問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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二人の行方

 

____“アンダーウッドの地下都市”緊急治療所。

急遽用意された治療所には、怪我人が所狭しと並べられていた。

家屋の六割が焼き払われてしまったため、負傷者の殆どが雑魚寝の状態だ。

鎮火作業が手早く済んだのは幸いだった。

何より一番の救いは魔獣たちが消え去ったことだろう。

巨龍が巻き起こした暴風は魔獣たちを残らず巻き上げ、本体へと戻していったのだ。

ゲームが審議決議に移行したため、分身を回収する必要があったのだろう。

しかし逆説的に述べるならば____その回収作業一つで“アンダーウッド”と巨人族が殲滅されそうになったということになる。

それだけの力を巨龍は秘めているのだ。

そんな中、“ノーネーム”の面々はというと、球磨川は女性優先だが怪我人の治療を手伝い、他のメンバーは互いの無事を確認する為に足を運んでいた。

審議決議から半刻ほどで十六夜と狐川と黒ウサギ、そして反坂と球磨川は合流できたが………阿良々木暦、忍野忍、レティシアの姿だけが探しても見付からないままだった。

 

「………駄目だな。これだけ探しても見つからないとなると、あの二人もレティシアと同じように何かしらの異常事態があったと考えていい」

 

「でも主様。あの二人は基本不死身ですし無事なのでは?」

 

「逆だ。あいつらは不死身に近い。なのに俺達と合流できていない。なら、そこには何か重大な理由があるはずだ」

 

珍しく真剣な声音で説明する十六夜。

後ろでダラダラと頭をかいていた反坂が十六夜に確認をするように顔を向ける。

 

「そういやレティシアちゃんが連れ去られたのは本当なのか?」

 

「ああ。そしてこのゲームがレティシア____“魔王ドラキュラ”の主催するギフトゲームだってこともな」

 

十六夜は学ランの懐から黒い羊皮紙の招待状____“SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING”を取り出して内容を読み上げる。

一通り聞き終えた二人は何とも言えない複雑な顔をする。

 

「出鱈目な内容だな~」

「出鱈目な内容ですね」

 

「そうでもないさ。少なくともゲームとしての整合性は取れている。後は何点か黒ウサギに確認すれば………」

 

と、そこで言葉を切る。

黒ウサギとジンが捜索から帰ってきたのだ。

ちょうど球磨川も手伝いから戻ってくる。

 

「皆さん!!二人の行方が分かりました!!」

 

『本当かい?』

 

「YES……ですが、かなりまずいことになっているようです」

 

苦々しい表情を浮かべている黒ウサギ。

何があったか知らないが表情から事態の深刻さを悟る。

一同は黒ウサギに端的に問い質した。

 

「……二人に何があった?」

 

黒ウサギは一層深刻な表情になり、ウサ耳を垂れさせて答える。

 

「目撃者によると………二人は魔獣に襲われた子供を助けようとして……」

 

「魔獣と共に回収された子供を追いかけ、空に上って行ったということです」

 

より正確には子供を助けようとした暦が忍に懇願し、忍に担がれて空に行った。

全員が一斉に空を仰ぐ。

その視線は遥か上空、巨龍と共に出現した古城に集まっていった。

 

『あの城に二人で乗り込んだわけかい』

 

「……………俺が様子を見てこようか?」

 

反坂が提案するが球磨川は首を横に振る。

 

『忍ちゃんがいるし、そう焦ることはないと思うよ。彼女の実力は安心院さんが認めるくらいだからね』

 

「だからと言って無事と決まったわけではないと思いますが?」

 

狐川が話に割り込む。

 

『そうだろうけど皐君と数人が上に行っても、今は意味ないと思うよ』

 

そんな会話を他所に十六夜は黒ウサギに尋ねる。

 

「……黒ウサギ。巻き込まれて行方不明になったのは二人だけじゃないだろう?他のコミュニティはどう動くつもりなんだ?」

 

「それについては後程、“龍角を持つ鷲獅子”連盟を中心に会合を設ける予定です。聞いたところによると“龍角を持つ鷲獅子”連盟の要人も行方不明になったとウサ耳に挟みました。早ければ明日にも救援隊を組むかと思われます」

 

「…………ふぅん。組織の要人が、ね」

 

それなら動きも早いか、と呟いて下がる。

三人の同士を失った“ノーネーム”一同は空の古城を睨むのだった。

 

 





今回はここまでです。

話が中々進まないというかんじです。
次回は古城より忍と暦です。

それでは質問、感想待っています。
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