「てめえ!?一体何処のモンじゃぁっ!!」
岩石のような強面が凶器の様に尖った異形の怪腕を振るう。
相対する人物は危なげなく怪腕を潜る様に躱すと異形の強面から距離を取った。
風に舞う青いマントは全身を隠すように、しかし確りと護るべき者を守るようにその身を覆う。
その腕の中には怯えた表情の少女が目に涙を浮かべていた。
異形の強面だけではない。
周囲には逃がさないとばかりに、如何にもな者達が各々の
そんな様子に彼は溜息を洩らすと
「未成年略取・・・犯罪者に何者か問われる云われは無いぞ」
そう言って少女を下ろし背に隠すように前に出た。
逢魔の時、
目の前で行われていた犯罪。
年端もいかない無力な幼女に迫る悪の手。
それを見た瞬間、その人物は行動を開始していた。
夕日に照らされてその全容が露になる。
陽に反射して輝く金色のアーマーと素顔を覆い隠す翼の装飾のヘルメット。
漲る力が溢れるように、その拳からは金色の光が漏れ出していた。
「ぶ、ぶっ殺せっ!!」
「おおおおおおおおおっ!!!」
「このヒーロー気取りのクソ野郎が!!」
「行くぞ!悪党どもっ!プライトォ…ナックルゥッ!!!」
熱き想いは鋼の胸に宿し
白き光の翼は不死鳥となりて悪を薙ぎ払う
悲痛に塗れし遠き記憶は炎へと変わる
愛を求めて彷徨う旅人
その名はアルカイザー
どうも小此木烈人です。
突然ですが俺、転生者です。
名前から分かる人には分かると思いますが、あの小此木烈人です。
恥ずかしいポエムが頭の中で流れましたが俺のポエムじゃないです。
俺はポエマーではないので・・・。
小此木烈人として生まれたからには成るしかないでしょう。
始まりは中国、軽慶市にて発光する赤ん坊が生まれたというニュース。
普通に騒がれ、忘れられていく少し不可思議なニュースだった。
しかし以降、世界各地から何かの特異体質を持った人々が発見され、超常は日常になっていった。
そして特異体質『個性』を持った人間の急激な増加に伴う犯罪件数。
個性を悪用する人間が当然の様に現れたのだ。
そして個性を悪用する犯罪者に対抗する様に生まれた新たな職業。
嘗ては虚構の中でしか存在しえなかった誰もが一度は夢見た存在。
そして現在、
世界総人口の約8割が、何らかの超常能力『個性』を持つ超人社会。
そこに一人の異物が紛れ込んでいた。
今となっては珍しくもない青い髪を逆立てた眼つきの鋭い少年。
そんな少年の様子に通行人の少年少女達は訝しむ様に一瞥して歩を進めていく。
その眼光の先には巨大な門が立っている。
―国立雄英高等学校、
ヒーローを要請する学校で名だたるヒーロー達を輩出した所謂、名門校で偉大なヒーローになる為の登竜門だ。
今日は国立雄英高等学校の入学試験日。
ヒーローを志す少年少女達が決意を秘めた表情で校門を通過していく。
「いよいよか・・・」
この世界の異物の少年は逆立った青い髪を撫でると試験会場への案内板を示す場所へと移動するのだった。
そんな少年を屋上から見下ろす影が二つ。
一人はガリガリに痩せ細った如何にも虚弱体質な金髪の青年。
そしてネズミの様な否、ネズミだった。
何とも不思議な組み合わせの二人組だった。
「彼がそうですか?」
「ええ、小此木烈人くん。君が気に掛けているあの少年と同じ中学出身の子だ」
最も別のクラスだったようだけどね。ネズミの人が軽い口調で言う。
受験番号:22321
科目:ヒーロー科
氏名:小此木烈人
個性:
備考:複数の個性を持つと噂されているが、術技の応用で複数に見えているだけとの事。
「彼の両親、母親の方は無個性。父親はボクと似て知能が発達する強化系の個性」
「それでは彼は?」
「ああ、両親の個性を全く受け継いでいないんだ」
それどころか祖父母に遡ってみても似た個性は無い。
提出された情報通りならば、物語に出てくるような魔法のような事が出来るのだという。
実際に目撃情報も多数存在している。
「そこまではいいんだが」
「まだ何か?」
「彼の身体能力が・・・まるで・・・」
君の様だ、ネズミの人はそう言いかけて口をつぐむ。
そして本題に入る。
「いやそれよりも、彼の周囲で怪しい連中がうろついている」
「もしかして
「間違いなく。強力な個性を持つ子供を狙う。最近ではそんな事件も珍しくない」
小此木烈人はそんな強力な個性を遺伝ではなく突然変異によって発言した子供だった。
「そして彼の周囲にいた
「何か、あったんですか?」
「警察所の前で倒れていたんだ。犯罪の証拠と共に」
ズタボロの状態で警察署の前で確保、逮捕された
しかし
証言と小此木烈人の容姿と一致しないのだった。
「それが、金色の戦士ですか?」
「ああ、彼は