問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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保留の交渉、そして現る………

クロアとレティシア、ウィラはノーネーム本拠の廃墟街を歩きながら話していた。

ウィル・オ・ウィスプの面々の移住に必要な住居を作る為に見取り図を作っていたのだった。

 

「そういえば、百鬼夜行の扱いはどうする気だ?」

 

「ん?百鬼夜行に関しては同盟に参加する気は無いらしいが…………まぁあの爺さんは問題無いだろう。野心はまだまだあるようだが此方に影響はあるまい」

 

「そちらはそうだろうがあの少年の一派に関しては別だろう?」

 

レティシアは悟達の顔を思い浮かべながら言う。

クロアはそれに対して納得した様に頷く。

ウィラはただ首を傾げる。

 

「あいつらは球磨川と仲良くしてるようだが胡散臭さも半端では無いぞ?」

 

「胡散臭さなら球磨川の奴も大概だけどな。とはいえ、確かにあいつらを信用し過ぎるのは危険だな。特にぬらりひょんの息子はな」

 

「彼らに何か問題があるんですか?」

 

ウィラがおずおずと問う。

ウィラから見れば悟達はそこまで警戒すべき存在には思えなかった。

 

「今は問題は無いよ。ただねぇ………」

 

「今後の方針次第じゃどうなるか分からんのがな」

 

「?」

 

「あいつらは今のところ利害が一致してるから此方に協力しているような物なんだよ。もちろん個人的な理由もそれなりにあるだろうけど」

 

「その利害の一致が無くなった時、どう動くかが問題なんだ」

 

「あいつらは見た限り将来性はかなりあるからなねぇ」

 

溜息を吐くように言う。

彼らから見た悟達は協力者というより子供(ガキ)の集まりが気紛れに賛同している様に見えかねないのだ。

今は目的が噛み合っているからともかく、後々それが噛み合わなくなった時に対立するかもしれない可能性はそこそこにある。

悟は目的の為なら割り切れるタイプだ。

ゆえに球磨川との友情も優先度が低くされる可能性もあるのだ。

それに加えて将来的には結構な力を得るのも予想が出来る。

それだから距離の置き方は注意しなければならない。

 

「それにあの人外も暗躍してるようだしな」

 

「それは安心院のことか?」

 

「そうだよ。あの人外、君達といる時は力に縛りがあったようだけど今は開放されてるようだし、何をするか分かったもんじゃないんだよ」

 

「確かにあいつなら面白半分で何でもしかねないな」

 

そんなこんな話す二人にウィラは困惑するのだった。

困惑というよりピンと来ないというのが正しいが何を想定しているか想像しにくいのだった。

その様子に気付いて二人は話を一旦止めて再び見取り図の作成に取り掛かるのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

暦と忍は予選が終わったので近くのカフェに来ていた。

忍は圧倒的な膂力で力技に近い形で予選を突破した。

具体的には見渡す限りの岩壁を全て砕いたのだが。

今はドーナッツをガツガツと喰い続けている。

 

「お前様は今後何かするか決めてあるんのか?」

 

「いや、僕はゲームに出るわけじゃないし特に決めて無いぞ」

 

「そうじゃなくてこれからの事じゃよ」

 

「そっちか………一応考えはあるけど皆にどう言うか………」

 

「そのまま言えばいいじゃろう」

 

「そうかな?」

 

「そうじゃろ」

 

「それにしても自分からゲームに出たがるって珍しいな」

 

「ちょいと辛気臭い顔してるのがおったからのう。一発殴るのにちょうどいい舞台を用意しただけじゃよ」

 

「そうか」

 

そこから二人は特にすることも無いので街をふらふらと回ることにするのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

十六夜と球磨川、皐は六本傷のカフェテリアまで来ていた。

そこにはポロロとルイオスもいた。

そこでポロロから金剛鉄の使い道として精霊列車についての話を聞いた。

霊脈を移動し、各地を数秒で行き来する列車だ。

それが実現すれば箱庭に大きな変化が起きるのは想像に難しく無かった。

それに対して十六夜はこう言った。

 

 

「お前____責任取れるんだな?」

 

 

一瞬間が空く。

そして、その意味について考える。

十六夜が言いたいのは環境の変化についてだった。

精霊列車によって未開の地に人が流れ込みどうなるかだ。

下手をすれば箱庭がゴールデンステイトの二の舞になる可能性もあるのだ。

その部分はポロロも否定しなかった。

 

