問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
“アンダーウッド”・某所。
球磨川と反坂は悟と護衛二人と会っていた。
安心院は球磨川の中で休眠と思わせつつ何かしているようだ。
『いや~君達も結構暴れたみたいだね』
「お前らほどじゃねぇよ。リンのやつもお前が追い返したんだろ?」
『それはそうだけどね』
「本当にそれだけで巨人は安心院がやったことだし」
「濡鴉の話しだとリンのやつは距離操作のギフト持っていたんだろ?それを追い返したんだ充分すげぇよ」
そんなことを話していると球磨川が思い出したように言う。
『そういえば狐川ちゃんが機嫌悪くしていたけど……君は何かしたかい?』
「俺は普通に話し掛けて共闘しただけなんだけどな……どうやら嫌われたみたいだな」
「名乗った時点で嫌悪されてるようですし」
がしゃに言われ、少しガックリする悟。
「いや、本当に何がいけなかったんだろうな?」
「悟様のその態度とかだと思いますよ?」
「お前も中々酷いことを言うな濡鴉。皐はどう思う?」
「俺がそういうの疎いのは知ってるだろ~?」
悟の問いに適当に答える反坂。
「まぁ次会った時にでも聞いてみるか」
「若頭、あんだけ嫌悪されといてまた近付くつもりですか…」
「面白そうだからな」
『そういうのは好きにすればいいけど。彼女は十六夜君に恩を返すとかで君のこと眼中にないと思うよ?少なくとも口説くのはおすすめしないぜ?』
「別に口説こうとは思ってないさ。ただ話をするだけだ」
そんなかんじにしばらく話している一同だった。
◆◆◆◆◆
___“アンダーウッド”主賓室・大樹の水門。
レティシアが目を覚ましたのはゲームから二日後だった。
「お前様、起きたようじゃ」
「そうか」
レティシアが声をした方に顔を向けると隣のベッドの上に座る暦とその上に座る忍がいた。
「……………私は、」
「体に異常は無いみたいだ。ただ二、三日寝ていたくらいだ」
「………もしかして、ずっと起きるのを待っていてくれたのか?」
「ずっとではないの」
「まぁ出来るだけだ。長い間寝て、次に起きた時に誰もいなかったら、不安だろ?だから順番で待っていたってことだ」
「……順番?」
ベッドから少し身を起こして問う。
その途端、ガシャン!!と騒がしい音を立てて黒ウサギが飛び込んできた。
「暦さん!!交代に来たのですよ………って、レティシア様!!お目覚めになりましたか!?」
「ああ。つい先程な」
「そ、そうでしたか………!!では黒ウサギは、皆さんを呼びに行ってきます!!」
歓喜の声を弾ませ、部屋から飛び出る黒ウサギ。
何時もながら騒がしい彼女だが、レティシアはその騒がしさに懐かしさを感じていた。
「玉座に繋がれた時は、死を覚悟していたのだがな。………全く、我が主たちは底が知れない方たちばかりだ」
「そうじゃな。儂も一度、死ぬ為に主様とバトルしたことがあるが、その結果がこれじゃからの」
忍が自分の姿を見せながら言う。
かつて、暦を人間に戻す為、死ぬ為に行った行動の結果がこれだ。
幼女の姿で影に縛られた姿だ。
「お前はそれで済んだんじゃから、儂らに此れから尽くせばよい」
「コミュニティの仲間としてな」
言って席を立つ。
「そういえば、収穫祭はも一度やり直すことになったみたいだ。地下都市はボロボロのようだけど、大樹を舞台に色んなギフトゲームをするらしい」
「…………そうか。ふふ、楽しみだな」
「それじゃあ僕は用があるから席を外すな。後でまた来るから」
そう言って暦と忍は退出した。
レティシアは小さく泣き、呟く。
「………そうか。私の太陽は、空にあるものだけじゃなかったんだな」
そんな実感と幸福感を胸に、もう一度眠りにつく。
次に目を覚ますときは収穫祭だ。
太陽の様に輝く同士たちと共に歩む明日に思いを馳せ、レティシアは優しいまどろみに身を任せるのだった。
今回で四巻分は終了です!!
次回からは五巻分です!!
次回予告に関しては五巻も“アンダーウッド”編という括りの内なのでないです。
それでは質問、感想待っています。