問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
グリフィスに止めを刺したのは悟達だった。
「球磨川、通してくれと言ったらどうする?」
『通さないよ。僕と安心院さんの役目は足止めだからね』
「ならやるしかないな」
悟とその後ろの濡鴉、がしゃ、河澄は戦闘態勢に入る。
球磨川は螺子を構える。
安心院は余裕の構えのままだった。
そしてその間に挟まれていた“二翼”の騎手が河川に飛び込むと同時に一同は戦闘を始めるのだった。
しかし、彼らは気付いてなかった別のルートを遅れて出発した参加者が尋常外の速度で走り抜けていることに。
◆◆◆◆◆
一方の忍、十六夜、暦は海樹のところでフェイス・レスと対峙していた。
そこに蛟魔王まで現れ、津波まで起きた。
一同は慌てて走り出す。
「そいつは任せていいんだよな十六夜!!」
「あぁ任せろ!!だからお前らはあの騎士様に負けるんじゃねぇぞ!!」
「分かっている!!」
会話が終わると忍は暦を掴み、滝の方にぶん投げた。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!!」
「儂を信頼しろお前様!!」
言いながら忍はスタートの時と同じように背後の水面を蹴り、騎馬ごと跳躍した。
唯一違うのは忍の背から翼が生えていることだ。
フェイス・レスは既に滝から飛び降りている。
忍は翼を利用し徐々に高度を下げながら滑空する。
途中で落下中の暦を拾い、岸に投げた。
「もう一度じゃ!!」
水面につく直前にもう一度蹴りを放ち、跳躍する。
三度目の跳躍でフェイス・レスとの距離をかなり縮める。
そして背に迫る濁流から逃れた。
暦も必死に濁流から走り逃げる。
「追い付いたぞ仮面女よ!!」
距離を更に縮めようとするがそこで剣閃が忍の水着を斬り裂いた。
しかし忍は気にする様子も無く胸に手を当てると新たな水着を作りだす。
観客からはブーイングが飛び交う。
「ぬぁぁぁ!?」
「何じゃ?」
そこにがしゃどくろが吹き飛ばされてきた。
吹っ飛んできた方には木人形を首から
下げた安心院がいた。
しかし忍は気にせず乗り越え、進むのだった。
そして樹海の暗闇を突破する。
視界が開け、“アンダーウッド”の大樹が見えた。
◆◆◆◆◆
球磨川、安心院と悟達の戦いは濁流が来ようと激しさは衰えなかった。
「どけよ球磨川!!」
『そろそろ諦めたらどうだい?』
「諦めなければなんとかなるんだよ!!」
悟は騎馬ごと突撃し、球磨川は迎え撃つように螺子を放つ。
しかし螺子は認識操作により狙いを外され、突撃のダメージはすぐになかったことになる。
『そろそろだね』
球磨川が呟いた直後、空に大量の螺子が出現する。
球磨川があらかじめばら蒔き、【安心大嘘憑き】で消した物が三分たって現れたのだ。
「悟様には手出しはさせませんよ!!」
しかし出現した螺子は濡鴉の烏と河澄の水弾により弾かれる。
がしゃは安心院に掴みかかろうとするがヒラリと避けられる。
安心院は向かってくるがしゃの腕を掴むとそのまま投げる。
「ぬぁぁぁ!?」
投げ飛ばされたがしゃは木々を薙ぎ倒し吹き飛ぶのだった。
◆◆◆◆◆
ゴールまでもう少しというところで忍とフェイス・レスは微妙な距離感で進んでいた。
「お前様!!斬り掛かれ!!」
「分かったよ!!」
忍が叫ぶと暦はほとんど自棄に【心渡】を掴んでフェイス・レスに飛び込む。
のだがフェイス・レスはあっさりと斬り捨てた。
「甘いですね」
「(あ、ありのまま、今起こったことを話す。僕はフェイス・レスに飛び掛かったと思ったらいつの間に)ぼがぁ!?」
あっさりと斬り捨てられた暦は大河に沈んでいった。
泳げない暦は必死にもがくのだった。
※忍とフェイス・レスが通り過ぎたらちゃんと救助されました。
しかし一瞬でも隙が出来れば忍にとって充分だった。
いつの間にか横に並んだ忍はフェイス・レスに向かい、斬撃を放ち、フェイス・レスも応戦する。
そのまま何度か剣をぶつけ合い、ゴールが目前まで来ると忍は剣を止めた。
「止めじゃ」
フェイス・レスは一瞬驚いたものの忍を騎馬から落とす為に剣を放つ。
しかし忍は狙っていたかのように素手で掴み取る。
「剣のぶつけ合いじゃ埒が明かないからの」
それだけ言うと忍は剣を真下の水面に叩き付けた。
水飛沫が上がり、フェイス・レスの馬が怯み、一瞬動きを止めた。
その間に忍は一気に駆け抜けるのだった。
「くっ………!!」
フェイス・レスも馬術の限りを尽くし追い駆けるが勝敗は明らかだった。
「儂の勝ちじゃな仮面女!!」
トップで“アンダーウッド”を駆け抜け忍は勝利宣言をするのだった。
レース終了です。
次はエピローグです。
それでは質問、感想待っています。