ミセス・ノリスが襲われて以来、ホグワーツ中でミセス・ノリスのことや、秘密の部屋、それにスリザリンの継承者が誰かという話題で持ちきりだった。最初の頃は、やっぱりというか、ハリーお兄ちゃんがスリザリンの継承者じゃないかと言われていたが、ハリーお兄ちゃんは私と仲が良いから、という理由で継承者候補から外された。私はと言うと、多くの人から、特にマグル出身の人からよく声をかけられるようになった。どうやら、スリザリンチームとの『穢れた血と隕石騒動』のお陰か、今世では私は継承者どころか真逆の扱いを受けている。うれしいちゃ、うれしいけど、ジニーと二人でいれる時間が減ってしまっている…
フィルチはというと、ミセス・ノリスが襲われた場所を行ったり来たりして犯行現場の見張りや、壁に書かれた文字を消そうと、「ミセス・ゴシゴシの魔法万能汚れ落とし」で消そうと試みていたが効果は無かったようだった。そして、通りかかった生徒に難癖をつけて、罰則に持ち込もうとしていた。
私的には壁の文字はそこまで気にならなかったけど、やっぱりジニーにはトラウマだったようで文字を見るたびに青ざめていたから、私がフィルチに魔法を使う許可をもらって文字を消した。ちなみに、どうやって文字を消したかというと、一度文字が書かれた壁ごと消失させた後、再び壁だけを出現させてみた。フィルチには少しだけ感謝された。
ただ少し心配なのは、ロンが未だに体調が本調子でないらしく、しょっちゅう部屋にもどってベッドで休んでいる。
ハーマイオニーも心配する必要があるかもしれない。図書室通いが以前よりも激しくなって、もはやご飯と睡眠と授業以外の時は図書室にいるようになった。まぁ、ハーマイオニーだからね…
「『ホグワーツの歴史』が全部貸し出されてるの」
ハーマイオニーが書棚と書棚の間から現れた。けっこうご機嫌斜めなようだ。
今、私とジニー、ハリーお兄ちゃんは、ハーマイオニーの図書室通いに付き合って、図書室で宿題をしている。私とジニーに関しては、余裕で終わらせてもうほとんどの宿題を終わらせている。時々、ハリーお兄ちゃんは私に質問をしてくる。特に、魔法薬学について。魔法薬学に関しては、夏休みの頃からハリーお兄ちゃんの宿題の手伝いを私はしている。どうやら、ハリーお兄ちゃんはリリーママの魔法薬学の才能を受け継がなかったようだ。
「しかも、あと二週間は予約で一杯。私の家においてこなけりゃよかった。」
ハーマイオニーが私の左隣に座った。私の右隣にはジニーが、正面にはハリーお兄ちゃんが座っている。
「どうしてそんなにその本がほしいの?」
ハリーお兄ちゃんが聞いた。
「みんなが借りたがっている理由と同じよ。『秘密の部屋』の伝説を調べたいの」
ハーマイオニー、『ホグワーツの歴史』よりも、私とジニーがたぶん、今現在あの部屋について一番知っていると思うよ。まぁ、聞かれても答えれないけどね。その代わりハーマイオニーが探している本を貸してあげるよ。
「ハーマイオニー、私その本を持ってきてるよ」
「ハリエット、本当に!?」
「うん。ほら!」
「ありがとう、ハリエット」
ハーマイオニーが目を輝かせながら本を私から受け取ってから、私に抱きつき、私の頭を撫でてきた。ハーマイオニーは前世でも、今世でも、どうも私のことを妹かなにかかと思っている節が時々見受けられる。私も、前世では私にとって初めての甘えられる存在だったから、ハーマイオニーにはとことん甘えさせてもらった。ハーマイオニーは私にとって、一番の親友であると同時にお姉ちゃんのような大切な存在なのだ。
それからすぐにベルが鳴り、私たちはそれぞれ次の授業に向かった。
授業が終わってから、私とジニーは久しぶりに二人きりでホグワーツの湖のほとりで手を繋いで、一緒に寝そべってくつろいでいた。やっぱり、ジニーと二人でいる時が一番幸せだ。
「ジニー!ハリエット!」
私たちの後ろに顔を膨らませたパーシーがいた。
「君たちに僕は何度諦めるように言えばいいんだ!君たちは双子なんだ!それが何を意味するのか、それを理解するんだ!」
パーシーは、未だに私とジニーが本当に双子だと思っている。だから、今まで何度も私たちに結婚をしてはいけないと、注意してきている。
「パーシー、私たちちゃんと理解してるよ?」
「だったらすぐに手を離すんだ!他の人達が君たち二人がいちゃついているのを見て何と言っていると思うんだ!」
「兄さん、他の人がなんて言おうと、どんなことがあろうと、僕はハリエットと結婚するんだからね。」
「ジニー!」
パーシーとジニーは普段は仲が悪いということはないのだが、私のこととなるといつもケンカをしてしまう。
「兄さんは僕たちの心配をしてるわけじゃない!兄さんが気にしてるのは、兄さん自身の首席になるチャンスを、僕たちが潰してしまうんじゃないかっていうことなんだ!」
こうなったら、終わらないんだよね…
「パーシー、私たちまだ結婚してるわけでもないし、いいでしょ?」
「ハリエット!『まだ』とはどういうことなんだ!『まだ』とは!」
「パーシーが見逃してくれないなら、ペネロ…」
「ハリエット、悪かったから、本当に悪かったから、それだけは!」
パーシーは自分の恋人の事になるといつも必死になる。
「じゃあ、私たちのことも見逃してね!」
「いや…でも…それは…」
「パーシー、いいよね?」
とどめに上目遣いをしながらパーシーに聞いてみる。
「う、うん…」
今日も私たちの勝ちだね!これで私たちの499戦中499勝だね!後1勝で五百勝だね!フレッド、ジョージにも伝えよっと!
