問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
『あっ黒ウサギちゃんがいたよ』
「結構離れてたな」
「おーい黒ウサギ久し振りだなー」
三人は抜々と見付けた黒ウサギに話しかける。
「あっ皆さん!!見てください。こちらのご親切な方がこんな物を………」
黒ウサギが振り返るがそこには誰もいなかった。
「あ……あれ?」
いない?と首を傾げる黒ウサギ。
それに十六夜は怪訝な顔をする。
「どうした?落とし穴で頭にクリティカルヒットでも食らったか?」
「はっ!!そうだ。そんなことよりゲームはどうなったのですか!?勝負はつうたのですか!?」
「ああ、見てのとおり俺達が勝ったぞ」
「(もの凄くあっけなくだけどな)」
暦が聞こえない声で呟く。
十六夜の報告を聞いた黒ウサギは瞳に涙を貯めて、表情を明るくする。
「と……言うことは黒ウサギは……黒ウサギはお肉にならずに済んだのですよね!?」
「あぁ!!しかもチップにスゲーものを貰ったぜ!!」
「すごいもの!?それはもしや新たなギフトなどですか!?」
「お手軽バーベキューセットだ!!」
それを見た黒ウサギは一瞬フリーズする。
「コミュニティの子供も喜ぶだろうな」
「たまには肉も食わねーとなー」
『バーベキューは楽しみだね』
フリーズする黒ウサギを他所にバーベキューセットを抱えてスタスタと歩いていく。
「こちらは黒ウサギの命運を賭けたゲームだったというのに………バーベキューセットって…………」
「もっと他になかったのですかー!!」
「このお馬鹿さんたちはー!!」
泣き叫びながら三人を追いかける黒ウサギだった。
余談だがこのバーベキューセットはかなり重宝されて黒ウサギも納得することになるのだった。
そして走り去る黒ウサギと三人をカラッチに追い掛けられていた少女は無言で眺めるのだった。
◆◆◆◆◆
幕間
『ところでウサギ肉って美味しいのかい?』
「鶏肉に似た味らしいぞ」
「ジュル」
「!?」
涎を垂らす忍に危機感を覚える黒ウサギだった。
閑話休題
◆◆◆◆◆
「さあ皆さんお肉が焼けましたよ。順番に取りに来ましょうねー」
黒ウサギが肉を持ちながら笑顔で子供達に言う。
その横では狐川とリリが肉をバーベキューセットで焼いていた。
「主様が取ってきたバーベキューセットは中々役に立ってますね」
「そうですね。これほど重宝すればウサギ肉を賭けて手に入れたかいがありましたよ」
話しながら肉を焼き、配る。
その傍らではメイド服のレティシアといつも通りの格好の反坂が肉を食べている。
「ふむ。だがこれは焼き過ぎだ。肉はやはり血が滴るくらいのレアが好みなのだが。そのあたり気を配ってほしいものだな黒ウサギ」
「好みに煩いなレティシア。さすが元魔王」
適当な調子で言う反坂。
そこらへんは無視される。
「まあまあ口の周りにソースがついておりますよレティシア様。元魔王がそんなことでは下々に示しがつきませんでしょう」
「おおすまない」
ハンカチでレティシアの口周りを拭く黒ウサギ。
「まぁ元魔王と言えど、今じゃここの専属メイドなのたけどな……」
「すいません。ウチの問題児たちのせいで……」
そんなことを話していると物陰でカサッと物音がする。
レティシアはすかさず物音がした方に串を投げ付ける。
「何者だ!!」
「容赦ないな~」
「きゃあっ!?」
レティシアが串を投げたあたりから悲鳴が聞こえる。
そこには少女がいて、串は足元ギリギリに刺さっていた。
「あ……えっと……」
「……本当に何者だ?」
「敵とも分からないのに投げたんだ……」
首を傾げるレティシア。
呆れたようで興味無いように言う反坂。
「あ……あなたはもしかしてあの時のっ!!」
黒ウサギはどうやら少女に思い当たりがあるようだ。
少女はこの前、問題児が助けた少女であった。
次でサーカス編に本格突入です。
反坂は加入してそう経ってませんがかなりなじんでいます。
それでは質問、感想待っています。