ちなみに、戦闘は次回からです。
フードを目深にかぶり壁にもたれるように佇んでいる雁夜は時を待ちながら、バーサーカーとのやり取りをふと思い出していた。
バーサーカーに聖杯になにを望む?と、問いかけてみれば答えは
「嫉妬の魔女、サテラを再び世に顕現刺せることデス!」
なのだそうだ、嫉妬だ魔女だの不穏な言葉があるうえに、あの狂人が復活させようとしている時点で、復活したら碌なことにはならないだろう。だが、そんな事はどうでもいいのだ、奴には屈辱を味わってもらわなければならない
「時臣ぃぃ・・・」
奴に屈辱を味あわせるには聖杯戦争から脱落させるのが一番なのだが、懸念材料が幾つかある。その中でも最も大きいのはバーサーカーのことだ、最初は話が通じそうだと思っていたのだが、バーサーカーとして顕現している時点で話などが通じるわけがなかったのだ。
バーサーカーに作戦を伝えた時、開口一番に言われた言葉は
「あなた怠惰デスね」
だったのだ、ちなみに作戦の内容はいたってシンプルなもので、ある程度サーヴァントが脱落するまで待ち、数が減ったところを狙うという作戦だったのだが、
「減るのを待つよりも減らしに行った方が早いデスよね?より早い方法があるというのにぃぃい!遅い方を選ぶなんて!あぁ、怠惰だ!怠惰!怠惰怠惰怠惰怠惰ぁ!勤勉でなければならないのデス!愛に報いねばならないのデス!
怠惰であることは許されない!与えられた愛に、愛することで返さなければ!」
作戦なんて無いことになってしまうが命令には従ってくれないし、令呪を使うなど以ての外である。これがいい方向に転がってくれれば良いのだが。
港の倉庫街の一角で二騎のサーヴァントによる戦いが最終局面に入ろうとしていた
「フィオナ騎士団随一の戦士、輝く顔のディルムッド、まさか手合わせの栄に預かるとは思いませんでした。」
「それがこの聖杯戦争の妙であろうな。だがな、誉れ高いのは俺のほうだ時空を超えて英雄の座にまで招かれた者ならばその黄金の宝剣を見違えはせん。
かの名高き騎士王と鍔迫り合って、一矢報いるまでに至ったとはフフ・・・どうやらこの俺も捨てたものではないらしい。さて、互いの名前も知れたところでようやく騎士として尋常なる勝負を挑める訳だが、それとも片腕を奪われた後では不満かな?セイバー」
セイバーの周りを風が渦巻き再び鎧を魔力で構築し、セイバーは剣を構え直す
「戯言を、この程度の手傷に気兼ねされたのではむしろ屈辱だ」
ランサーも両手に持つ2槍の槍を構え直し
「覚悟しろセイバー次こそは取る!」
「それは私に取られなかった時の話だぞランサー」
ランサーとセイバーが攻撃に打って出ようとしたその時、二騎の間に黒い法衣に身を包んだ男が入り込んだ、黒い法衣の男が二騎の間にいることで戦いは中断される形になってしまい、それは尋常な勝負を望むランサーとセイバーにとっては耐え難い侮辱だった、
「何者だ!」
とランサーが黒い法衣の男に問うと黒い法衣の男は
「あぁ、そうデスか。これはこれは、失礼をしておりました。ワタシとしたことが、またご挨拶をしていないではないデスか」
と黒い法衣の男がしゃべり始めた時周りに複数の雷が落ち始め何処からともなく、「ララララララララララァイ」と聞こえたが、黒い法衣の男は気にした様子もなくしゃべり続け、自己紹介を始めようとしていた、だが自己紹介は中断されることになる何故なら
「ワタシは魔女教、大罪司教――」
「『怠惰』担当、ペテェッ・・・」
ライダーに轢かれてしまったからだ。
「今なにかに当たらなかったか?」
「何を――考えてやがりますかこの馬っ鹿はあああ!!」