「ねぇ、ハリエット、ジニー少しいいかしら?」
次の日は、グリフィンドール対スリザリンのクィディッチの試合が行われるという日の夜、私とジニーは談話室で宿題をしているときに、ハーマイオニー、ハリーお兄ちゃん、ロンに呼び掛けられた。
「どうしたの?」
「ちょっと着いてきてくれない?」
ハーマイオニーはそう言うと、私たちをマートルの部屋に連れてきた。あれは、もう二度と私嫌だよ…ハリーお兄ちゃんとロンを見ると、二人とも顔が青ざめていた。
「ロンから聞いたのだけど、あなた達二人って魔法薬の通販をやってるのよね?ポリジュース薬って作れるかしら?」
やっぱりそうなんだ。猫耳ハーマイオニーはまた見てみたいけど、あの味はもう勘弁だ。
「前に、注文があったから作ったことがあるけど?」
そう答えるとハーマイオニーの目が輝いていた。
「ポリジュース薬の3人分の在庫ってあったりする?」
「たぶんまだ残ってたはずだけど、何に使うの?」
私がそう聞くと、ハーマイオニーはマルフォイを尋問するために、ポリジュース薬を使ってスリザリンの談話室に忍び込みたい、ということを説明してくれた。
「ハーマイオニー、そんなことをしなくても、尋問したいなら他の方法があるよ?」
「本当に?」
「うん。私が知ってる方法は、『真実薬』っていう魔法薬を使ってマルフォイに知っていることを吐かせるか、『服従の呪文』っていう禁じられた呪文を使って無理やり服従させて吐かせるか、『開心術』っていう相手の心を覗く魔法を使うかの3通りだよ。」
「ハリエットはどれが一番いいと思うの?」
「うーん」
私が色々考えていると、顔を真っ青にしたハリーお兄ちゃんが見えた。
「ハリーお兄ちゃん大丈夫?」
「ねぇ、ハリエット、さっき相手の心を覗く魔法があるって言った?」
「うん。『開心術』っていう魔法があるよ。あまり世の中に知られてない魔法なんだけどね。」
ハリーお兄ちゃんにロンまでもが絶望的な顔になっていた。
「ねぇ、ハリエット。それって防ぐことはできないの?」
「もちろん、それに対抗することも出来るけど相当難しいよ?どうしたの?」
「たぶん、スネイプは『開心術』が出来るんだ。今まで何度かスネイプは相手の人の心を知っているような気がしてたけど、きっとその魔法を使っていたんだ!」
スネイプ先生、ハリーお兄ちゃんに「開心術」を普段から使っていたんですね。よく考えるとハリーお兄ちゃんには、私が「閉心術」を今から教えておいた方が良いのかもしれない。ハリーお兄ちゃんがあと四年以内に習得できたら、シリウスが死んでしまう確率も低くなるかもしれないしね。
「ねぇ、ハリエット。その魔法に対する対抗方法を教えてくれない?」
私が、ハリーお兄ちゃんに「閉心術」をどうやって教えるか考えていると、ハリーお兄ちゃんの方から提案があった。まぁ、憎みあってる相手に心を覗かれるのは嫌だよね。ロンも珍しくやる気をだしている。ハーマイオニーはいつも通りやる気満々だが。
「『開心術』の基本は、相手の目を見ることなんだよ。だから、なにか知られたくないこととかがあったりしたら、相手の人と目を合わせないようにするのが一番いいと思うよ。」
まずはこのくらいでいいだろう。ハリーお兄ちゃんが習得しなければならない時までは、まだまだ時間があるのだから。
