リハビリでネタな短編   作:トッシー

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お目汚ししてすいません。
これを機にエタっているモノを少しずつ進めていこうと考えています。




リハビリでネタな短編

始まりは、とある街で発光する赤児が産まれたというニュース。

一時的に話題になり、それでも当事者以外には直ぐに忘れられるであろう小さな事件。

しかし、以降世界各地で超常現象が確認され始めた。

超常は日常へと変化し、架空の存在は現実となった。

 

そして現在、世界人口の約八割が何かしらの特異体質『個性』を有していた。

それは念動力や発火能力の様な超能力だったり、あるいは強靭な獣の特性と特徴をもった怪物だったり様々だ。

 

そういった能力をもった人間の中には当然、それを悪用する者も存在する。

人々は彼らを個性を悪用する犯罪者を(ヴィラン)と呼び恐れた。

しかし、そういった(ヴィラン)に対抗する者の存在がいた。

今や職業として認められ、誰もが空想し憧れた存在、人々は彼らをヒーローと呼んだ。

 

 

 

 

 

「オールマイト、今日もお手柄!凶悪な(ヴィラン)を鎮圧…、はぁ」

 

 

早朝、コンビニ店内の一角で新聞を広げた少年は疲れたように溜息をついた。

冗談のような、それでいて当たり前の記事に頭痛がしてくる。

少年、山田一郎は新聞を元に戻すと漫画雑誌に手を伸ばした。

 

中学三年、この世界に新たに生を受けてもう直ぐ15年。

受験シーズンが目前に迫っている大切な時期、それでも(ヴィラン)は元気に活動している。

 

「本当にいい加減にしてほしい」

 

一郎は漫画雑誌に落としていた視線を上げて溜息をついた。

その先にはレジの店員を威圧する異形。

肩から昆虫の様に長く伸びた六本の腕。

左の三つの腕はコンビニ唯一の出入り口を塞ぎ、右の腕は一人の店員の襟首を持ち上げて拘束している。

 

「おとなしく金を出しやがれ!」

 

もう一人の店員に向かって叫ぶ。

 

「ひっ!?」

「ヴィ、(ヴィラン)ッ!?」

 

「動くんじゃねぇぞ!下手な真似しやがったらぶっ殺してやる!」

 

腕の先にある蟷螂の様な鈎爪が鈍い光を放つ。

拘束された店員は恐怖で肩を震わせている。たまたま居合わせた数名の客も同様だ。

いくら個性を持っていても強力な個性は稀だ。

そしてこの場には目の前の(ヴィラン)に対抗できるだけの個性を有する存在はいない。

出来る事は外の人間がこの事態に気づき、ヒーローを呼んでくれる事だけだ。

 

「俺以外は、ね」

 

一郎は漫画雑誌を閉じると(ヴィラン)に向かって歩き出した。

 

「なんだクソガキ!?死にてえのかっ!?」

 

一郎に気づいた(ヴィラン)はその少年の身体と同等の太い腕を突き出して威嚇する。

普通の人間があの腕の一撃をまともに受ければ即死は免れないだろう。

 

「ははーん、この状況で出しゃばってくるって事は手前、自分の個性に自信があるんだなぁ」

 

「ひっ!?」

 

(ヴィラン)は一郎に向かって笑うとレジの店員を軽々と持ち上げて一郎の前に突き出した。

 

「動くんじゃねぇよ!こっちには人質がいるんだぜぇっ!?大方ヒーロー志望のクソガキだろ!?」

 

動じない一郎の態度に(ヴィラン)は腕の鈎爪でその頬を薄く切り裂いた。一郎の頬からつーっと赤が流れた。

 

「うぜぇんだよっ!偶然良い個性に恵まれてもうヒーロー気取りかよっ!?」

 

「手、出したな?」

 

「あぁ!?ガキが何言って・・・ヒーロー志望のガキが人質を無視しても…ってっ!?」

 

「人質ってこれ?」

 

一郎の言葉に(ヴィラン)は目を剥いて驚愕した。

その傍らには呆けた顔で座り込んでいる店員がいた。

店員を捉えていた筈の腕を見る。

その腕には人質だった店員の姿はなく、それよりも見るも無惨に変わり果てた腕だった。

 

 

「・・・・・・ぎゃああああああああああっ!!?」

 

(ヴィラン)の左腕3本は関節が全て圧し折られており、節々からは体液が噴出していた。

 

「ヒーロー気取り?勘違いするな」

 

