「アバダケダブラ!」
「エクスペリアームス!」
ハリエット・ポッターとヴォルデモート卿、この光と闇の陣営のトップ同士が、半壊状態のホグワーツの大広間で最後の戦いをしていた。双方とも既に傷だらけであり、共にあと一つの呪文しか使うことはできないだろう。
二人がその最後の呪文に選んだのは、互いが最も得意としている呪文だった。
二人が放った呪文は大広間の真ん中で激突した。それは周りで見守る人々がその呪文のぶつかった時の衝撃のあまりの強さに盾の呪文を使って自らの身を守らなければならないほどだった。
次の瞬間、周りで見ている人が見たのは反射した自ら放った呪文に撃たれて倒れていくヴォルデモート、真の持ち主へ向かって飛んでいくニワトコの杖、そして、力尽き崩れ落ちていくハリエットだった。
あぁ、やっと終わったんだね。でも、私ももう無理みたい。この力が抜けていく感覚、昔、秘密の部屋でバジリスクの牙が刺さったときに似てるもの。でも、パパやママのもとに帰れるって考えたら悪くないのかも。もう目が霞んで景色が見えなくなってきた。ジニーと結婚して幸せな家庭を作りたかったのになぁ。ごめんねジニー
闇の帝王に闇の帝王を唯一倒せる存在ということで、産まれる前から過酷な運命を背負っていた、ハリエットは使命を果たしきったかの様に、ゆっくりと目を閉じた。
ここはどこなのだろう。ふわふわのベッドみたいだ。この感覚グリフィンドール寮のあのベッドみたいだ。気持ちいい。
お腹がすいてきたかも。というか、私死んだはずなのにお腹がすくなんて有るんだね。
「おぎゃー(お腹すいたなぁー)」
はい!?私なんて声出してるの!?私のせいじゃないからね!
「あらあら、ハリエットお腹がすいたの?」
えっ!?ママ!?というか、ママでかすぎない!?ちょっ!?急に持ち上げないでよ!というか、どんだけママ怪力なの!?
「リリー、ハリーとお風呂に入ってきたよ。」
「ありがとう、ジェームズ」
あっ!パパだ!それよりパパ、ハリーって誰?
「ままっ!」
パパの後ろから赤ん坊が一人私たちに向かってとてとてと歩いてきた。パパににてる気がするけど、って誰この子!?
「ハリーお風呂気持ちよかった?ハリエットにお乳あげるからちょっと待っててね。」
「うん!」
ママちょっと待って!ママ今お乳って言った!?私今どうなってるの!?しかもこのハリーって子たぶん1才ぐらいよね、私まさかこの子の妹!?いや、確かにお兄ちゃんとか欲しかったけどさ…
「流石はお兄ちゃんね、ハリー。その間パパと遊んでおいてね」
はい、どうやら私ヴォルデモートと相討ちになった後、また、人生スタートするようです。死の秘宝って確か揃えたら、死を克服できるんだったっけ?今回はどうやらお兄ちゃんがいるようです。うん、寝よう!何かの夢を見てるに違いない。きっとそうだ。
赤ん坊の泣き叫んでいる声がする。どうしたんだろう。私が目を開けるとそこには、私が最も見たくない光景が広がっていた。
なんで…
ママ起きてよ…
早く名前を呼んでよ!