私が「閉心術」の基本を教えると、ハリーお兄ちゃん、ハーマイオニー、ロンの三人からとても感謝された。
それからの話し合いでマルフォイには、「真実薬」を盛ることになった。マルフォイや、スリザリンチームは、あの『穢れた血と隕石騒動』以来、私から徹底的に隠れて行動しているようなので、「開心術」に必要な「相手の目を見る」ということがマルフォイ相手に、私は出来ないだろうってなったからだ。
今私は、激しい雨が降りつけるなか、ジニー、ハーマイオニー、ロンと共にクィディッチ競技場のスタンドで、一つのブラッジャーから執拗に狙われているハリーお兄ちゃんを見ている。私が心配してるのは、あのブラッジャーの威力が明らかにおかしいことだ。タイムアウトの前に、フレッド、ジョージの二人の棍棒を粉々に砕いてしまっている。
先ほどウッドがタイムをとるまでは、フレッド、ジョージの二人がハリーお兄ちゃんを守っていたが、今はもう二人はハリーお兄ちゃんの周りにいない。ハリーお兄ちゃん自身がフレッド、ジョージの二人をもう一つの、グリフィンドールのチェイサー3人娘の邪魔をしている、ブラッジャーに充てることを望んだのだ。
「ジニー、ハリエット、あのブラッジャーをどうにかできないのか?」
「あのままじゃハリーが怪我をしてしまうわ!」
ロンとハーマイオニーが、二人ともハリーお兄ちゃとブラッジャーの動きを見ながら、私とジニーに聞いてきた。
「試合が終わるまでは手が出せないの。もし、ブラッジャーを今、私たちが壊してしまったらこの試合はきっと没収試合になってしまうの。そんなことになったら、ウッドはもちろんハリーお兄ちゃんも納得しないはずだよ…」
というか、そんなことをすれば間違いなくウッドに殺される… 私、まだ死にたくないです。
「あっ!」「ハリー!」
マルフォイと接近したあと、一瞬だけ空中で止まってしまったハリーお兄ちゃんの腕を、ブラッジャーがついに捉えてしまった。ロンや、ハーマイオニー、そしてグリフィンドールの応援席中から悲鳴などが聞こえた。腕がありえない方向に曲がっているから、骨折してしまったのだろう。
私はポケットから杖を取り出した。
次の瞬間ハリーお兄ちゃんは、マルフォイに向かって突っ込んでいった。
ハリーside
試合開始からずっと一つのブラッジャーに狙われている。なるべく多くの選手を振り落とすのがブラッジャーの役目なのはずなのに…狂ったブラッジャーは威力もおかしいようで、ブラッジャーをかわすたびに物凄い風圧に襲われている。タイムアウトをとってからは、ジェットコースターのような動きで不規則に動きながら、ブラッジャーをかわしつつ、スニッチを探していた。その際に、雨が鼻や口のなかに入ってくるのは、もはやしかたないと割りきっている。
「バレエの練習かい?ポッター」
マルフォイが笑いをながら僕に話しかけてきた。自分が馬鹿げた動きをしているのは分かっている。追ってきたブラッジャーをかわし、マルフォイを睨むように振り返ると、そこに金色のスニッチが輝いていたるのが見えた。マルフォイの頭の上に漂っている。
スニッチを見ていると、ついにブラッジャーに隙を与えてしまった。
バシッ!
