問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
___境界壁の展望台・サウザンドアイズ旧支店。
『全く、殺すことはないよね』
「君の場合はそうでもしないと覗いてくるだろ?」
球磨川と安心院は支店に戻るなり、女性店員に風呂場に放り込まれた。
安心院は球磨川と風呂に入る気はないが離れれない為に着替え場に縛り付けておいたのだ。
少々荒っぽい方法でだが。
そして現在、十六夜、忍、暦、黒ウサギ、ジン、白夜叉、そしてとんがり帽子の精霊と共に来賓室にいた。
「それでは皆のものよ。今から第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」
「始めません」
「始めます」
「始めませんっ!!」
「『始めよう!!』」
「いい加減にしてくださいっ!!」
白夜叉の提案に悪乗りする十六夜。
悪乗りどころか真面目に言ってる球磨川と暦。
速攻で断じる黒ウサギ。
「儂が」「僕が」「選ぼうか?」
「ほう、おんしらならどうする?」
「黒ウサギちゃんの衣装をエロ可愛くしたいなら……」
なおも話を続ける安心院と忍と白夜叉。
安心院はニヤニヤ笑いながら提案しようとする。
「いいから本題に入ってください!!」
全力で叫ぶ黒ウサギ。
白夜叉はニヤニヤと笑いながら本題を語り始める。
「実は明日から始まる決勝の審判を黒ウサギに依頼したいのだ」
「あやや、それはまた唐突でございますね。何か理由でも?」
どうやら十六夜と黒ウサギが派手に暴れた事により、“月の兎”が来ていると公になり、明日からのゲームで見られるかもしれないと期待が高まり、出さないわけにはいかなくなったらしい。
なるほど、と一同は納得する。
「分かりました。明日のゲーム審判・進行はこの黒ウサギが承ります」
「うむ、感謝するぞ。………それで審判衣装だが、例のレースで編んだシースルーの黒いビスチェスカートを」
「着ません」
「着ます」
「断固着ませんッ!!」
『なら、全開パーカーを』
「絶対に着ませんから!!本当にいい加減にしてくだい十六夜さん!!球磨川さん!!」
茶々を入れる十六夜と球磨川。
ウサ耳を逆立てて怒る黒ウサギ。
「そういえば、白夜叉。僕が明日戦うコミュニティってどんなのだ?」
「すまんがそれは教えられん。主催者がそれを語るのはフェアではなかろ?教えてやれるのはコミュニティの名前までだ」
パチン、と白夜叉が指を鳴らす。
すると羊皮紙が現れる。
そこに書かれるコミュニティの名前を見て、安心院は少し頬を動かす。
「“ウィル・オ・ウィスプ”に___“ラッテンフェンガー”かい?」
チラリと精霊の方を見る安心院。
「うむ。この二つは珍しい事に六桁の外門、一つ上の階層からの参加でな。格上と思ってよい。詳しくは話せんが、余程の覚悟はしておいた方がいいぞ」
白夜叉の真剣な忠告に、頷く暦。
一方の十六夜は、“契約書類”を睨みながら物騒に笑う。
「へぇ……“ラッテンフェンガー”?成程、“ネズミ捕りの道化”のコミュニティか。なら明日の敵はさしずめ、ハーメルンの笛吹き道化だったりするのか?」
へぇ、と安心院は呟く。
知ってはいたがその博識に感心しているのだ。
しかしその隣に座る黒ウサギと白夜叉は驚嘆の声を出す。
「ハ、“ハーメルンの笛吹き”ですか!?」
「まて、どういうことだ小僧。詳しく話を聞かせろ」
二人の驚愕野の声に、思わず瞬きする十六夜。
どうやら、“ハーメルンの笛吹き”は魔王の下部コミュニティの一つだったらしい。
そして十六夜は“ラッテンフェンガー”が“ハーメルンの笛吹き”だと言った理由をジンに説明させた。
グリム童話の“ハーメルンの笛吹き”の原型になった碑文にはこうある。
___一二八四年 ヨハネとパウロの日 六月二六日
あらゆる色で着飾った笛吹き男に一三〇人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され、
丘の近くの処刑場で姿を消した___
この碑文はハーメルンの街で起きた実在する事件を示すものであり、一枚のステンドグラスと共に飾られている。
後にグリム童話の一篇として“ハーメルンの笛吹き”の名で綴られる物語の原型である。
「ふむ。ではその隠語が何故にネズミ捕りの男なのだ?」
「グリム童話の道化師が、ネズミを操る道化師だったとされるからです」
白夜叉の質問に答えるジン。
その隣で安心院は先程の襲撃を思いだしながら考えていた。
「(笛の音がしたから関連は確実にあるだろうね。)」
「ふーむ。“ネズミ捕り道化”と“ハーメルンの笛吹き”か………となると、滅んだ魔王の残党が火龍誕生祭に忍んでいる可能性が高くなってきたのう」
「YES。参加者が“主催者権限”を持ち込むことが出来ない以上、その路線はとても有力になってきます」
「うん?なんだそれ、初耳だぞ」
「おお、そうだったな。魔王が現れると聞いて最低限の対策を立てておいたのだ。私の“主催者権限”を用いて祭典のルールに条件を加えることでな。詳しくはこれを見よ」
ピッと白い指を振ると光り輝く羊皮紙が現れ、誕生祭の諸事項を記す。
{§火龍誕生祭§
・参加に際する諸事項欄
一、一般参加者は舞台区画・自由区画内でコミュニティ間のギフトゲームの開催を禁ず。
二、“主催者権限”を所持する参加者は、祭典のホストに許可なく入る事を禁ず。
三、祭典区画内で参加者の“主催者権限”の使用を禁ず。
四、祭典区域にある舞台区画・自由区画に参加者以外の侵入を禁ず。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印
“サラマンドラ”印}
十六夜の手元に現れた羊皮紙に目を通し、小さく頷く。
「“参加者以外はゲーム内に入れない”、“参加者は主催者権限を使用できない”か。確かにこのルールなら魔王が襲ってきても“主催者権限”を使うのは不可能だな」
「うむ。まあ、押さえるところは押さえたつもりだ」
そっか、と十六夜は納得したように頷く。
一方の黒ウサギは、ジンに向かって意外そうな声をかけた。
「けど驚きました。ジン坊っちゃん、どこで“ハーメルンの笛吹き”を知ったのです?」
「べ、別に。十六夜さんに地下の書庫を案内している時に、ちょっとだけ目に入って……」
「ふむ、そうか。何にせよ情報としては有益なものだったぞ。しかしゲームを勝ち残られてしまったのはやや問題ありだの。サンドラの顔に泥を塗らぬよう監視を付けておくが___万が一の際は、おんしらの出番だ。頼むぞ」
“ノーネーム”一同は頷いて返す。
その中で安心院は考えこんでいた。
知ろうと思えば知れるが、それではつらまらないので考えている。
「(この子はラッテンフェンガーが出身と語っていた。けど魔王の配下には見えないね)」
すやすやと寝息を立てている、とんがり帽子の精霊を見る。
「(伝える程でもないね)」
そう安心院は結論付けて球磨川と部屋に向かう。
今回も話が(ry
今回はタイトル詐欺的な回でした!!
めだかボックスの台詞がサブタイ的なかんじのタイトル詐欺です
風呂はカットです
一つ言うなら着替え場に惨殺体が転がっていたり
後は想像にお任せします