「禊に頭撫でられちゃった…フフフ、手も大きくて、流石、男の子だね〜」
もう直ぐ0時になる中、私は部屋でそんなことを呟き、一人で笑っていた。
「でも、禊も大きくなったなぁ〜昔は私より小さかったのに…」
私はそう言いながら、昔の事を思い出す。
「もう6年…か…」
私は、禊がこの家に来てからたった年月を呟く。
「色々な事があったなぁ〜」
私は、そう呟きながら、一番良く覚えている思い出を、思い浮かべる。
「お前の弟って本当の家族じゃねぇんだろ!!」
丁度、禊が家に来てから一年が経った頃、私は、クラスの子から嫌がらせを受けていた。理由は、禊と私の血が繋がってない事だった。私は、禊が虐められないかと心配をしていたら、私が虐められるというドジを踏んでしまっていた。
「血も繋がってない奴らが、なんで同じ家で暮らしんてるんだ!」
私は別にクラスメイトの嫌がらせは気にしていなかった。でも、クラスメイトの一言で、私は、今まで出した事のないほどの声を上げることになる。
「お前の弟は、本当の親に捨てられたんだろ!!」
私が悪口言われるのは言い、でも、禊を悪く言うのだけは、許せなかった。
「撤回して!!!」
私が大声でそう言う。すると、1人の男の子が、私の顔を殴る。
「うるせぇんだよ!!」
「キャッ!!」
私は、顔を殴られてバランスを崩し、転んでしまう。そして、私を殴った男の子が、今度は、私の事を蹴ろうとする。しかし、私に痛みが襲う事はなかった。
「ふん!!!」
私に衝撃が無いのは、その男の子を禊が殴っていたからだ。
「おい」
私を庇うように前に立ち、私も聞いたことのないほどの、怒りを込めた声を出す。
「テメェの汚ぇ手で、俺の大切な家族に手ェ出すじゃねぇ」
私はその言葉を聞いて、凄く嬉しかった。禊は、自分の気持ちを他人に言ったりする事が少ない。だから、禊が、私達のことを家族と言ったのを聞いたのは、私は初めてだった。
「この…生意気な奴だな!!!」
禊の言葉を聞き、私を虐めていた男の子達が、全員で禊に殴りかかる。私は、危ないと思い、目を瞑ってしまう。
「遅ぇよ」
目を瞑ると、禊のそう言う声が聞こた。そして、恐る恐る目を開けると、そこには、殴りかかった男の子達が、全員倒れていた。
「次、俺の大切な家族に手を出してみろ…今度は、この程度じゃ済まさねえ」
禊は、そう言うと、私の方に向き、手を出してくる。
「ほら…帰ろう…父さんたちも待ってる」
「うん!」
私は、そう言って禊の手を取る。
「顔…大丈夫か?…悪いな…俺がもっと早く来ていれば…」
禊は、そう言うと、手を握っている手とは反対の手を、殴られた所に優しく添える。
「う…うん!大丈夫だよ!」
私は、少し恥ずかしくて、頬を赤く染める。
「そうか…よかった。それじゃあ行こう」
そうして、私達は手を繋いで、家に帰った。
「はぁ〜あの時の禊はかっこよかったなぁ〜…って!私は恋する乙女か!!!」
私は冗談で、そんな事を呟く…
「あれ?…冗談だよね…」
私は、自分の考えに自信が持てなくなる。
「イヤイヤイヤイヤ!!!私と禊は姉弟だし!!!」
私は、誰もいない部屋で、そんな言い訳めいた事を言う。
「ウソ…もしかして…私…禊の事が…」
好きなの?
その言葉は、声に出せなかった。自分の本当の思いの驚きと、恥ずかしさで、頭がパンクする。
「なんか…自覚したら…凄い恥ずかしい…でも…この思いを知って欲しい」
私は、胸に手を置いて、小さく呟く。
「って!もうこんな時間…まぁ!!!その事は後日考える事にしよう」
私は、そう言って、ベッドに入る。
ヤバい…寝れる気がしない。