ハリエットさんの転生生活   作:しかぞく

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アズカバン失踪により、しばらくの間書けていませんでした。すみません。



日刊預言者新聞・ガリオングランプリ

夏休みが始まって、ハリーお兄ちゃんがプリベット通りから隠れ穴に来てからというもの、ジニーは一番付き合いの短いハリーお兄ちゃんでさえ分かるほどに上機嫌だった。

 

私にはその理由が、(私とジニーの記憶通りなら)もうまもなくパパが『日刊預言者新聞・ガリオングランプリ』を当てるからだと分かっていたけれど、他の皆にはジニーの機嫌がとってもいい理由は未だに分かっていないみたいだ。

 

 

そんな中、ついにジニーが待ち望んでいた日がやって来た。

 

 

私が、ジニーとハリーお兄ちゃんの間の席に座って皆で朝食をとっていると、見たことのないフクロウが一匹、隠れ穴の中に入ってきたのだ。ジニーはそのフクロウを見た瞬間、目を輝かせていたから、このフクロウがそうなんだろう。

 

 

「あら、見られないフクロウだわね。誰からかしら?」

 

ママは、封筒が括り付けられた足を差す出していたフクロウから封筒を受けとると、そんなことを言いながら封筒を開封した。

 

 

ママは、その封筒の中に入っていた手紙を見ると…

 

 

「えっ、まさか、そんな… うそでしょ?」

 

 

手が震えていて、明らかにどうしたらいいのか分かっていないような事になっていた。それを見たパパやパーシー、フレッド、ジョージに、ハリーお兄ちゃんとロンは何か良くないことでもあったのではないか、というような表情になっていた。

 

 

「モリー、どうしたんだい?見せてごらん。」

 

そんな隠れ穴全体の雰囲気を察したのか、パパがママを落ち着かせるように、ゆっくりと、穏やかに声をかけた。

 

「アーサー、これって、もしかして…」

 

パパは、ママの震えている手から手紙を受け取って、ゆっくりと手紙の方に目を向けた。

 

手紙に目を向けると、パパもしばらくの間動かなくなって、何度か自分の見ている文字が幻覚ではないのかと、疑っているように、目をぱちくりとさせていた。

 

「パパもママもどうしちゃたの?」

 

ロンが沈黙の空間に我慢が出来なかったかのように、今必死に起きてしまったことを理解しようとしている、パパに対して質問をした。ロンの質問にフレッド、ジョージの二人も頷きながら、パパとママを見つめた。

 

 

 

ママはパパと小声で何かを話し合ってから、ひとつ息をはいて、ママとパパを見つめている私たちを見回してから、嬉しそうにこう言った。

 

「お父様が、今年の日刊預言者新聞のガリオングランプリに当選したのですよ。お前たち、朝食を取り終わったら、すぐに部屋に戻って荷物をまとめなさい。明日、グリンゴッツでお金をもらってから、そのままビルがいるエジプトに行きましょう。」

 

「やったー!」

 

「おめでとうございます。」

 

ママの声に反応できたのは、この出来事を待ち望んでいたジニーと、ガリオングランプリについて知らないけど、なにか宝くじを当てたんだなって思っているハリーお兄ちゃんだけだった。他の皆はパーシーも含めて、あまりの出来事に口をあんぐりと開けてしまっていた。

 

 

その沈黙の後、今度は隠れ穴はお祭り騒ぎになった。普段は優等生のパーシーでさえ、舞い上がっていた。私とジニーとハリーお兄ちゃんとでその手紙を見てみると、本当にパパは当てていたようだった。ハリーお兄ちゃんがその金額を見て驚いていたのは、また別のお話。というのも、私とジニーの記憶以上の金額をパパは当てていたからだ。手紙には不死鳥の羽が添えられていて、当選金額は900ガリオンとなっていたのだ。それを見たときに、私とジニーはどこかでのんびりと夏休みを過ごしているであろう、驚異の頭脳を持つ、とある校長先生の事が頭に浮かび、顔を見合わせて苦笑いをした。

 

 

 

 

 

 

というわけで、私とハリーお兄ちゃんはとあるご老人からであろう、私とジニーの胃が痛くなりそうなプレゼントのお陰で、ウィーズリー家のエジプトへの家族旅行に参加している。

 

ちなみに、私とハリーお兄ちゃんは、ジェームズパパとリリーママが遺してくれた口座から下ろした分のお金を、今回の旅費分、ママの財布に忍び込ませているのだけれども、毎回なぜか、そっくりそのままの金額で私たちの財布に戻ってきている。どうやら、私たちが寝ている間に、ママが私たちの財布に戻しているようだ。

 

 

 

「はーい、こっちを向いて。そうそう笑って。」

 

私たちは、今巨大なピラミッドの前で『日刊予言者新聞』の取材を受けている。カメラマンが写真を撮っていく度にカメラからけむりが舞い上がり、既にカメマンの上には雲ができていた。

 

どうやら、ハリーお兄ちゃんがいることによって、カメラマンのテンションが上がりまくってしまったみたいだ。

 

 

私の前世での記憶とは少し違うけれど、今とられてる写真に写っているペティグリューを見て、シリウスは脱獄してくれるはずだから、不本意だけどネズミもちゃんと写真撮影に参加させているよ。

 

 

「ウィーズリーさん、今年の『日刊予言者新聞・ガリオンくじグランプリ』を当てた事について、一言。」

 

「この金貨は今年の夏休みにエジプトで旅行するのにつかうつもりです。長男のビルがエジプトで働いているので。」

 

記者からの質問にパパは満面の笑みで答えていた。

 

 

 

 

 

 

翌日ーーー

 

 

