ハリエットさんの転生生活   作:しかぞく

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スネイプ先生が最後暴走します


ホグワーツ

全く、こんな夜遅くに呼び出すなど何なのだ。しかも明日から、新学期が始まるというこんな日に。

「レモンキャンディー」

私がそう言うとガーゴイルは道を開けた。相も変わらずこんなお菓子を合言葉にするなど、どういう神経なのか分からん。

「失礼します」

「おぉ、よう来た。入ってよいぞ、セブルス」

扉を開けると、そこにはこの部屋の主で、ペットの不死鳥のフォークスにエサをやっているダンブルドアがいた。

「ダンブルドア、こんな夜分にどうなされたのですか?」

「そう、急ぐでない。レモンキャンディーはいかがかね?」

「けっこうです。用がないのなら帰りますが。」

「話があるから呼んだのじゃよ」

「どんな話ですか?」

「明日から新学期じゃのう。」

「それは、新任の闇の魔術に対する防衛術の教師の事ですか?あれは私への当て付けですか、ダンブルドア。私も応募したのにも関わらず、あの能無しを雇うなど。それとも、あのポッターの事ですか?クィレルが居らぬ今年は、そこまであれの心配をすることは必要ないのでは?」

「及第点というところじゃの、セブルス。」

「では、教えてください」

「君を呼んだのは、闇の魔術に対する防衛術の教師の事ではない。ジェームズとリリーの子供の事じゃ。」

「あれがまた何かしたのですか?夏期休暇中にも関わらず校外で魔法を使うなど、傲慢で規則破りな所が父親とそっくりだ。」

「あの事はハリーがしたのではないと、わしは考えておるがの。じゃが、わしが今日そちを呼んだのは、ハリーの事ではないぞ。ジェームズとリリーのもう一人の子供、ハリエットの事じゃ。」

 

ダンブルドアの言葉に私は返事を返すことが出来なくなった。あの時、私が闇の帝王に予言を伝えなければ、リリーが殺されることも、リリーのまだ1才にもなっていなかった産まれたばかりの娘も死ぬことはなかったのだから。あの子が生きていれば今年入学してきたのだろう。

 

 

「今年、あの子も入学してくる」

 

 

「ダンブルドア今なんと?あの子は私のせいであの日に死んでしまったのですぞ!私が殺してしまったのですぞ!」

「そう、興奮するでない。確かに、ハリエット・ポッターはあの日に死んでしまった。」

「ならば!何故そのような事を言うのですか!あなたが、あなた自身が、あの子は助からなかったとおっしゃったはずですぞ!私がどんな気持ちで前年度あれを守ってきたと思っているのですか!」

「ジェームズとリリーの子は二人とも生きておる。セブルスこれを見るのじゃ。」

ダンブルドアはそう言うと、憂いの篩に自らの記憶を注ぎ込んだ。

 

 

最初は、あの日のダンブルドア、ミネルバ、ハグリッドと、リリーの姉のペチュニアとの会話だった。次は、ダンブルドアと、ウィーズリー夫妻、それにその長男と次男との会話だった。私はそれを見終わったとき信じられない気持ちになった。

 

 

「ダンブルドア、それでは…」

「そうじゃ。ジェームズとリリーの娘のハリエットは、ハリエット・ウィーズリーとして今も生きておる。」

私は、その言葉を聞くと力が抜けていくのを感じた。それにしても、ルシウスが言っていたあのウィーズリー家の天才の末っ子の双子の一人がリリーの娘だったとは。

「ダンブルドア、あの子は自らの本当の親を知っているのですか?」

「おぉ、知っておるぞ。ハリーにもあの子が自分の妹だということをこの前知らせたと、ウィーズリー夫妻から夏休みに連絡があったの。今は、仲良く夏休みを過ごしておるらしいぞ。」

「そうですか」

「そういうことじゃから、ハリーだけでなくこれからはハリエットの事も見守ってやってくれるかの?」

「わかりました、ダンブルドア。」

 