「俺が言いたいのは要するにそういう事件を起こすなってこと。それに対して何らかの答えが提示できないなら、俺はこの交渉を支持しない」

 

断固たる決意を感じさせる口調だった。

それに対して皐は冷や汗を流す。

球磨川は平然としているがこの状況は地味に不味かった。

今回のゲームの出資者は六本傷である。

彼らを怒らすのはノーネームとしては不味いのだ。

そこで十六夜は肩を竦めながら言う。

 

「とは言っても、それは俺個人の意見にすぎねぇけどな。ノーネーム内の一票ってことで聞き流してもいい。お前達の考えは?」

 

『僕達かい?』

 

「おう。今はお前らが実質的にノーネームの代表だからな。その意見は聞いておきたい」

 

間違いでは無いがほとんどなし崩し的になっているだけではあった。

それはともあれ急に話を振られて球磨川は頬を掻く。

交渉事ならともかくこういう場での意見はあまり得意では無かった。

 

『皐君はどう思う?』

 

「俺に振るのかよ。でもまぁそうだな。利益だけ考えりゃ悪い交渉じゃねぇだろう。というか、願ったり叶ったりなくらいだ。でも、十六夜が危惧してることにも一理はある。風評被害もあるし、他の支配者に話を通す必要もあるだろう」

 

適当にかなり面倒そうにではあるが皐は言う。

こういう面もあるので皐は補佐役として期待されていたりするのだ。

球磨川は皐の意見を聞いて頷く。

 

『僕も大体同じ意見だよ。だから、専売契約自体は前向きに検討して、マイナス面について対策を考えていけばいいんじゃないかな?』

 

「……うん。ノーネームの意思は分かった。前向きに考えつつ、一先ずは保留ってことでいいんだよな?」

 

「ああ。ゲーム開催中には方針をまとめて、閉会式の夜に意見を出し合うってことで」

 

ポロロの問いに十六夜と球磨川、皐は頷く。

ここらへんが今のところの落としどころだった。

急いても何もいいことは無いのは全員分かっていた。

この件に関してはどのコミュニティも後々の影響を考えると二つ返事で返すわけにはいかないのだった。

ポロロは精霊列車の設計図を十六夜とルイオスに渡すと今後のスケジューリングについて話し始める。

そこに彼らを嘲る様な、豪快な笑い声が響いた。

 

「プッ……クッ、ハ、ハハハハハハ!!」

 

『誰だい?』

 

無遠慮極まりない嘲笑が鉱山の街に響き渡る。

声の主は嘲りを含んだまま声高に続ける。

 

「全く、何をもめているのかと思えば………コイツは驚いた!!実に笑える!!呵々大笑だ!!身の丈に合わぬほど世界に視野を広げ、背負う必要の無い責任を背負い込むなんざ、増長も甚だしい!!全く持って人間らしい愚行だなぁ!!」

 

五人とも警戒態勢に入るが声が何処から聞こえるかはさっぱりだった。

そんな時に悲鳴が上がる。

 

 

「うわあああああああ!!暴れ牛だあああああああああぁ!?」

 

 

一同は素っ頓狂な声をあげる。

爆走音が聞こえる辺り本当にいるのだろう。

一同はルイオスを押し出して様子を見る。

そして、ルイオスは神格の気配を感じて蒼白になって叫ぶ。

 

「お前ら、手を貸せ!!」

 

「『やだ』」「面倒」

 

「やだ!?」

 

「「『断固やだ』」」

 

「DANKOYADA!?ええい、同盟の絆は何処に逝った!?」

 

『絆なら死んだよ』

 

「いいやつだったのにな」

 

「合唱でもするか?」

 

ぱんぱんと両手を叩く三人。

その間にもう色々と手遅れになってルイオスは吹っ飛ばされるのだった。

そして、降りてきた男は忉利天から来たといい堂々と偽名である「御門 釈天」を名乗る。

だが、その正体はどこからどう見ても明らかだった。

最強の軍神(笑)”帝釈天”その人である____!!





帝釈天登場でした!!
ここらへんは原作からいじる要素無いので巻きでした!!

それでは、質問があれば聞いてください
感想待ってます!!
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