問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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YES!黒ウサギが呼びました!

十六夜は苛立たしげに言う。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねぇんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねぇのか?」

 

「そうじゃな。なんの説明もなくては動きようがないからの」

 

『安心院さんは何か知っているんじゃないかい?』

 

「知れなくはないけど、それは不粋ってもんだぜ?」

 

安心院はその気になれば知る事は出来るがそれは絶対にしない。

安心院なじみは、[展開]に限りなくフェアなのだ。

 

「この状況で落ち着いてるのもどうかと思うけどな……」

 

(全くです)

 

暦の呟きに合わせるように黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。

もっとパニックになってくれれば飛び出しやすいのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れないのだ。

 

(まあ、悩んでいても仕方ないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)

 

五者五様の罵詈雑言を浴びせている様を見ると怖気づきそうになるが、此処は我慢である。

ふと十六夜がため息交じりに呟く。

 

「___仕方がねぇな。こうなったらそこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を掴まれたように飛び跳ねた。

四人の視線が黒ウサギに集中する。

一人、暦だけは何の事か分かってないようだ。

 

「へぇ、君も気づいていたのかい?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?お前らも気づいていたんだろ?」

 

『まあね』

 

「儂が気づかんわけないじゃろ」

 

「………お前ら、よく気づけるな」

 

暦が苦笑いしながら言う。

三人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠った冷ややかな視線を黒ウサギに向ける。

球磨川はヘラヘラ笑いながらそちらを向き。

安心院は何か考えているような微笑みを向ける。

その視線に黒ウサギはやや怯んだ。

 

「や、やだなあ御五人様。そんな狼みたいな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

『嫌だね』

 

「断るよ」

 

「お断りじゃ」

 

「駄目だ」

 

「あっは、取りつくシマもないですね♪」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

しかしその眼は冷静に三人を値踏みしていた。

 

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。まあ、扱いにくいのは難点ですけども)

 

黒ウサギはおどけつつも、五人にどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせている____と、安心院がいつの間にか黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、

 

「フギャ!!」

 

「へぇ……」

 

力いっぱい引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「少し気になったから」

 

「自由にも程があります!!」

 

『しかし中身が見えないスカートだね』

 

「本当だな。どうなっているんだ?」

 

「御二人は何を言っているんですか!?」

 

しゃがんで黒ウサギのスカートを観察する球磨川と暦に黒ウサギは叫ぶ。

 

「この衣装はある方の好意で、絶対に見えそうで見えないという鉄壁ミニスカートなギフトを与えられているのでございますよ!!」

 

スカートの裾を押さえながら、球磨川と暦に必死に言う。

黒ウサギのガーターとミニスカートは視覚を惑わす魔布だったりするのだ。

しかしそれで納得する球磨川禊と阿良々木暦ではない。

 

「その人とは一度話さないといけないな」

 

『そうだね。だけどその前に【大嘘t

 

球磨川がスカートに何かする前に安心院と忍は球磨川と暦の顔面を蹴り飛ばした。

 

「全く、相変わらずだね君は」

 

『………』

 

「何で僕まで……」

 

「お前様も同罪じゃ!!」

 

黒ウサギがそちらに気をとられていると

 

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

 

十六夜が右からウサ耳を掴んで引っ張る。

 

「面白そうじゃな」

 

「ちょ、ちょっと待___!!」

 

今度はしゃがんでいる暦の頭部を足場にしている忍が左から。

左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。

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