 

「そうじゃ、セブルス。ハリエットは彼氏、というより夫といった方が適切かも知れぬが、すでに相手がおるから無駄な事はするでないぞw」

「ダンブルドア、あなたは私をなんだと思っているのですか。」

「まぁ、明日あの子を見てもその言葉が言えるのか楽しみじゃのwww」

 

 

~隠れ穴~

真夜中、ウィーズリー家の丘の上にある小さな牧場の芝生の上で、二人の少年少女が上を向いて寝ころがっていた。

「ジニー、ここから見る星空もしばらく見れなくなるね」

「ハリエットは、本当に星空が好きだよね」

「うん。ペチュニアおばさんから夜に家から放り出された時にね、近くの公園でいつも星空を眺めてたの。あの頃の私にとって、キラキラ光る夜空は癒しでもあり、憧れだったから。いよいよ始まるんだね、ホグワーツでの生活が」

「そうだね。」

「ねぇ、ジニー?私、今度こそ必ず生き残って見せるから、もう誰も死なせないように頑張るから。だから、ジニーもう一度約束してくれない?全て終わったら私と結婚してくれるって。」

「僕はもう二度とハリエットを手放さないよ。必ず僕はハリエットと結婚するよ。ハリエットが嫌って言ってもね。」

「ありがとうジニー」

 

 

今私は、ホグワーツ特急のコンパートメントで、ジニーとハーマイオニーと一緒にホグワーツへ向かっている。ジニーは、私の膝の上で今はお昼寝中だ。昨日は夜遅くまで私と二人で、星空を眺めていたから眠いのだろう。普段はイケメンで格好いいのだが、たまにこうやって寝るときには寝顔がとっても可愛らしくなるのだからたまらない。ハーマイオニーは何故かブラックコーヒーをけっこうな頻度で飲みながら、教科書を読んでいる。私の記憶では、ハーマイオニーはこの時期にはそんなにコーヒーを飲まなかったはずなのだが何故なのだろうか…ハーマイオニーがコーヒーを飲みだしたのはたしか、私とジニーがつき合い始めた頃だから、六年生頃だったはずなのだが。私にも、ハリーお兄ちゃんがいて、私が「生き残った女の子」と言われてないのだから、これくらいの変化はあっても不思議じゃないのかもしれない。

 

 

それにしても今日は、朝から大変だった。皆、朝早く起きたはずなのにやることがたくさんあって、家を出るのが大幅におそくなってしまった。途中、フレッドやジョージが忘れ物をしたっと言ったときは、私と付き添い姿くらましをして取りに帰ったりした。渋滞にも巻き込まれ、キングスクロスの駅に着いたときには、もうホグワーツ特急の発車まで残り10分だった。私たちは、急いで9と4分の3番線に向かった。パーシー、フレッドとジョージ、私とジニー、パパとママ、最後にハリーお兄ちゃんとロンが4分の3番線に入ることになった。私とジニーは、柵を越えるとすぐにホグワーツ特急の近くの扉からトランクを入れて乗車できた。発車まで残り1分ぐらいだった。私とジニーは、空いているコンパートメントを見つけるとすぐに着替えをして汗を拭いたりした。私たちがだいぶ落ち着いた頃、あわただしくトランクを持ったままのハーマイオニーが入ってきた。

「あっ、いたわ。おはよう、ハリエット、ジニー」

「「おはよう、ハーマイオニー」」

「ねぇ、二人ともハリーとロンを知らない?」

「ハリーお兄ちゃん達がどうかしたの?」

「この列車の中を探してるんだけど、あの二人どうもこの列車に乗っていないようなのよ!」

私たちが乗ってから発車まで1分近くあったのに、ハリーお兄ちゃん達が乗っていないということは、恐らくドビーが邪魔をしたのだろう。はぁ、ドビーの存在をすっかり忘れていた。

