初投稿です。駄文&今回はデュエルシーン無しですが、見てる方がいましたら、暖かく見てやってください。
よく晴れた休日の昼間だった。少し、考え事をしていた。『遊戯王』の最新パックが発売され、早速デッキを考えようと、収録カードと相性が良いカードやコンボを記憶から引きずり出しては戻し、引きずり出しを繰り返していた。要約すると、周りをよく見ず歩いていた。一瞬だった。痛みもなく、ただ"メキッ"と何かが折れる音がして、気付いた時にはアスファルトに叩きつけられていた。過ぎ去っていくトラックを見ながら、俺は、ゆっくりと目を閉じた。
……いくらか時間が流れただろうか、気がつくと病院のベッドの上だった。不思議なくらいに真っ白な物、空間。唯一白くないものといえば……机の上に置かれた"デッキケース"か。
……ん、デッキケース?
「あら、佐潟(さがら)さん! 良かった、あなた2日も眠っていたのよ」
ふ、2日も!? いやまて、あの時確かに俺は死んだ。……ような、そうでもなかったような。考えると急に頭が傷み始めた。思わず自分の頭を押さえる
「頭? 頭が痛むんですか!?」
看護師さんが聞いてきたが、考えるのをやめた途端痛みが引いた。痛みもなくなったので、一応「目眩がしただけ」と伝えておいた。
しばらくして病院の先生らしき中年半ばで、頭をバーコードにしている男性が俺の元に来た。先生の話によるとこうだ
・俺の肉親を名乗る人物は今のところ見つかっていない
・俺は病院の前で"いつの間にか"倒れていた所を保護された
・一応"デッキ登録"及び住人表は確認できた。姉一人父親一人の三人家族
らしい。デッキ登録の部分は多分聞き間違えなのだろうが、家族構成が違うことが気になる。どうなっているんだ……? 病院名も「童実野大学付属病院」と、聞いたことが無い名前だった。自分の中で非現実的な考えが頭をよぎる。
ここは、俺は、もしかすると……"異世界に転生したのではないだろうか?"
財布は持っていたので、入院費を支払い、退院した。といっても本当に知らない場所だった。地図を見ても知ってる地名が全くない。道行く人も特に変わりないように見えるが、の中には腕に円盤状の機械を着けて歩く変人がちらほら。どこかで見た気はするが、まぁ多分この世界だと普通なのだろう。もう気にせず探索を始めた。
格好は真っ白の無地のシャツにジーパン、腰にはデッキケースを下げ、他には財布だけをポケットに入れた、まぁ普通の格好だ。
しばらく歩いていると、細い路地に入ったところで緑髪に変わったメガネをかけた"チビ"と赤いフードを被ったこれまた"チビ"に後ろから話しかけられた。
「そこのお兄さん。見たところデュエリストみたいだけど、デュエルディスクは持ってないのかい?」
「可哀想に、大方レアカードハンターにでも奪われたんやろ。せや、兄ちゃん。いい話があるんやけどな……」
「そうそう、僕達がそんな可哀想なお兄さんにデュエルディスクをタダであげちゃおうって話。」
胡散臭い。そもそもデュエリスト? デュエルディスクとやらはさっき見たあの円盤状の機械のことだろうが、デュエリストとは何だ。そんな職業があるのか……
……興味がある
「よし、その話乗ったァッ!!!!!!!!」
チビ二人がギョッとするが、すぐに口元を緩ませ、企み顔でメガネチビが
「か、簡単さ。さ、早速このデュエルディスクを腕に付けて」
メガネチビがどこから取り出したのか、自分が着けている物とは別の、少し尖った形のデュエルディスクを俺に手渡す。だが、着け方が分からない。
「なんや、兄ちゃんもしかして着け方分からんのか。今までどうしてたんや?」
言いながらボウシチビが俺の左腕に取り着けてくれる。案外良いやつなのかもしれない。
「っと。よし、これでどないや」
「悪くない。所々鋭利だが、それが何とも……カッコイイ。」
メガネチビが笑いながら
「そりゃそうさ。そいつは最高のデュエルディスクだからね……ひょっひょっひょっ!」
「そんじゃ、ワイらはこれで失礼するで。また奪われんように気ぃつけぇやっ!」
……行ってしまった。よく見てみるとデュエルディスクには既にデッキの束が装着されていた。中身は……昆虫?
こうして、俺の不思議なデュエリスト人生が始まったのだった。
続く