問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
____“アンダーウッド”東南の平野。
三度目の強襲は、また突然の出来事だった。
巨人が何の前触れもなく平野の先の丘に現れ、一斉に襲い掛かってきたのだ。
「ウオオオオオッォォォォォォーーー!!」
人の倍はありそうな大剣を振るい、大河を走り抜けて堤防を薙ぎ払う。
その話を聞いた黒ウサギは、ジンと狐川と球磨川、反坂に緊急事態を告げた。
十六夜は既に上空の城へ、グリーと共に向かっている。
「やっぱりこのタイミングで狙ってきましたか」
『当然だね。戦力が分散された今ほど狙い時はないからね』
「後は残った僕らの仕事ですね。____ぺスト!!」
指輪から黒い風と共に現れるぺスト。
何時もの悠然とした表情のぺストだが、狐川の顔を見るや否やお互い睨み合い火花が散る。
双方、いまだに根に持っているようだ。
「それでジン、作戦あるのか?俺は球磨川を乗せてるだけだが」
「はい。巨人はぺストがいるので脅威にはならないはずです。一番の問題は敵に盗まれた“バロールの死眼”をどう攻略するか……」
ジンの口から飛び出した言葉にぺストは眉を歪めた。
「……何それ。敵は“バロールの死眼”を所持しているの?」
「うん。バロール自身の瞳じゃなく、同性質の魔眼だとサラ様は言っていたけど」
「同性質って……死眼の放つ“バロールの威光”は“ゴーゴンの威光”と同種の物よ?一度開眼すれば、防ぐことも避けることも出来ないわそれこそ同規模の神霊か星霊でも連れてこないと、戦いにすらならないでしょ?」
避難するような目を向けるぺスト。
『安心院さんか忍ちゃんがいれば楽なんだけどね』
聞こえないような声で呟く球磨川。
ジンはぺストの言葉に半ば同意するように頷き、
「うん。僕もそう思う。だから此処は[バロール退治]の伝承をなぞろうかな、と思って」
ジンは黒ウサギに目配せをする。
作戦は黒ウサギの“神槍・極光の御腕”が中心のようだ。
「作戦の初期段階として、まずは狐川さん、球磨川さん、ぺストが巨人族を混乱させて叩く。上手く追い詰めれば敵は必ず“バロールの死眼”を投入してくるはず。黒ウサギは“アンダーウッド”の頂上でタイミングを見計らいつつ待機。敵の巨人族が“バロールの死眼”を使ったのを確認して、帝釈天の神槍でトドメを刺す。…………どうかな?」
「……ふぅん。まあ、無難な作戦ではあるわ」
ぺストは一瞬だけ意外そうな顔を見せたが、すぐに悠然とした笑みで狐川達を見た。
「そう。すっかり忘れていたわ。貴方達には、この化け物ウサギがいるのだったわね。それに今はいないけど他にも二人化け物が」
「ば………!?」
「それじゃ狐憑きに一反木綿に黒川。行きましょうか」
『ちょっと待ってぺストちゃん。僕の名前は球磨川だよ』
「悪かったわね。噛んだわ」
『わざとだよね?』
「かみましね」
『酷いね』
「それより私は狐川よ。ちゃんと名前で読んでくれないかしら“黒死斑の御子”」
「そっ。気が向いたらね」
ぺストは言うや否や、黒い風を舞い上がらせる。
黒ウサギが反論する間もなく土煙を上げて飛翔し、“アンダーウッド”に突撃していた巨人族へと一直線に衝突した。
『君は何も言わなくてよかったのかい?』
「ま~俺は別にどうでもいいからな」
球磨川、反坂と狐川も巨人族を迎え撃つ為に黒ウサギ達と分かれる。
球磨川達と狐川も左右に分かれようとするがその前に狐川が声をかける。
「私は巨人族の相手に専念しますので黒ウサギ達に何かあった場合のフォローは任せます」
『うん。分かったよ』
それを聞くと狐川は防衛線に向かっていく。
『さて、僕らも行くとしようか』
「そうだな。だが前線か?防衛線か?」
変化しながら聞く反坂。
『防衛線には狐川ちゃんがいるし、“彼ら”もいるだろうから僕らは前線に行こうか』
「りょ~かい」
適当な調子で答えながら球磨川を上に乗せる。
そして乗ったのを確認すると前線へと飛んで行く。
動き出した“ノーネーム”と共に、戦いは激化していく。
◆◆◆◆◆
同時刻、動き出そうとする勢力がもう一つあった。
「さ~て俺らも行くとするか!!」
「若頭、作戦は?」
「“ガンガンいこうぜ”だ!!」
「「超適当!?」」
護衛二人が叫ぶ。
「まぁ前線やらはあいつらがいるし俺らは後方で巨人狩りだ」
そして三人は戦場へと向かっていく。
いよいよ開戦です!!
それでは質問、感想待っています。