ。
(アイツは本選で五、六発殴るとして今は予選をどうするかね)
(アルマや天狐は温存しときたいけど火力不足なのが悩ましい)
「あ、そうだ。あの手でいいじゃない」
何かを思い付くと狐川は指に唾を付けて風の流れを大まかに観測する。
そこから正確に体感で流れを探知して壁に手を付けてそこに力を集中させる。
しばらくすると、小さな爆発音が連続で響く。
同時に手を付けていた壁がガラガラと崩れていく。
「よし、いけるわね!!」
鉱石を採取しながら作業を続ける。
やってることとしては単純である。
洞窟の壁にある細かい亀裂に炎を流し込み、小規模な爆発を連続で起こす。
それによって亀裂が大きく広がって自壊していくのだ。
「よしよしこのペースならそこそこの量取れそうね!!あとは続けながら他の連中が一酸化炭素中毒でぶっ倒れるのを待つだけね!!」
先程の炎球はその為である。
酸素を炎球に消費させて他の参加者の体調を崩させるのが狙いだったのだ。
アルマ辺りが呆れた溜息を吐いてそうだったが狐川は特に気にすることは無いのだった。
◆◆◆◆◆
観客席で悟もゲームを眺めていた。
既に自身のゲームは終わっているので酒瓶片手である。
護衛は当然のように撒いている。
「あいつも結構上手いことやるな」
「誰かと違って正攻法でね」
ケラケラ笑いながら見ていると耳元で紅葉がサラッと毒を吐き捨てる。
一気に悟のテンションが下がるのを感じて紅葉は一層クスクス笑う。
「うるせぇな。勝てばいいだろうが」
「戦闘すらせずに盗みまくった奴が言うことかしら?」
「いいだろうがルールには反してないんだから」
「他の参加者から言えば卑怯者でしか無いでしょう」
「………俺、お前が不機嫌になるようなことしたか?」
「いいえ。してないわよ?そもそも私は不機嫌じゃないし」
「なら、いくら何でもしつこくないか?」
「あえて言うならあんたがおかしのよ。あの戦法はらしくはあるけどいつもならやらないでしょう?」
「まぁ………………言うとおりではあるな。ただまぁ、今回は勝たないといけないからな」
「そんなに武具が欲しいわけ?」
「そろそろ、獅子王以外の刀も欲しいからな」
「今持ってるのは?」
「こりゃなまくらだ。妖力で強化してなきゃすぐに折れちまう。だから、ちゃんと戦いに付いていける刀が欲しいんだ」
「具体的には?」
「妖刀だな。金剛鉄に蛍の力があればそのくらい作れるだろう」
「馬鹿じゃないの?」
クスクス愉快そうに笑いながらも罵倒する。
ある意味で罵倒されて当然だった。
何故なら普通の妖刀ならともかく蛍の物語の力を付与した妖刀を作ろうというのである。
下手したら極大の呪いを纏う可能性すらあるのだ。
寿命を縮めるどころか命を奪われる可能性すらある。
悟もそれは承知の上だった。
それでも、必要なのだ。
獅子王の扱いは変わっておらず持ち出そうと思えば毎度の如く持って行ける。
だが、その気は既に無かった。
アジ=ダカーハとの戦いでぬらりひょんが獅子王を扱う様を見た。
それで思い知ったのだぬらりひょんとの差に。
だから、獅子王に頼らず自身の力と言える、愛刀となれる刀を欲したのだ。
「俺はまだまだ未熟だ。自覚は多々ある。だからこそ、どんな手を使ってでも強くなる」
「本当に?」
試す様に紅葉が尋ねる。
その目には期待する様な色と共に楽しそうな、愉しそうな色が含まれていた。
それに対して悟は即答する。
「本気だ。俺はどんな呪いだろうが受け入れて俺の力にしてみせる。その結果、命を削ることになろうがな」
何処か遠くを眺めながら宣言する。
そんな風に紅葉と話していると周囲が騒がしくなって来ていた。
どうもどうやらゲームに大きな動きがあったようだ。
それで悟も視線を戻すのだった。
◆◆◆◆◆
観客席後方の柱の影に伏目はいた。
悟の宣言を密かに聞くと愉快そうにその場を去るのだった。
紅葉には気付かれていたようだが、それは構わない様だった。
何故なら彼女達の目的は特に対立する要素が無いからだ。
「若様も面白くなってきましたねぇ。えぇ、私的にはそうなって貰わないと困るのですけどね。何はともあれ先が楽しみで仕方ありませんよ」
珍しく口を歪ませて呟くのだった。
その姿はある意味で狂気を感じさせるのだった。
採掘ゲームの始まりでした!!
正々堂々?何それ美味しいの?的な連中でした!!
あいつらにまともな戦法を期待してはいけない
それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
アンケート参加してくれると嬉しいです!!