問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
僕達五人は本拠への道を歩いていた。
戦利品である鉱物がいい加減重たくなってきた。
球磨川に関してはもうフラフラだ。
そんな時、
「さすがに面倒だね。もうディーンを召喚しちゃおうか」
安心院が今更な提案をしてきた。
まあ、概ね賛成と言うか是非やってもらいたいので文句は言わないけど。
安心院はディーンを召喚すると僕達が持っていた鉱物を持たせた。
鉱物を下ろしただけで体がだいぶ軽く感じるものである。
ディーンは鉱物を持たせるだけで後は歩くことになった。
そんなやり取りの間に後ろから声が掛かる。
「お前らも今帰りか?」
十六夜だった。
何故か全身濡れていた。
そう言えばよく濡れるなと思う。
まぁそんなことはどうでもいいんだけど。
「あっるじ様~♪」
十六夜を見るやいなや狐川が飛び付いた。
しかしそれをヒラリと避ける。
普段は役得という感じに受け止める十六夜だが今回は何故か避けた。
いや、本当に理由が分からない。
女の子に飛び付かれて避ける理由なんかないはずだが。
「酷いじゃないですか主様~」
「飛び付くなら背中の荷物下ろしてからにしろ」
「ああ、すいません。忘れてました~」
よく見たら狐川は鉱物を背負ったまま飛び付いたらしい。
そりゃ避けるよ。
「十六夜君は何か成果あったのかい?」
安心院さんが十六夜に尋ねる。
それは僕も気になってはいた。
「上々だ。まあ期待してろよ」
まぁ確かに後で分かることではある。
それで僕達は一緒に歩き始めた。
ディーンが周りの物を壊さないように貯水池の方に向かう。
その途中で宙をフワフワと浮かぶ布を見掛ける。
『おーい皐君!!乗せてくれないかい?』
球磨川が布に向かって話しかける。
すると布はドロンという音と共に煙に包まれ、人型に変わる。
「え~やだよ。面倒だし」
頭を掻きながらだらけた調子で言うこいつは、反坂 皐。
少し前に“ノーネーム”の仲間になった男だ。
どうもどうやら球磨川と気があったらしくいつの間にか仲間になっていた。
どうやら一反木綿で人化のギフトを持っているらしい。
どういう成り行きでそうなったかは聞いてない。
『え~どうせ今日もダラダラしてただけだろ?』
「いや少し子供達の遊び相手はしてたぞ」
そんな会話をしながらも歩き続ける。
途中で農園区に通じる道の向こうから声が掛かる。
「あ、皆様お帰りなさい!!」
リリだった。
『ただいま、リリちゃん』
「よ~農園区の世話は終わったのか?」
反坂が聞く。
仕事しない奴がよく聞けると思う。
まぁリリはそんなこと気にしないだろうけど。
そう言えば反坂と球磨川はたまにどこかへ出掛ける。
商品らしきものを持ち帰ることがあるのでギフトゲームをしているのだろうけど具体的に何が目的かは分からない。
そんなことを考えてる内に話は終わったようだ。
直後、僕らの腹が一斉になる。
そう言えば昼飯がまだだったな。
働いてない反坂も鳴っているのに何か納得いかないが。
「じ、実は本拠に昼飯の準備が出来ています!!私達の昼飯なので、簡単なおにぎりだけですけど、少しお時間をいただければ種類を揃えることはできます。もしご希望の具材があれば、」
リリが言うと、皆次々に言い出す。
忍に関しては血を吸ったから特にいらないようだ。
「なら梅鰹醤油を」
「私は主様と同じもので」
「俺は焼鮭で」
「僕は梅で」
『僕は昆布で』
さて、僕はどうするかな?
魚系にするか……
反坂と被るが鮭でいいか。
「僕は塩鮭で」
「分かりました。それでは早速、うわっ!?」
リリが驚いた声を上げた。
それもそうだろう反坂が変化をして、リリを乗せたのだから。
「皐様!?な、何を、」
「飯の準備は速い方がいいだろ?」
そう言うと反坂はリリを連れて本拠の方に飛んでいった。
根はいい奴なんだが掴みづらい。
その後、僕らは再び歩き出す。
本拠に着いた頃には、正午から一時間が経過していた。
今回は新キャラとして反坂 皐が加わりました。
読みは[そりざか さつき]です。
一反木綿です。
それでは感想待っています。
それからこれから二週間ほど更新が遅くなるかもです。