どうしてなの…
そこには、倒れ伏しているママに、天井がふっ飛んでいる室内、そして、私にもあったあの忌々しい稲妻形の傷が額に出来ているお兄ちゃんが泣き叫んでいる姿があった。この光景、スネイプ先生の記憶とほぼ一致している。恐らくヴォルデモートが襲撃に来たのだろう。そして、私はどうなってるのか分からないが、お兄ちゃんは分霊箱にされたのだろう。そして、これから10年近くまたあの家で辛く厳しい生活を過ごさなければならないのだろう。どうして、私達はこんな目に合わないといけないなのだろう…私も、お兄ちゃんと同じように泣き出してしまった。私達は、親を失った悲しみから体力が尽きるまで永遠となき続けた。
ここはどこだろう。どこか懐かしい感じがする。
「モリーにアーサー、こんな夜分にすまんがよろしいかの?そちたちに頼みがあるのじゃ。」
「どうぞお上がりください、アルバス。どうしたのですか?それよりアルバスが抱いているその子は一体?」
「そうじゃ、この子の事できたのじゃ。」
「ビル、チャーリーいつまでそこに隠れているんだい?こっちに来なさい。」
「分かったよ父さん」
「こんばんは、ダンブルドア先生。」
「貴方たちいくら今日でも夜更かしをしてはいけませんと、言ったはずですよ。」
「モリー二人を責めるでない、確かに魔法界のほとんどの人々にとって、今日はめでたい日だったのじゃからの。」
私はどうやら一人で隠れ穴に連れてこられているみたいだ。お兄ちゃんはどうしたのだろうか。
「それよりダンブルドア、その子は?」
「そうじゃ、この子の名はハリエット・ポッターじゃ。」
「「「「なっ!」」」」
「先ほど、マグルのこの子の叔母夫婦のもとにこの子と兄のハリーを預けようと思って行ったのじゃが、二人も預かることが出来ぬと言われてしもうたのじゃ。そこで、現時点で最も闇の魔法使いたちに狙われる危険性の高い兄の方を彼女らに預けることにしたのじゃ。この子らにとって最もあそこが安全が保たれるのだからの。」
お兄ちゃんあそこで一人で暮らす事になるのか…何とかして会いに行きたいな…
「アルバスそれはどういうことですか?マグルのもとが最も安全だというのは。」
「兄のハリーがヴォルデモートの呪いを受けて生き残ることが出来たのは、恐らくこの子らの母親のリリーが自らの命と引き換えにこの子らに最大の守りを遺したからなのじゃ。リリーの血が流れている者の所におる限りこの子らの安全は確保されるのじゃ。」
「なら、アルバスこの子の安全はどうなるのですか?」
「そこが一番の問題なのじゃ。この子自身がヴォルデモートに狙われたわけではないとはいえ、この子は「生き残った男の子」の妹なのじゃ。狙われる危険度は高くないとは決して言えんのじゃ。この子たちを見分ける事はそう難しいことではないのじゃ。この子は、傷を付けられていないとは言え、どうやってもこの赤毛は目立ってしまうのじゃ。」
私はどうやら分霊箱になってないようだ。良かった。
「そこで、そちたちに頼みたいのじゃ。この子をウィーズリー家の養女としてくれぬか?ウィーズリー家の子なら赤毛であってもなんら目立ちはせぬ。それに、今までの情勢が情勢じゃから大事な娘の存在を隠していたと言っても、そこまで不審がられる事もなかろう。もし、そなたたちがこの子を引き受けてくれるのなら、わしが魔法界にこの子は救助が遅れて助からなかったと言おう。そうすることでこの子の安全は一応守られるはずじゃ。この子はちょうどそちらの一番下のジニーという男の子と同い年で同じ誕生日じゃから、双子として育ててはくれぬか?」
私、ウィーズリー家の養女になるの?なれるの?なりたいよ!ジニーっていう男の子ってもしかして、ジニーのこと!?私達同じ誕生日になったの!?早く会いたいよ!
「アーサー良いわよね。」
「あぁ、もちろんだとも。ビルにチャリーもいいかい?」
「いいよ、父さん。」
「うん、ようやく初めての妹ができたね!」
どうやら、私はウィーズリー家の皆に受け入れられたようだ。良かった。そして、ありがとうございます。
「ハリエット、今日から私も貴女のママになるのよ。よろしくね」
「我が家初めての女の子だね、モリー」
「えぇ、とっても可愛いわねアーサー」
「僕たちにも見せてよ!」
「そうだよ、パパママ!」
「今日から、君はハリエット・ウィーズリーじゃよ。ハリエット幸運を」
それから、私にとって待望の時がやって来た。
「ハリエット、この子が貴女の双子の兄となるジニーよ。ジニー仲良くしてあげてね。」
(ハリエットなの?)
(うん。ジニー?どうして?)
(ハリエット、僕だよ。ハリエットがあの人と相討ちになったときに、君の体を抱き締めてたら急にハリエットの杖と指輪とマントが輝いたと思ったら、こんなことになってたんだ。)
(やっぱり私あの時死んだんだね…)
(今度こそちゃんと守ってあげるから)
(ありがとうジニー。でも、たぶんここでは私より私のお兄ちゃんの方が危ないと思うんだ。)
(お兄さんがいるの!?)
(うん。ヴォルデモートの狙いはどうやら私じゃなくて、お兄ちゃんの方みたい。)
(お兄さんは?)
(叔母さんのところに預けられたみたい…)
(そうなんだ。また、きっと会えるよ)
(ありがとう。ねぇ、ジニー今日一緒に寝させてくれない?)
(もちろん、いいよ)
(ありがとう、おやすみね)
(おやすみ、ハリエット)
「ねぇ、アーサーこの子たちなんだか惹かれあってる様に見えない?」
「そう見えなくもないみたいだ」
「この子たちが結婚したいって言ってきたらどうします?」
「モリー考えすぎだよ。きっと…」
「えぇ、そうよね。きっと…」