問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!?   作:天崎

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ガンガン進もうぜ!!

 

「契約書類……」

 

周囲が完全に変わると契約書類が目の前に現れた。

黒ウサギは変化にポカーンとしている。

 

「凄い迷宮だな」

 

『面白そうなステージではあるね』

 

これだけの異空間を作れるということはカラッチがそれなりのギフト保持者の可能性もあるのだが一同は全く気にしていない。

安心院が近くにいるのでそこらへんの感覚がズレているのだろう。

 

「それで黒ウサギちゃん。ルールに問題はありそうかい?」

 

安心院が尋ねる。

 

「あ……いえ今の所は思ったより公平なルールですが……」

 

黒ウサギは話しながら途中で言いよどむ。

どうやら迷宮の難易度とチップが気になるようだ。

場合によっては莫大な金品を要求してくることがあるらしい。

 

「それについて契約書類に記載があると思うのですが何とありますか十六夜さん」

 

「あーなんか空白だったから俺が書いといたぞ」

 

 

「[ウサギ肉贈与]って」

 

 

黒ウサギは呆然として、一瞬後に自らを指さすと十六夜が頷く。

すると途端に黒ウサギは涙目になる。

 

「鬼!!悪魔!!ド外道!!」

 

「きっと美味しいハンバーガーになるぜー」

 

泣き叫ぶ黒ウサギ。

笑う十六夜。

そんな黒ウサギに球磨川と暦が話しかける。

 

「『大丈夫だよ』」

 

「勝てば問題ないだろ?」

 

『黒ウサギちゃんをハンバーガーにするわけにはいかないからね』

 

「俺達は楽しむためにこの箱庭に来たんだ」

 

 

「簡単にクリア出来るゲームじゃつまらねぇ!!ほら早く行くぜ黒ウサギ!!」

 

 

「い、十六夜さん……!!」

 

啖呵を切る十六夜は黒ウサギに手を伸ばし、黒ウサギは涙を流した。

 

「なんと頼もしい……黒ウサギは貴方達三人来てくれて本当に……本当に良かったですっ……!!」

 

十六夜の手を掴む黒ウサギ。

しかし十六夜は黒ウサギが立ち上がる前に歩き出し、黒ウサギを引きずるのだった。

 

「それで?とりあえず啖呵を切ったはいいけど、これからどうする作戦なんだ?」

 

「僕は別に作戦なんて考えてないぞ?ノリで言っただけだ」

 

『僕も便乗しただけだよ』

 

「僕なら一瞬でクリア出来るけどそれだと詰まらないだろ?だから僕は休んでるよ」

 

そう言って安心院は球磨川の中の教室に消えた。

 

「ぜ、前言撤回……」

 

 

「やっぱりとんでもない問題児たちですっ!!」

 

 

黒ウサギは引きずられながら叫ぶのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

幕間

 

「いつまで引きずってるつもりですかっ!!」

 

「最終回まで?」

 

閑話休題

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「作戦会議を行いましょう!!闇雲に動いてもムダな体力を消費するだけですから突破口になりうる案を出し合うべきです!!」

 

「「『ガンガン進もうぜ』」」

 

「作戦会議終わったー!?」

 

まるでドラクエの作戦のようなことを言いながら黒ウサギを他所に歩く三人だった。

 

「もうっ待ってくださいよッ!!」

 

黒ウサギは泣きながら追いかけるのだった。

 

「ったく何やってんだよ。ちんたらしてっと置いてくぞ」

 

「み…皆さんは石橋を叩いて渡ると言うことわざをご存知ないのですか!?どんなに平坦で強固そうな橋でも一度叩いて安全性を確かめて渡る……そうあるように皆さんもここは用心深く、慎重に進むべきです!!」

 

言いながら三人の前に出る黒ウサギ。

 

「どのような罠が仕掛けられているか分かりませんからね!!とにかく充分に注意して…キャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

 

台詞の途中で落とし穴に落ちる黒ウサギだった。

三人は回れ右して、

 

「「『ガンガン進もうぜ!!』」」

 

何事もなかったように歩き出すのだった。

 

「助けて下さーい!!」

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

三人の後ろを歩く黒ウサギは完全に拗ねていた。

 

「流石にヘソを曲げたな…」

 

「まぁほっときゃすぐに治るだろ」

 

暦と十六夜がそんなことを話していると球磨川は何かを考えていた。

そして突然黒ウサギに螺子を投げ付けた。

 

「球磨川!?」

 

「キャァァァァァ!?」

 

理解不能な行動に暦が声を上げる。

黒ウサギは螺子をギリギリで避けていた。

 

「く、球磨川さん?何のつもりですか?」

 

『僕が女の子の変化に気付かないと思ったかい?』

 

それを聞くと黒ウサギはいきなり逃げ出した。

しかしその後ろから十六夜が蹴りを放ち、黒ウサギは壁まで吹っ飛ばされた。

 

「球磨川。不意討ちするのはいいが逃がすなよ」

 

『それはごめん。君も気付いてたんだね』

 

「まぁな」

 

「お前ら何を話しているんだ?」

 

暦がわけが分からないと言ったかんじに聞く。

 

「あれをみりゃ分かる」

 

暦が十六夜が指をさした方を見ると吹っ飛ばされた黒ウサギを中心に空間にヒビが入っていく。

完全に砕けると元いた場所に戻っていた。

そして黒ウサギがいた場所にはカラッチが転がっていた。

 

「ま、まさか……」

 

「そういうこと」

 

落とし穴に落ちて以降の黒ウサギはカラッチが化けたものだったようだ。

二人は髪の色などを材料に気付いていたらしい。

十六夜は確信がないので泳がせるつもりだったみたいだが、球磨川がさっさと動いたから予定変更になったようだ。

 

「というかこれで僕達の勝ち?おっさんを速攻で殴って終わり?あっけないな!!」

 

暦の叫びが響く。

何はともあれ彼らの勝利でゲームは終了した。

 

 





肉屋のゲーム終了です。

あっけないのはお気になさらず。
球磨川さんが気付いてたのは安心院さんも化けるので慣れていたというかんじです。

それでは質問、感想待っています。
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