問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
昼食を摂り終えた一同は戦果を報告するが十六夜が戦果を“サウザンドアイズ”に受け取りに行くと言い、一同は“サウザンドアイズ”の支店に足を運ぶ。
いつも通り女性店員が嫌な顔をするが白夜叉の声により渋々通した。
一同が座敷に向かっていると障子の向こうから女性のあられもない声が聞こえた。
「や、やめてください白夜叉様!!黒ウサギは“箱庭の貴族”の沽券に掛けて、あれ以上きわどい衣装は着ないと言ったではありませんか……!!」
「く、黒ウサギの言う通りです!!この白雪も神格のはしくれとして……こ、このような恥ずかしい格好をして人前に出る訳には……!!」
黒ウサギと白雪姫の悲痛な叫びが響いている。
障子に映る白夜叉の影絵は、ノリノリで二人に襲いかかっている。
『……』
「……」
球磨川と暦は無言で頷き、座敷に走っていく。
そこに、
「「黙れこの駄神ッ!!」」
竜巻く水流と轟雷が障子を突き破った。
その余波で二人が吹っ飛ぶ。
『「ゴバァ!?」』
「自業自得だね」
「自業自得じゃ」
忍と安心院が同時にため息を吐く。
◆◆◆◆◆
「まあ、コンセプトは悪くなかった。しかし次からはきちんと俺に相談してからだな、」
『そうだね。僕達に相談してね』
「これ以上その話を引き伸ばすのは止めてくださいっ」
スパン、と何時もの服装に戻った黒ウサギが十六夜と球磨川の頭を少し軽めにハリセンで叩く。
白夜叉の話によると新しい施設で使う予定の正装だったようだ。
そして十六夜の受けた依頼はその施設の為に白雪の元に水源となるギフトを取りに行くことだったようだ。
そこで十六夜は白雪姫を隷属させて来たようだ。
そしてその報酬は外門の利権証だった。
つまり“ノーネーム”は“地域支配者”と呼ばれる資格を得たのだ。
歓喜する黒ウサギに十六夜は抱き付かれていた。
その様子を見る一同の反応は各々違った。
「これは僕達の負けのようだね」
『……また勝てなかった。けど黒ウサギちゃんがあんな様子だし余計な事を言う気はないね』
多少がっかりした様子の球磨川と安心院。
「お~凄げぇな~」
感心の声をあげる皐。
「さっすが主様♪」
喜びの声をあげる狐川。
「悪い忍。これは負けた」
「お前様の気にすることではない」
結構楽しみにしていた忍と暦は落ち込んだように言う。
◆◆◆◆◆
___その夜。
“ノーネーム”では小さな宴の席が設けられた。
黒ウサギも自作の魚料理を並べ、主力陣は勿論、子供達にも好評だった。
しかし十六夜の、
「黒ウサギ。これ多分、餡をかけないで酢漬けにしたほうが美味い」
という一言で、色々と台無しになった。
◆◆◆◆◆
宴の席が終わり、皆自室に戻った。
忍は自分がまだ高校生くらいの姿なのを確認し、風呂に入る為に部屋を出た。
いつもなら暦の影から離れられないので風呂は暦と一緒だが今なら離れられて、たまには一人で入りたい気分だったので一人で風呂に向かう。
「(儂らは収穫祭が始まってからか……)」
残念そうに考えながら歩く。
脱衣場に着くとあたりを見ずに適当に脱ぎ捨てて風呂場に入る。
「何じゃ、お主達入っておったのか」
「確認もせずに入ってきたのかよ」
風呂場には先客がいた。
十六夜とレティシアとリリだ。
「お前の髪も洗おうか?」
「儂は自分で洗う」
「そうか。レティシアの髪を洗ったがお前はお前で違った良さがありそうだな」
「当たり前じゃ」
言いながら自分の髪を洗う忍。
そこで何かを思い付いたように口元に笑みが浮かぶ。
すぐには言わず一旦、湯船に浸かる。
「そういえばお主達は何故一緒に入ってるんじゃ?」
「主殿が私の髪が湯船で濡れているのを見たかったようだ」
忍の問いにレティシアが答える。
「なるほどのう。確かに見る価値はあるもんじゃな」
「だろ?お前も中々だぜ」
「そりゃそうじゃ。それより小僧、一ついいかの?」
「なんだ?」
「儂と一つゲームしないかの?」
今回はここで終了です。
風呂場で忍達は一応タオル巻いてます。
次回は十六夜と忍のゲームです。
ゲームと言うほどのものではないかもしれませんが。
それでは感想待っています。