問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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狐火の罠

洞窟内で少女の悲鳴が上がる。

狐川は何事かと様子を見に行く。

そこにはウィル・オ・ウィスプのアーシャがいた。

 

「な、何しやがる!?それは私のギフトカードだぞ!!」

 

「ふん。地精如きがギフトカードを持つなど宝の持ち腐れだ」

 

「弱小のせいr

 

「オラァ!!」

 

何やら無性にムカついたので狐川は男達を蹴り飛ばした。

跳躍の時に爆炎で勢いを付け、当たった時にも足底で爆発を起こし、男達を岩盤に叩き付けた。

 

「いやいや、あいつと比べりゃ直接奪う分マシちゃマシだけど弱い者いじめはダメね。クズはそのまま埋まってなさい」

 

相手に見覚えがある気もしたが正直どうでもよかった。

もう二、三撃加えようかと思ったが先にアーシャの方に視線を向ける。

 

「大丈夫~?馬鹿どもに酷い事されてない?」

 

「お、おう。ノーネームの狐川だったか?いいのかよ、私を助けて」

 

「別に私はクズ退治しただけだから問題無しよ」

 

「そうかよ」

 

ありがと、と恥ずかしそうに言ってそっぽを向くアーシャ。

その仕草に若干微笑み、何かしら危ないラインギリギリになりながらも気にしないように言う狐川。

改めて採掘作業に戻ろうとした時だった。

洞窟内で雷鳴が響く。

 

[私の邪魔をするか、猿風情がァ!!]

 

「いや、私狐だけど」

 

[同じことだ!!]

 

「あっそ」

 

雷鳴を響かせて鷲獅子と龍馬の混血貴種・ヒッポグリフのグリフィスが風の様に走り抜けながら現れた。

狐川は興味無さそうにしながらもその姿を見て何者か思い出す。

 

「球磨川と安心院さんにボコられてた馬肉ね」

 

[誰が馬肉だァ!!それとボコられてもいないわ!!]

 

 

「ああそうね。トドメ刺したのはあいつらだったわ」

 

ボコられた部分は訂正せずに付け加える。

そもそもアレをボコられたと言わずに何というのだろう?と思いながら狐川は溜息を吐く。

グリフィスは鼻息荒くしているが狐川にとってはその程度だ。

 

[アレらに受けた屈辱、手始めに貴様を倒して返すとしよう!!]

 

「嫌よ、何で私があいつらの責任を連帯しなきゃいけないのよ」

 

言いながら狐川は指を鳴らす。

それと同時にグリフィスの周囲で小規模な爆発が連発する。

とはいえ、その程度ではグリフィスには対して効かない。

 

[舐めるなぁ!!]

 

「そもそも見てすらいないわよ」

 

狐川は適当に答えながら力量を測る。

何故かグリフィスの思考パターンが読めていた。

そして、次に何をしてくるかも分かった。

 

「しょうがないわね。“天狐同化”でさっさと決めるわよ」

 

グリフィスの実力的にそのくらいは力を出さないとダメだと結論付ける。

狐面を付けて焔を纏う。

瞳を橙色に染めて焔の狐耳と九本の尾が現れる。

 

[GEEEEYAAAAAaaaaaaa!!]

 

「炎尾子狐・爆の舞」

 

獣の如く吼え猛て、龍角の先端を突き出して突貫するグリフィス。

狐川は九本の尾から無数の火球を生み出し、それらの形を子狐の様に変えてグリフィスに放つ。

先程とは比べ物にならない爆撃の連発に突進の勢いが削がれる。

そこに狐川が踵落しを放つ。

踵からの爆撃を加えた一撃にグリフィスの頭部は地面にめり込む。

 

[おのれ………]

 

「さっさとくたばってくれる?」

 

更に爆撃を加えてグリフィスの翼を削っていく。

骨までダメージは言って無いだろうが飛行は難しくなるだろう。

爆撃を躱し続ける為にグリフィスは嘶きを上げて疾走を始める。

 

[GEEEEYAAAAAaaaaaaa!!]

 

「____ってこんなところで戦いを始めるなー!!」

 

近くでグリフィスと狐川を見ていたアーシャは悲鳴を上げながら洞窟の入口に全力疾走する。

雷鳴を恐れ、爆撃による崩壊を恐れ一般参加者たちも逃げていく。

狐川によって酸欠で倒れさせられた者達も運び出されていく。

二人の戦いに横槍を入れられるのは下層ではそうそういない。

審判役の黒ウサギなら仲裁に入れるだろうが、今は残念なことに煎餅を片手に茶をしばいてウサウサしている。

両者の戦いは苛烈さを増していくしかない。

だが、狐川は何かを試しているかの様子だった。

 

(せっかくだし細かい罠とか試してみましょうか)

 

全方位に狐火で爆撃しながら企む。

蹄で岩盤を削りながら走るグリフィスだが、全方位爆撃は流石に回避し切れるものでは無い。

徐々に体力が削られていくのを自覚して次の手に出る。

 

[爆撃魔の猿風情が…………これならばどうだッ!!]

