問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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vs二翼

樹海を突き進む十六夜、暦、忍の選んだルートは、さほど遠回りなルートではなかった。

入口こそ細い河だったが、途中からは小舟が通れる程度の幅は確保されていた。

稀に流木が放置をされていることを除けばそう悪くない道だろう。

但し___その河が、他の幻獣の縄張りでさえなければ。

忍達の前に現れたのは馬の姿をした“水霊馬”だった。

精霊というよりは怨霊に近い彼らは樹海で死んでいった霊群の集まりだろう。

生者の肉を喰らう彼らに捕まっては命そのものが危ない………のだが、構わず進む。

 

「邪魔じゃ!!」

 

【心渡】で斬り裂かれる水霊馬は元が霊群であっても再生に難儀していた。

そこを忍は掴み取り、喰らい、消滅させていく。

そんな調子で水霊馬をほぼ全滅させながら進んでいき、樹海を抜けると、断崖絶壁から流れ落ちる水の音が聞こえた。

滝の生み出す瀑布によって辺り一面は水霧に覆われ、視界はまだ良好とは言い難い。

折り返し地点は山頂だと黒ウサギは説明していたが………ヒッポカンプといえど、この滝を登るのは不可能だろう。

 

「この滝………かなり高い崖から流れ落ちてるな」

 

「そうじゃな」

 

「ぐるりと回れば道があるんじゃないか?」

 

そうだな、と空返事をする十六夜。

只の滝と河川にしては、嗅覚に何か違和感があったのだが………流石に気のせいだろうと首を振って、山河を登り始めた。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

___アラサノ樹海・“二翼”経路。

 

[一斉にかかれッ!!]

 

“二翼”は安心院と球磨川を囲み、一斉攻撃をし掛けた。

安心院は迎え撃つように手を上げる。

 

「「なん……だと……」」

 

“二翼”は驚愕する。

安心院は、

天罰を下すスキル【天伐敵面(タイムペナルティ)】と流れ星を司るスキル【隕咳落下(メテオネック)】により隕石を降らせたのだ。

回避しようした者、対抗しようした者、様々いたが隕石は全てを吹き飛ばした。

安心院が地形には影響が出ないようにしたので河の流れが変わるようなことはない。

しかし“二翼”に残っているのは騎手一名と傷だらけのグリフィスだった。

 

[おのれ………猿風情に、我ら“二翼”が……!?]

 

うめくように声を上げるグリフィス。

球磨川たちは更に追い詰める為に動き出す。

 

『さて、そろそろ変化したらどうだい?』

 

球磨川が螺子を構えながら言う。

グリフィスは怪訝な顔をする。

 

[何?]

 

「ようは今の君を倒したところで意味がないってことだよ」

 

『全力の君を倒さないと意味がないだろう?』

 

[___……図に、乗るnガァ!?]

 

度重なる挑発と侮辱。

蓄積していた怒りがグリフィスの表皮を激変させていたのだがそこに螺子が叩き込まれた。

 

『気が変わったよ。それにしても敵の言葉に乗せられ、隙を作るなんて……君って案外馬鹿なんだね』

 

[この……翼も無い猿風情がァァァァァァァ!!]

 

今度こそ姿が変わる。

龍馬の象徴である鱗はやがて全身を侵食していき、全身を覆う鎧と成る。

今まで重んじてきた鷲獅子の面影を捨て、その頭蓋すら龍の物へと変幻させていく。

全身から光る粒子を放ち、眩く神々しい翼と龍角をその頭上に生やす。

その劇的な変化に安心院は、

 

「これは楽しめそうだね」

 

思いっきり笑っていた。

怒りで龍角が生えるとは嬉しい誤算だったのである。

逆鱗に触れられたグリフィスの身体は鷲龍と化し、理性のない幻獣となって疾走した。

 

[___GYRUAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!!]

 

疾走、次いで爆音。

只の爆発音ではない。

轟いたのは大気の摩擦熱による熱膨張___即ち、雷鳴である。

グリフィスの身体は閃光と共に稲妻となり、鷲獅子を遥かに超越した速度で安心院と球磨川に迫る。

 

「本当に面白いね」

 

対する安心院はスキルを重ねる。

爪を伸ばすスキル【異爪棚(モンスターペネフィット)】

しっぽを生やすスキル【生えている(ミートテール)】

翼を生やすスキル【翼を粉砕(フェザーコンプレックス)】

皮膚を鱗化するスキル【目から鱗が出落ち(トリノスケールアイボール)】

これらのスキルにより龍のような爪、尾、翼を生やす。

火を司るスキル【間違いなく放火(エキシビションマッチ)】

水を司るスキル【水肢体(ウォーターボディスラム)】

風を司るスキル【風の吹くまま(ウィンドウショッキング)】

土を司るスキル【業苦楽情土(ヘヴンイズノットヘヴン)】

光を司るスキル【怠るの光(サボタージュビーム)】

宝石を司るスキル【抱石箱(ハンダップジュエル)】

時を操るスキル【時感作用(タイムバニー)】

速度を司るスキル【自我速度(マイスピイド)】

無限を操るスキル【無人造(インフィニティクエスト)】

で属性を加える。

 

[GYRUAAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!!]

 

グリフィスの生えたばかりの龍角と安心院の爪が衝突する。

 

「なんだ、この程度か」

 

安心院がガッカリしたように言う。

安心院は水を纏った尾をグリフィスに叩き付け、跳ね上げる。

宙に浮かせたグリフィスを翼の羽ばたきにより発生したカマイタチでより切り裂く。

最後に爪から放たれた斬撃波により、地面に叩き付ける。

そして更にスキルを重ねる。

足技特化のスキル【手ですることを足でする(ヒールアンドトー)】

魔法を司るスキル【ある魔法の一生(マジカルライフ)】

必殺技のスキル【灰塵の一撃(キラーアタック)】

【スキル連結・インフィニティーエンド】

 

「これで終わりだよ」

 

[GYARUAAAAAAAAAaaaaaaa!!]

 

起き上がるグリフィス。

しかし安心院とグリフィスの間に多数の魔法陣が現れる。

安心院は魔法陣を潜りながら加速し、グリフィスの胸に蹴りを放つ。

グリフィスの胸の鎧が砕け散り、血を溢れさせながら吹き飛び大樹に衝突する。

それで気を失ったと思われたが、

 

[___GYARUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaa!!]

 

グリフィスは再び立ち上がった。

胸から血が溢れ、動きも鈍いが立ち上がった。

 

『意外と頑丈だね』

 

「それだけは認めていいかもね」

 

二人が立ち上がったことにだけ感心していると、

 

「邪魔だ。クズ馬!!」

 

[GYa!?]

 

何者かが騎馬ごとグリフィスの後頭部に衝突した。

既に限界を越えていたグリフィスは今度こそ気を失うのだった。

 

 




二翼戦終了です。

安心院さんのスキルは全て原作の中にあったものです。

それでは質問、感想待っています。
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