「なっ!?なななっ!?なに、何がっ!?」

 

混乱する(ヴィラン)に向かって一郎は言い放った。

 

「このままだと遅刻するだろうが」

 

中三の大事な時期に遅刻とか駄目だろ。

そして一郎の姿が消えると同時に(ヴィラン)の巨躯が弾け飛んだ。

左右上下とピンボールの様に何度か跳ねてその身体が破壊されていく。

そして姿を現した一郎の踵が(ヴィラン)の脳天に斧の様に振り下ろされた。

(ヴィラン)はその身体をコンビニの床に沈め意識を失った。

 

「ふぅ」

 

一郎はめんどくさそうにレジに移動する。

店員は目を丸くして一郎と(ヴィラン)を見比べている。

身長はおよそ160センチ程と小柄な何処にでもいる少年と異形の6本腕を個性に持つ(ヴィラン)

事もなげに(ヴィラン)を無力化した現実に理解が追い付かないのだろう。

 

「これ、お願いします」

 

一郎の言葉に現実に引き戻される。

そこには千円札とカード、そして商品である漫画雑誌とおにぎりとジュースが置かれていた。

 

「あの、急いでるんですけど」

 

「は、はい!?」

 

反射的に会計を始める店員にお釣りを受けとると一郎は外へ向かった。

 

「あ、君!ちょっと!?」

 

呼び止めようとする店員に振り返り一郎は(ヴィラン)に指をさして言った。

 

「そいつ、寝てる間に速く通報した方がいいよ」

 

一郎は次の言葉を待たずに姿を消した。

 

 

 

 

 

「こんなのが日常とか勘弁してほしいよな」

 

俺は携帯の時計を見ながら通学路を歩く。

山田一郎、中学三年14歳。そして転生者。

二次創作とかでよく見かけるアレの事だ。

現実は正に小説より奇なりだ。

 

生前の俺は何処にでもいる大学生でレトロゲームマニアだった。

何処にでもいる何の変哲もない人間で山田一郎なんて平凡以下のモブキャラ。

友人関係もソコソコで学力もソコソコ。間違いなくモブだ。

 

そんな俺が転生者とか無いわ。

いや二次創作的には有りといえば有りか。

平凡なオタクが転生とかテンプレも良いところだ。

しかも個性が常識な世界で手に入れた個性がまさか、生前好きだったレトロゲームに関係しているものだったとは。

昔からゲームや漫画によく影響されやすかった為、嬉しい反面少し複雑だ。

 

英雄(ヒーロー)か・・・」

 

憧れと同時に忌避してしまうその言葉に俺は抜けきらない中二病に頭痛を覚えた。

もう直ぐ高校生だというのに中の人は前世も含めて40近いオッサンの筈なのに。

 

「イカンイカン、受験に集中しないと」

 

俺はポケットから昨日、学校で手渡された進路希望のプリントを取り出す。

 

第一志望、国立雄英高等学校

 

「ヒーローって危険だけど安泰なんだよなぁ経済的に」

 

(ヴィラン)さえいれば・・・。

 

 

一郎は持って生まれた個性を自分の事の様に喜ぶ両親や親戚を思い浮かべた。

皆口を揃えて「将来は立派なヒーローだな」とか「(ヴィラン)なんかに負けるなよ」

そんなことばかり言っていた。

ここまで期待されたり褒められたり前世ではなかった経験だったから素直に嬉しかったが、反面精神的にキツい。

子供の将来は自分にも帰ってくる。当然世間体もある。

いっそ前世の記憶がなければ素直に喜べたんだろうけど、これはスレる。

 

こうして俺は冷めた感じの半端な中二病な少年になってしまった。

一般的に見れば強すぎる個性を持ってしまったのだから我ながら性質が悪い。

 

「これでもしも個性をもう一つ隠しているってバレたら…、考えたくもないな」

 

俺は制服越しに冷たい風を感じながら”折寺中学”に向けて足を進めるのだった。

 

 

 

 

今日も退屈な授業が終わり帰路に就く。

最近は受験勉強の為に図書室に残るか早々に帰って勉強する日々が続いている。

面倒くさいが将来の為だから仕方がない。

前世の様に後で後悔だけは御免だ。

 

この個性が当たり前の現代社会、大体の進路希望はヒーロー科のある学校だ。

強力な個性を持つものは大体がプロヒーローを目指す。

中には稀に個性を持たない無個性が存在し実際に同じ学年にいる。

 

「たしかアイツもヒーロー志望だったな」

 

嗤われ蔑まれる無個性の生徒を思い出す。

確か緑谷だっけ?