「ハーマイオニー、多分ハリーお兄ちゃん達乗り遅れたんだと思うよ。私たち、けっこうギリギリに来たから。」

「なんですって!」

「フレッド、ジョージが忘れ物をしたり、渋滞に巻き込まれたりしたの。」

「はぁ…」

「ハーマイオニー、僕が言うのもなんだけど安心していいと思うよ。ロンとハリーが乗り遅れたとしても、父さんや母さんがなんとかしてくれるはずだからさ。」

「えぇ、きっとそうよね… 」

ジニーが、ハーマイオニーを宥めてくれた。

「ハーマイオニー、もう他のコンパートメントは開いてないんじゃないかしら?良かったらここに座らない?」

「ジニーはいいの?」

「いいよ。ハーマイオニーなら」

「ありがとう、ハリエット、ジニー。お邪魔するわね。」

そう言うわけで、私とジニーと、ハーマイオニーは同じコンパートメントで座っている。

 

あっ、そう言えばリドルの日記って、誰が持っているのだろうか。ジニーは、幸か不幸か私の杖選びが長引いたせいで、ルシウス・マルフォイと接触すらしてないから、ジニーが持っているということはないだろう。それに、ジニーが持っていればジニーは日記を判断出来るだろうし、何より同じ部屋の私が気づくだろう。

 

先ほどちらりと、外を見ると雲と雲の間から一瞬だけだが青い車が見えたのは気のせいだということにしておこう…

 

私も眠くなってきた。しばらく寝ることにしよう。

 

 

 

「ハリエット起きて!ハリエット!」

ううん…ジニーの声が聞こえてくる。

「ふぁ~ よく寝た。 どうしたの、ジニー?ってえ~!」

私が目を開けると、ちょっと焦ったようなジニーの顔が私のすぐ近くで見えて、辺りを見回すと、多くの新入生が私たちに目線を向けており、何人かは顔を真っ赤にしていた。さらには厳格そうな顔をしたマクゴナガル先生までもが私たちを見ていた。っというか、私ジニーにお姫様だっこされてるの!?

「ねぇ、ジニーこれってどういう状態なの!?」

「え~と、組分けの儀式の直前かな?」

「いやいや、それもそうなんだけど、なんで私お姫様だっこされてるの?」

「僕とハーマイオニーとで駅に到着してから何度も起こそうとしたんだけど、ハリエットがまったく起きなかったから、僕が運んできたんだよ。」

「…なんかゴメンね」

ゴホンっ!マクゴナガル先生が咳払いをた。これはまずい。私は、急いでジニーの腕の中から降りた。

 

「えー、ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、まずは皆さんが所属する寮を決めなければなりません。ホグワーツにいる間、寮生が学校でのあなた方の家族となります。また、ホグワーツでは皆さんが良い行いをすればその寮に得点が加えられ、逆に規則違反は寮から減点されます。」

なぜマクゴナガル先生、私を見ているのですか?

「一年の最後には、最も得点の高かった寮に栄誉ある寮杯が渡されます。それでは、準備が出来たようなので身なりを整えてから、私に着いてきてください。」

 

マクゴナガル先生について大広間に入っていくと、そこには私の大好きな光景があった。何千という蝋燭が空中に浮かび、四つの長テーブルを照らしていた。魔法の天井は、今日はきれいな夏の星空だった。私が星空を見ていると、組分け帽子が歌いだした。組分け帽子の歌をBGMに教職員のテーブルを見ると、ダンブルドア先生、フリットウィック先生、スプラウト先生、ハグリッドなどがいた。満面の笑みを浮かべている能無しも、もれなくそこにはいたが。あれ?スネイプ先生は?