一瞬だった。腕が折れた、というより砕けたのを感じた。あまりの痛みに気が飛びそうになった。顔を狙った二撃目のブラッジャーをなんとかかわすと、メガネが吹っ飛んだ。残り全ての力を振り絞って、スニッチがいた方へと突っ込んた。
「ひっ!隕石だ!逃げるフォイ!」
マルフォイは怯えたように飛び去っていった。マルフォイはスニッチに気づかなかったようだ。折れてない方の腕を伸ばし、激しく空を掻いた。冷たいスニッチを指が掴むのを感じた。なんとか気力だけでスニッチを取れたようだ。そのまま水溜まりだらけの地面に突っ込むと、周りからどよめきや、歓声が聞こえてきた。そして、そのまま意識を手放した。
気がつくと、まだピッチに横たわったままだった。ぼんやりとした視界のなかで、輝くような白い歯を持っている誰かが上から覗きこんでいるのが分かった。カシャカシャという音も聞こえてくる。
「さぁ、ハリー、心配するな。私が治してやろう」
ロックハートがこんなことを言ってきたが、ピクシー妖精すらも相手が出来ないような人に、見せたくもない。ロックハートにやらせるよりも、ハリエットにやってもらった方が安心できる。
僕が、ハリエットを探すと少し離れた所でジニーとフレッド、ジョージ、の四人がかりで、狂ったブラッジャーの相手をしていた。近くでウッドが頭から血を流し気を失っていた。どうやら、あの狂ったブラッジャーの方には魔法が掛けられてるらしく、ハリエットや、ジニーの魔法をことごとく弾き返していた。
「おい、ジニー!なんとかできないのか!」
「このままじゃ、俺たちまでやられちまうぞ!」
フレッド、ジョージが叫び声をあげていた。
「そんなこと言ったって、呪文が弾き返されてしまうんだ!」
ジニーも負けじと呪文を放ちながら叫んでいた。
その時、ハリエットが叫んだ。
「アクシオ!ロックハート!」
次の瞬間、ロックハートがハリエットの方へと、引き寄せられていった。
「ロックハート先生。今まで様々な素晴らしいことをされてこられた先生なら、あのブラッジャーを一人で止められますよね?」
ハリエットが上目遣いをしながら、引き寄せたロックハートに聞いていた。
「あぁ、もちろん。さぁさぁ、そこの君たち私に任せなさい。」
ロックハートは嬉々として、ブラッジャーと格闘しているジニー達の中に飛び込んでいった。ジニー達はロックハートに物凄い目線を送っていたが、フレッド、ジョージの二人はすぐに気を失ったままのウッドを運び始め、ジニーはハリエットと共に、ロックハートとブラッジャーの周りに結界を張ってから僕の所へやって来た。
「ハリーお兄ちゃん、大丈夫?」
「腕以外はね。それより、ロックハートをあのままにして良かったの?」
「ロックハートが本当に教科書に書かれてあるようなことをしてるんなら、あれくらい大丈夫だと思わない?」
「ねぇ、ハリエット。ハリエットは絶対にロックハートが抑えられるなんて思ってないよね?」
「うん!もちろん!」
「それ笑顔で言うことじゃないからね。それより、どうしてロックハートに任せたの?」
「とりあえずハリーお兄ちゃんの手当てをしたかったからだよ。ロックハートにやらせたら、骨を消し去ったりしそうだしね。」
「あぁ、うん。有り得そうだね…」
ロックハートの方を見ると、すでにロックハートの自慢の真っ白な歯が欠けていた。天国の父さん、母さん。僕はお兄ちゃん想いの妹がいてとても幸せです。
「はい!」
ハリエットが杖を振ると、白い包帯が腕に巻かれた。
「ありがとう」
「ハーマイオニー、ロン。ハリーお兄ちゃんを医務室に連れていってくれない?そこでなら、マダム・ポンフリーがしっかりと治療してくれるはずだから。」
「えぇ、良いわよ」
「ハリエットとジニーはどうするんだい?」
「一度試してみたかった爆発呪文の実験かな?」
「僕は、ハリエットの呪文の威力に耐えられるように結界を作り直すよ。」
僕たち三人を含め、周りにいた人はジニーの言葉を聞いて震え上がってしまった。みんなあの隕石騒動のことを見るなり、聞くなりしているのだ。そのハリエットが作った爆発呪文など恐ろしすぎる。
「ハリエット、ほどほどにね…」
「もちろん!ちゃんとジニーの結界を破ってしまわないように調整するからね!」
天国の父さん、母さん。ハリエットとジニーの子どもが産まれたときには、名付け親として、叔父として、常識というものを教えていく必要があるのかもしれないです。
それから、僕がロンやハーマイオニーに付き添ってもらいながら、医務室に行く途中に、クィディッチ競技場の方で物凄い閃光があがったのは気にしないでおこう。
また、ロックハートの歯に関してはマダム・ポンフリーは治せないと言い張ったらしく、その日からロックハートの前歯は銀色の歯となっていた。
データが消えてしまって投稿が遅れてしまいました。ごめんなさい。
pixivとハーメルンでアンケートをとっているんですが、ハーマイオニーとルーナが二人でいい感じに競いあっていて未だにハリーのカップリングが決められないですね。二人とも好きだからよけいに困ります。ハーマイオニーは序盤ではヒロイン感満載ですし、ルーナはプリンスの特に映画版がすごいんですよね。