ヒーローノートなるものを持ち歩いているオタクだった。

 

「まぁ、無個性じゃ無理だな」

 

かと言って異形系は嫌だけど。

クラスではしゃぐ時のクラスメイトの姿を思い出して頭を振る。

羽が生えたりするのはまだいい。ろくろ首もまぁ許容範囲だ。

しかし顔が岩石になったり生首だけで動いたりとクラス総出でやられたらドン引きだ。

こういう感覚だけは前世のまんまだ。

 

「・・・ん?なんか騒がしいな…火事か?」

 

遠くから喧騒が聞こえてくる。

ビルの隙間から僅かに見える黒煙と人の叫び声。

そして地響き。

 

「あ、マウントレディ」

 

現れたのは最近デビューした女性ヒーロー。

巨大化という比較的強力な個性を持ったヒーローだった。

二車線以上の広い道を選びながら現場に向かって走っていった。

携帯を見ると、どうやら(ヴィラン)が人質を取って暴れているようだ。

 

「あれ?こいつ確か・・・」

 

画面に映っていたのはヘドロの様な液状の凶悪な(ヴィラン)

そしてその身体に拘束され足掻いているのは同じ学年の少年だった。

強力な個性と優秀な成績を持ち何時も友人に囲まれているリア充だったと記憶している。

チンピラみたいな性格だったがヒーロー志望で雄英を受けると言っていた気がする。

既に駆け付けたプロヒーローたちは人質の存在もあって手詰まりの状態だった。

このままでは人質が危ない。

俺は携帯をポケットにしまって呟いた。

 

「加速」

 

瞬間、俺の神経機能が強化され体内時計が加速する。

 

個性:アクセラレイター

 

表向きに発表している俺の個性だ。

効果は行動速度の飛躍的な向上。

某仮面戦士のクロックアップ。

最終幻想のクイック。

呼び方は色々だが今の俺は周囲の時の流れが凄まじく遅く緩やかになっている状態だ。

 

俺は周囲の人混みをすり抜け自動車を追い抜き現場へと走る。

液状化する(ヴィラン)と相対するプロヒーロー達の姿を確認と同時に加速を止める。

同時に聞き覚えのある声が耳に届いた。

 

「君が助けを求めている顔してた」

 

無個性と馬鹿にされ虐められていた奴が、恐怖に顔を歪ませながらそれでもクラスメイトを助けようと飛び出していたのだ。

 

「……ヒーローいるじゃん」

 

虐められていた無個性が虐めていた優秀な個性をもつ相手に手を差し伸べる。

状況は掴めないが胸熱な展開で俺が大好きな展開だ。

英雄なんて要らない?否、やっぱりいた方が良くね?

 

前世では共感を覚えつつ、それでも心の何処かで求めた答えを俺は口にした。

 

俺は走り出していた。

変身の瞬間さえ誰にも見られなければ問題ない。

いつかこの姿を大々的に晒す事もあるだろう。

その時はコスチュームという事にすれば問題ない。

戦闘力に関しても超スピード以外使わなければ良い。

そんなどうでも良い葛藤が脳裏を過ぎていく。

否、それよりも俺はあいつ等を救いたい。

 

再び加速した俺は心の赴くままに叫んだ。

 

「-アクセス!!!」

 

瞬間、視界が弾けた。

 

「な、なんだっ!!?」

 

それは人質を取った(ヴィラン)の言葉だったのか。

それともプロヒーローたちの声か。

それとも野次馬たちか。

それとも助け出すチャンスを伺っていたオールマイト(人々の希望)だったか。

 

それは突然その場に現れた。

何処からどの様に現れたのか?オールマイトにさえも分からなかった。

 

炎の様な深紅の布が黒煙になびく。

全身が漆黒に覆われた異形の騎士。

焔の黒騎士『ナイトブレイザー』が黒い閃光と共に出現した。

その長く逞しい腕に人質二人を抱えて・・・。

 

 

 

 

「・・・っ、なぁっ!?」

「なんだ?何なんだよお前はぁっ!?」

 