ねっとりとした黒髪、鉤鼻に、普段は土気色の顔が今はほんのりと赤く染まっている人物が、ホグワーツの教職員室で新聞をかれこれ30分も同じページを読んでいた。

 

いや、新聞を読んでいるのではなく、新聞に載っている写真を見つめていた。記事を読むことだけでいうのであれば、5分もかかっていないだろう。

 

彼の視線の先には、彼の思い人にそっくりの女の子が、巨大なピラミッドを背に、恋人と唯一の家族である、彼にとって憎き人物にそっくりの兄との間に立ち、幸せそうに手を振っていた。

 

 

彼にとって、去年一年は中々大変な一年だった。

 

自分が殺してしまったと思っていた最愛の人の娘が生きていると知り安堵したのもつかの間、その次の日には、なぜか目だけは遺伝されている、最愛の人が死んでしまった日に守ると誓ったその人の息子が、学校に植えてある、あの忌々しい奴等を思い出させる木に、空飛ぶ車に乗ったままぶつかった。

 

また、新任の『闇の魔術に対する防衛術』の担当者も彼にとっては、いや、ほとんどの人から歓迎されなかった。その人物は、あるひとつの分野と、無駄に目立つ才能ということを除き、無能だったのだ。普段、他の教師に対し、批判をしないようにしているマクゴナガルでさえ、あからさまに嫌うほどだったのだ。今、その人物は今までの悪行がばれてしまい、アズカバンに収容されている。

 

その他にも色々なことがあったが、その度に彼は、最愛の人の才能もしっかりと受け継いだ最愛の人のの娘を見ることで癒されてきた。ファンクラブもこっそりと作った。

 

 

だからこそ、そんな癒しの存在である少女の横に、憎き人物を思い出させる少年がたっていることが、彼には許しがたかった。

 

彼の学生時代最後の年を思い出させてしまうのだ。

 

 

彼は杖を取り出すと、丁寧に、そして慎重に、新聞に向かって呪文を唱え始めた。

 

 

そして、出来上がったのは、見事に彼の最愛の人の娘だけが写っている、一枚の写真だった。彼はその写真を自ら作ったその少女のアルバムの中にいれた。

 

 

彼はアルバムを丁寧に保管すると、外出の準備をし始めた。

 

 

 

「のう、セブルス。」

 

「なんでしょうか、ダンブルドア。」

 

「どこに行くつもりかね?」

 

「エジプトですが。」

 

「何をしにいくつもりじゃ?」

 

「ハリエットの周りから、ポッターを追いはらってくるつもりです。」

 

「そうか…」

 

「えぇ、では、失礼します。」

 

「『『ステューピファイ!麻痺せよ!』』」

 

 

 

「おぉ、ミネルバ。奇遇じゃのう。貴女と一緒のタイミングで呪文をかけることになってしもうたとは。セブルスは大丈夫かの?」

 

「えぇ、まだセブルスは若いですから、きっと大丈夫でしょう。」

 

「そうじゃったの。ところで、ミネルバ。わしにこの前『百味ビーンズ』が百箱も届けられたのじゃが、要らぬかの?」

 

「アルバス、それはいつあったイタズラなのですか。ずいぶん昔に、そんなことを相談された記憶があるのですが。」

 

「されがじゃのう。『秘密の部屋』が開けられたと同じように、このイタズラも時を越えて引き継がれてしまったようなのじゃ。困ったものじゃ。」

 

「はぁ、アルバス。あなたがまた変な事を仕掛けたんじゃないのですか?」

 

「はて、ミネルバ。何かいったかの?最近耳が遠くなってのう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後ーーー

 

 

 

私は、何であの時『秘密の守人』をやつに、譲ってしまったんだ。

 

それに、もしあの時、ハグリッドにハリーとハリエットを引き渡さなければ、ハリエットは死ななくてすんだかもしれない。あんな、産まれて間もない子供が、バイクで空を飛んで無事でいられるなんて、普通に考えれば無理だと気づけたはずだ。

 

私はあの世でなんてジェームズとリリーに謝れば良いのだ…

 

 

私は、その事以外12年間、このアズカバンの最奥に囚われてから考えてこなかった。

 

 

だが、今はもう違う。

 

 

そのきっかけを作ったのは、私を裁判にかけもせずに、ここに送り込んだクラウチの後継者、今の魔法大臣、コーネリウス・ファッジだ。

 

 

数日前にここの視察に来た、やつからもらった数日前の『日刊預言者新聞』に、私はこの12年間思い詰めていた人物が一緒に二人揃って写真に掲載されていた。

 

あの、裏切り者と一緒に…

 

 

写真には、ハリーと、あの日に亡くなったはずのハリエットが、ウィーズリー家の面々と共に笑って写っていたのだ。

 

本来なら、後見人である私が面倒を見るはずだったハリーは、年齢からすれば痩せていたが、それでも幸せそうに笑っていた。

 

だが、私の視線は完全にハリーの隣にいる少女に釘付けになった。

 

何度、ハリーの隣に写っている少女のことを注意深く見てみても、彼女の容姿はハリエットと同じく、リリーにそっくりで、目だけはジェームズにそっくりなのだ。

 

何があったのかは分からないが、ハリエットは今もしっかりと生き延びているのだ。

二人の並んでいる姿は、あの最終学年の年のこの子達の両親にそっくりだ。

 

 

だが、二人の近くにはあの裏切り者が、死喰い人が無害なネズミに化けて、潜伏している。

 

もし、やつのご主人様が復活したとなれば、やつの保身のために、あの二人は間違いなく殺され、やつのご主人様に差し出されてしまうだろう。

 

 

やつは、必ずハリーやハリエットと共にホグワーツにやって来るはずだ。

 

 

ならば、私もホグワーツに行ってやる。

 

 

 

 

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