 

「狐ってさっきから言ってるでしょ」

 

龍角を生やしたグリフィスは稲光を体毛から発し、洞窟内を縦横無尽に跳び回ろうとする。

そこで狐川がニヤリと笑う。

 

「そういうのを待ってたのよ」

 

[何ィ!?]

 

指を鳴らす狐川。

その直後に岩盤が唐突に崩れ落ちる。

跳ぶ直前に崩れた故にグリフィスは体勢を崩して落ちる。

そこに四方八方の岩盤から炎槍が襲い掛かる。

 

「岩盤を使って勢い付ける系の技を待っていたのよ、私は」

 

狐川がやったのは採掘法とほぼ同じだった。

先程まで行っていた全方位爆撃。

それによって生まれたヒビ割れに狐火を仕込んでおいたのだ。

そうしてグリフィスが跳躍するタイミングを狙って崩したのだ。

そうやって生まれた隙を狙って同じくヒビに仕込んでいた狐火で炎槍を形成したのだ。

だが、それで終わりでは無い。

グリフィスは全身を焼き貫かれながらも辛うじて着地しようとする。

その瞬間だった。

 

[グゥゥゥ!?]

 

足場すらも崩れたのだった。

それもかなり深くだ。

そのタイミングを狐川は狙うグリフィスは周囲に捕まって完全に落ちるのを避けようとするが最早そんなものは無意味だった。

 

「ドオリャァァァァ!!」

 

狐川はグリフィスの手前にまで行くと逆立ちの要領で逆さに懐に潜り込むと顎下を思いっきり蹴り上げた。

更に足底からの爆撃をおまけに加えている。

その衝撃は顎から脳まで突き抜ける。

グリフィスは悲鳴を上げる間も無く意識を狩り取られて落とし穴に落ちていくのだった。

その際にちゃっかりアーシャのを含めてギフトカードは奪っていた。

奪おうとしたのだから負けて奪われるのは自業自得というノリであった。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

ちなみに狐川は動きやすいようにメイド服では無く私服で参加していた。

とはいえ、下はスカートであった。

それで逆立ち蹴りをすればどうなるか目に見えていた。

思いっきり捲れ上がってパンツを晒す事となり、会場の一部の男性陣のテンションが大層上がるのだった。

 

 

◇◇◆◇◇

 

 

狐川は“天狐同化”を解除してアーシャの元へと歩いていく。

 

「はい、これはあんたのでしょ?」

 

「お、おう。ありが____」

 

渡そうとしたその時。

ドオオオオオオオオオォン!!

という、銅鑼の音が洞穴内に響き渡った。

 

「「あっ」」

 

その音が何か察して二人は同時に声を上げる。

狐川はギフトカードを持ちながらダラダラと汗を吹き出させる。

 

「タイムアーップ!!此れにてゲーム終了!!現時点で最も金剛鉄(アダマンティウム)を所持しているのは____なんと!!我らが”ノーネーム”の不知火狐川選手です!!」

 

顔を引き攣らせながら狐川は頬掻く。

アーシャ分が加算されてるのは間違いないだろう。

とはいえ、此処で抗議してもいいことは無い。

なので、率直に聞く事にした。

 

「どうする?」

 

「いいよ、こんなんで勝っても恥ずかしいだけだから」

 

「そう………でも、それだとモヤモヤするのよね~」

 

「気にしなくていいよ。あんたが取り戻したような物だし」

 

「そう言われてもね…………そうだ。指でも切り落として……」

 

「いや、そんなことしなくていいから!!」

 

「えぇ~そうでもしないと気が晴れないんだけど」

 

そう言われるとアーシャは困った様に前髪を掻き上げる。

しばらく沈黙した後にこう切り出した。

 

「なら、この後ちょっと付き合ってくれよ」

 

「え?私達女同士よ?」

 

「そういう意味じゃねぇ」

 

「冗談よ」

 

「そ、そうか。それなら相談したいこともあるから黒ウサギも誘ってさ」

 

「まぁあんたがいいならいいんだけど」

 

多少首を傾げながら狐川は頷く。

何か引っ掛かりを感じながらも二人は洞穴を出ていくのだった。

 

 





vsグリフィスでした!!

力任せの脳筋戦法に近かった狐川も多少策を練っていく感じになりました


それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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