問題児と大嘘憑きと吸血鬼が異世界から来るそうですよ!? 作:天崎
「で探すにしてもどう探すんだ?」
「君は何の為に飛んでいるんだい?」
安心院が溜め息を吐きながらヤレヤレといったかんじに言う。
現在、反坂は一反木綿の姿になり、安心院と球磨川を背に乗せていた。
『それにしても安心院さんよかったのかい?』
「何のことかな?」
『あの約束だよ』
「あぁそれのことか」
安心院と白夜叉は十六夜が「お前らが暴れると楽しめない」と言うので極力手を出さないと約束していた。
白夜叉は散々文句を言ったが安心院はすんなり受け入れた。
「人の楽しみを阻害するのはよくないからね」
『何か企んでるのかい?』
「それはないよ。今回は見ていた方が面白そうだから引いただけだよ」
球磨川と安心院がそんなことを話していると反坂が何かに気付いたように揺れる。
「おい、あれはもしかしたら……」
『たぶんそうだろうね』
頷き合うと反坂はそこに向かい加速する。
◆◆◆◆◆
「全く今日は探し物ばっかりじゃの」
「お前はほぼ影の中だろ……」
「それもそうじゃったの」
暦の血を吸って、高校生サイズになった忍は暦を抱えて屋根の上を跳び移り続けていた。
「それでどこに向かってるんだ?」
「気配の出所じゃ」
「気配を探るのは阻害されているんじゃなかったか?」
「その阻害している気配の出所じゃ」
忍は街に広がる妙な気配の中心に向かっていた。
話していると町外れの小高い丘が見えてきた。
そしてその近くに反坂と思われる一反木綿も見えていた。
「ちょっと急ぐかの!!」
先を越されまいと忍は走る速度を上げるのだった。
◆◆◆◆◆
その時、十六夜と白夜叉は酒場で酔っ払いに情報提供して貰っていた。
◆◆◆◆◆
『見付けたよ!!』
「アハハ。いらっしゃ
向かった先にいたのはピエロだった。
球磨川はピエロを認識するや否やピエロが言葉を言い終える前に螺子で滅多刺しにした。
「いきなり酷いネ」
しかしピエロは液体のように変化して効果はないようだった。
「気持ち悪いな~」
人化した反坂が適当な調子で言う。
たいして驚いてない。
「次はこっ
「背ががら空きじゃ!!」
ピエロは球磨川達に攻撃しようと体を変化させるのだが、背後から現れた忍が【心渡】で八つ裂きにした。
「効かな………ヒギャアァァァァァ!?」
すぐに再生しようとするピエロだったのだが悲鳴を上げて、液体の状態のままのたうち回る。
怪異殺しから転じてギフトを斬る【心渡】で斬ったことにより痛覚を刺激したのだろう。
「痛みを与えただけで無傷に等しいの……」
「なら、ますは逃げれないように集めようぜ」
続いて乱入してきた十六夜がのたうち回るピエロごと地面を殴り、大穴を開けて逃げにくい状態にする。
「この匂い……お前は油絵具だな」
「わかっタカラといッテ……」
「阿良々木!!火だ!!油絵具は引火性がある!!」
「分かった」
十六夜が叫ぶと暦は即座に街灯ランプを地面からひっこ抜く。
普段なら無理だが吸血鬼性を上げている今なら容易い。
街灯ランプを片手に暦が大穴に近付くとピエロは慌てて逃げようとする。
「これで終わりだ!!」
ピエロが逃げる前に暦は街灯ランプをぶち込む。
「ギャあああああああっ」
悲鳴を上げてピエロが燃え上がる。
『倒したよね?』
「これで復活はさすがにないと思いたいな……」
「それより君達、招待状を忘れてないかい?」
「「「『あっ』」」」
安心院に言われ、十六夜、球磨川、暦、忍が同時に声を上げる。
勢いで倒したので招待状のことなどすっかり忘れていたのだ。
「その心配には及ばぬよ。奴は絵具としての役割もきちんと果たしておる」
焼け跡を見ていた白夜叉が言い、一同がそちらを向くとそこには魔法陣があった。
「ここの魔法陣に乗れば、奴等の本拠に飛ぶと見て良いだろうな」
「おおっ。だったらモタついてねーでさっさと行こうぜ!!」
『そうだね。黒ウサギちゃんがこの先にいるんだろうし』
「速く行かないとな」
そう言って一同は魔法陣に乗る。
刹那、魔法陣は激しい光を放つのだった。
◆◆◆◆◆
光が晴れると、一同は大天幕の中にいた。
周りを見ると観客席は人で一杯だったが昼間とは雰囲気が違う。
「おやおや皆さん。お揃いで一体どうされたのですか!?」
背後から聞き覚えのある声がして、そちらを向くと黒ウサギが大玉の上に乗りながら笑顔で現れた。
「あっもしかして!!黒ウサギの玉乗り芸を見に来てくださったのですねーっ!?」
その様子を見て一同は同時に思うのだった、
[この笑顔……殴りたい……]
と。
反坂だけ適当な調子で黒ウサギの玉乗りの「お~凄いな」と見ていたが。
「まあ、とりあえずだ。揉みたかったぞ黒ウサギィィィィィーッ!!」
「ひゃあああ!?」
白夜叉はいつも通り、黒ウサギに飛び付くのだった。
◆◆◆◆◆
その後、黒ウサギから事情を聞くと、黒ウサギはどうやら団長に玉乗りショーに出ないか?とスカウトされたようだ。
黒ウサギはそれを引き受けて、団員から伝えることになっていたらしい。
情報の相違が気になるところであったがとりあえず帰ろうとなった時、
「おい!!お前ら下がれ!!」
十六夜が叫んだ。
黒ウサギ達が後ろを向くと、数本の剣が飛んできていた。
「仕方が無いね」
剣が黒ウサギ達に届く前に安心院さんが弾き飛ばした。
「……あきまへんなお客様。まだギフトゲームは終わっとらんどす」
そして団長が現れるのだった。
「団長さん!?」
「このゲームはここからが本番。円形闘技場で5回試合での3勝以上……クリア条件にもそうあったはず」
「え!?え!?いつの間にそんなことになってたのですか!?」
事情を知らない黒ウサギは半パニック状態で問うが一同は無視する。
「他のお客様もそろそろ退屈してはるやろし、はよそちらのトップバッター決めてくれますか?こっちのトップバッターは……」
「この黒ウサギさんどす!!」
「え…?」
突然の指名に固まる黒ウサギ。
その後ろでは数名、何故かしらニヤリとする。
それが合わさり悪寒を感じる黒ウサギだった。
vsピエロでした。
不意討ちの連続でしたが元よりそういう集団ということで。
先手必勝です。
それでは質問、感想待っています。