人質を奪われた(ヴィラン)は弾かれた様に叫んだ。

反射的に目の前の敵を攻撃しようとその腕を伸ばす。

伸縮自在にしてあらゆる物理攻撃を無力化する液状の触手。

それはこの場にいるプロヒーロー達の攻撃をも無効化してしまう程のものだった。

しかし動いたのは(ヴィラン)だけではなかった。

ナイトブレイザーに迫る触手を受け止めた存在がいた。

何時もの見慣れたコスチュームではないがはっきりと分かる。

触覚の様に伸びた金髪と溢れんばかりの笑顔。

そしてTシャツが張り裂けそうな程に筋骨逞しい凄まじい存在感がその場を一瞬にして支配した。

 

「オ、オールマイトォッ!!?」

 

人質に取られていた緑谷が叫ぶ。

 

「全く自分が情けない・・・君に諭しておきながら己が実践しないとは・・・」

 

そしてオールマイトとナイトブレイザーは全くの同時に動いていた。

 

天候さえ変えてしまう圧倒的な暴風の如き拳圧と光の刀身をもつナイトフェンサーが唸る。

 

 

「プロはいつだって命懸けぇぇぇっ!!!!」

「オオオオオオオルマイトォオオオッ!!?」

 

DETROIT SMASH!!!!  KNIGHT FENCER!!!!

 

 

(ヴィラン)の憤怒の叫びが凄まじい轟音に掻き消された。

 

交差する二つの力が完全に悪を粉砕した瞬間だった。

 

(ヴィラン)の絶叫と人々の歓声、シャッターの音とフラッシュ。

最高のヒーローによる瞬く間に事件解決の興奮が続く。

 

「オールマイトも凄かったが黒い騎士も凄かったよな!」

「そうだ!君の個性・・・あれ?」

 

ナイトブレイザー(一郎)に声を掛けようとしたヒーローは周囲を見渡す。

だが既に謎の黒騎士は消え失せていた。

彼の放ったナイトフェンサーの傷跡を残して。

 

「拳一つで天候をも変えるオールマイトも凄いが、さっきの黒いやつも・・・」

 

その場にいたヒーロー達や人質として捕まっていた緑谷達、そしてオールマイトさえも息を飲んだ。

 

そこにはナイトフェンサーの剣圧によって穿たれた底が見えない程の亀裂が奔っていた。

しかも人的な被害は無し。火災も鎮火させていたようだ。

 

「黒い騎士・・・いったい何者なんだ?」

 

間違いなくプロのヒーローでは無い。

視認できない程の凄まじいスピードと自分と同等の威力を誇る剣の一撃はまるで・・・。

その考えにオールマイトは直ぐに否定するように首を振った。

唯その傷跡だけがナイトブレイザーの存在を証明するようにその場に残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに投稿。

リハビリ的なモノです。

 

 

お目汚ししてすいません。

元ネタ知ってる人はきっと少ないレトロなゲームが元になっています。

私的には神げーです。

 

主人公

 

山田一郎(14)

 

折寺中学3年。

 

身長160cm 体重54kg

 

黒目黒髪で少し小柄な見た目も名前も平凡な少年。

しかし転生者でチート能力保持者。

特典はWAシリーズの能力色々。

 

個性:アクセラレイター(WA4)表向きに発表している個性。

 

個性:アクセス 内的宇宙に存在する魔神に接触して力を開放、変身する。別名チートブレイカーw

 

他にもWA2のパーソナルスキルだったりセーブデータを基にした身体能力(ステータス)を持っている。

 

 

 

焔の黒騎士(ナイトブレイザー)

 

山田一郎が個性:アクセスによって変身した姿。

内的宇宙に内包した聖剣アガートラームと焔の災厄ロードブレイザーに接触してその力の一部を開放して変身する黒騎士。破壊の化身である魔神を相反する聖剣の力で制御している為、変身する度に魔神の力が増大してやがて本人が飲み込まれてしまう危険性が孕んでいる・・・設定ではw

しかしリスクなしに使用できるあたりご都合主義な特典だったりする。

 

武装:ナイトフェンサー 魔剣ルシエド 高速分裂焼夷弾(ガンブレイズ)

必殺技:反粒子砲(バニシングバスター) ファイナルバースト

 

スペック

 

攻撃力:潜在する力をすべて開放できれば惑星破壊、宇宙破壊など可w

防御力:現時点で核爆発クラスの破壊力を密着状態で受けても生還w

スピード:飛行可能で超光速で戦闘可能w

 

ゲームバランスを崩壊させるチートブレイザーw

 

オーバーナイトブレイザーに変身するとますます手が付けられなくなるw

 




久しぶりに緊張しました。
投稿ボタンを押す手が震えております。
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