「ねぇ、ジニー。スネイプ先生いる?」

私は隣にいたジニーに小声で聞いてみた。

「どうやら、いないみたいだね。」

なんか嫌な予感がする。グリフィンドールのテーブルに目を向けると、ハリーお兄ちゃんとロンの二人が見当たらなかった。これ、終わったやつだね。私の場合は、スネイプ先生怪我をしてないかしつこく聞いてきたけど、ハリーお兄ちゃんの場合、スネイプ先生は下手したら退学にしようとするかもしれない。どうか、ハリーお兄ちゃんが無事でありますように。

 

気が付くと、もう組分けは始まっていた。次々に寮が決まっていく。私の番が来たようだ。

「ウィーズリー、ハリエット!」

マクゴナガル先生が私の名前を読み上げた。私が、組分け帽子の所に行こうとした瞬間、その時を狙ったかのように、スネイプ先生が教職員のテーブルの近くのドアから出てきた。スネイプ先生の目が激しく動揺している。私は、スネイプ先生に軽くお辞儀をして帽子を被った。

 

「う~む。君は、ポッター家の子供かね?

「そんなこと分かるんですか?」

「この千年の月日で何人の子供を見てきたと思っておるのかね?」

「あっ、ごめんなさい」

「さてさて、これは難しい。スリザリンの目的のためならば手段を選ばない点、ハッフルパフの優しさ、レイブンクローの魔法への探求心、そして、グリフィンドールの勇気。君には、それぞれの寮が求める資質が備わっておる。どこにするのが最も良いのか。う~む。」

 

10分後

 

(帽子さん少しは話しかけてくれませんか?退屈です。)

「おお、これはすまんかった。ただ、君に関しては本当に難しい。っ!君にはスリザリンに高い資質が…」

「どうしました?」

いきなりどうしたんだろうか?

「うん?君は、ポッター家の子供かね?」

「えぇ、そうですけど?」

「そうかそうか」

間違いなく何か呪いをかけられたんじゃないだろうか?帽子の様子からすると錯乱呪文あたりかな?誰かがその呪いを解いてくれたみたいだけど。組分け帽子に錯乱呪文をかけれる人って相当限られるはず。誰だろう。ここは、ひとまずさっさと寮を決めてもらおう。

「帽子さん、私グリフィンドールに行きたいの。グリフィンドールでお願いしてもいい?」

「良かろう。」

「グリフィンドール!」

「スリザ…」

バーン! バタッ

私が、音がした方向に目を向けるとそこには… 大の字に倒れているスネイプ先生と、ニコニコと黒い笑顔で笑っているダンブルドア先生が見えた。

 

私は何も見なかった。うん。

 

私がグリフィンドールのテーブルにつくと、パーシー、フレッド、ジョージ、それとハーマイオニーに祝福された。ジニーも私の後にすぐにグリフィンドールのテーブルに来た。

「これからも一緒だね!ジニー」

「うん!そうだね、ハリエット!」

 

 

 

 

 

ー時は遡りー

教職員テーブルにて

 

「あの子がハリエットか。あれはまさしくリリーの娘だ!」

「それで、セブルス。ハリーはどうなったのじゃ?」

「あー、ハリエット、リリー」

「セブルス、落ち着くのじゃ」

「ハリエット、スリザリンに来るのだ!」

「セブルス、一回深呼吸するのじゃ」

「なぜ、こうも時間がかかるのだ!帽子よ、10分もたったのだぞ!」

「セブルス、一端頭を冷やすのじゃ」

「えぇい! コンファンド!錯乱せよ!」

「止めるのじゃ! フィニート・インカンターテム!呪文よ終われ!」

「帽子め!さっさっと、スリザリンと言うのだ! インペリオ!服従せよ!」

「正気に戻るのじゃ! プロテゴ!守れ!」

「…」

「ふぅ、落ち着いたかの?」

「グリフィンドール!」

「スリ「ステューピファイ!麻痺せよ!」ザ…」

「はぁ、しばらくそこで寝ておくのじゃ」

 

 

 

「ねぇ、ロン。スネイプ遅くない?」

「ハリー、僕らこのままここで夜を過ごすことになるのかな?」

 

 

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