遊戯王GNeX   作:杏任頭腐

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……はい、気がついたらこんなに日が経っていました。ルリルリ描くのに夢中になってて、過ぎ去っていく日々に気づかなかった!!

いい加減ジルのデュエルも書きたいのですが、多分オリカ・オリテーマになります。タグに入れときゃよかった。それでは、拙いですが、本編どうぞ


第三話 炸裂!ミレニアム・スコーピオン

 俺がこの"異世界"に来て一月が経とうとしている。俺の名は佐潟輝栄(さがらこうえい)、ひょんなことからこの世界に転生(?)してきた。ディスクは拾った、デッキは何故か着いてきた。まぁ自分語りはこのくらいにしておこう。

 

 ここアークティック高の生徒は主に一般生徒の大半を占めるブルー、そしてその殆どがエスカレータ方式のエリート層のブラックの2種類の生徒で構成される。日本のアカデミアでは赤青黄の三色らしい。随分カラフルだなと思う。勿論俺はブルーからスタートだ。

 

「Wow! ブルー! 佐潟と私おんなじデース!」

「はは……まぁこの学校は殆どの人が青なんだけどな」

俺がそう言うとハッとした顔になり、周りをキョロキョロと見渡した後、ひどく落ち込んで頭を落としながら猫背の形になる。今落ち込んだ少女の名前はジル・アレクティア。俺と同期で入った生徒だ。試験の後や合格が分かった時真っ先に俺に話しかけてくれる良い奴で、今日は初登校日なのだが、校門を潜ってすぐこれだ。

 

「よく見たらそうでした……おかしいデース、アカデミアはブルー、イエロー、レッドの順でブルーが一番だって聞いてたのに!」

ジル、それは違う。それは日本のアカデミアの話しであって、ここは関係ない。とは口に出して言わないでおく。

 

授業の内容は意外。普通の学校と大して変わらない内容だった。ただ一つ違う点を上げるとすれば、科目に「デュエル座学」なり「デュエル実技」なりがあるってことくらいか。

 

――

 

「んー……やっと終わったデス。」

「やってること他の学校と変わんねぇもんな。今日は座学だけでだったし」

「オカシイと思うんデスよ! なんでデュエルモンスターズを学ぶ学校なのに、殆どの授業が普通カモクなんデス!?……ねェ、聞いてるんデスか!!」

透き通った青い瞳が、真っ直ぐこちらを見つめてくる。明らかにイライラした様子なのだが、不覚にも綺麗だな、と思ってしまった。

 

……結局、寮の前で別れるまで彼女の愚痴を聞きながら歩くハメになった。何だかんだ、彼女の愚痴を聞くのも楽しかったりはするが。

 

ジルと別れ、男子寮への帰り道。暫く歩いていると、路地裏の暗がりから突然、大柄な男が二人現れ、右手と左手をそれぞれ掴み、拘束した。

少し遅れて、やや後ろの物陰から余裕を持った表情で華奢な男が現れた。暗がりでよく見えないが、制服は……ブラック。身長は170cm前半だろうか、他の二人が180cm程かつ大柄なので相対的に小さく見えるが。顔はどちらかと言えば整っている。わざと跳ねさせているのか、反り上がった前髪を左手の人差し指でくるくるいじっている。典型的な金持ちのお坊っちゃんタイプだ。

 

「何のようだ?」

「ククク……手荒な真似をしてすまない、佐潟輝栄くん。ボクは月城(つきしろ)。この学校一のエリートで、学校一の決闘者でもある。」

エリート云々は制服的にともかく、とても学校一の決闘者には見えない。大男達がカバンをひったくり、中から学校支給のデュエルディスクを見つけると、半ば無理矢理腕に装着させた。

 

「ルールは簡単だ、今から君にはこのボクとデュエルをしてもらう。君が勝ったら潔く負けを認め解放しよう。ただし負けたら……クククッ、彼女は無事じゃすまないよ?」

暗がりから別の大男が現れ、肩に担いでいた気絶している"それ"を乱暴に地面に降ろした。

 

流れるような長い髪、夜見てもハッキリ分かる透き通るような金髪……間違いなくそれは、さっき女子寮の近くで別れたはずのジルだった。口はガムテープで塞がれ、後ろ手に縄で縛られている。

 

「外道が……!」

「良いねぇ、ボク、そういう表情大好きなんだよ。

……叩き潰し甲斐があるってもんさ。」

 

両者がディスクを構え、一方は明確な殺意を、もう一方は余裕たっぷりに相手を睨む。

デュエルは静かに始まった。

 

佐潟 LP4000 先攻

月城 LP4000 後攻

 

「俺のターン! 俺はモンスターをセット、さらにカードを1枚伏せる。これでターン終了だ」

 

場:セットモンスター

伏:1枚

LP4000 手札3

 

「やけに大人しいね、もしかして誘っているつもりかい? 生憎だがそんな安い誘いは通用しないよ。ボクのターン、ドロー! 

まずはこれだな、『抹殺の使徒』!」

 

抹殺の使徒

魔法カード

①:相手の裏になっている僕1体をゲームから取り除く。リバースモンスターなら追加でデッキからも除外する。

 

セットされていたバッタ型のモンスターは、出番を待つ間も無く、ゲームから除外された。

 

「……」

「やはり『代打バッター』か。

さらに『魔動戦士ブレイカー』を召喚! 『ブレイカー』は召喚に成功した時、魔力カウンターを1つ得る。また、得た魔力カウンターを消費することにより、相手のセットカードを破壊することができるのさ!! 『ブレイカー』よ、奴のセットカードを破壊しろ!」

 

『ヒーロー見参』破壊

 

「くっ……」

「クククッ、君のプレイなんか見え見えなんだよ。『二重召喚』発動。このターン、僕はもう一度だけ追加で召喚が可能となる。『ブレイカー』を生贄に、伝説の黒魔術師を召喚する!! 来い、『闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)』ッ!!」

 

攻撃力1700→2300

 

「闇紅の魔導師は得た魔力カウンターの数だけ攻撃力を上昇させる。魔法カード『魔力掌握』! 場の『闇紅』に魔力カウンターを2つ与え、二枚目の『魔力掌握』を手札に加える」

 

攻撃力2300→2900

 

「仕上げに『ワンショット・ワンド』。攻撃力は800+得た魔力カウンターにより……4100となる。」

 

攻撃力2900→4100

 

「ふん……やはり、お前の勝ちはまぐれだったようだな。バトル、『闇紅の魔導師』でダイレクトアタック。闇・紅・衝・撃・波・導!!」

 

周りの大男達が笑い始める。奴め、終わったな。だとか、決まったぞ、月城さんの魔力ワンショットコンボが。だとか、やはり教授とのデュエルはまぐれだったか。とか。

あまりに超過した魔力により放たれた漆黒の真空波が、突然出現した大盾により防がれた瞬間、その笑い声も止まったが。

 

攻撃を防がれた闇紅の魔導師は何が起こったのかまだ理解してない様子で、地面から飛び出した鎖に反応もできず、そのソリッドビジョンが一瞬で裏向きのカード表示に切り替えられた

 

「な、何が起きた!? そのモンスターは?」

「ブレイカー辺りまでは良かったんだけどな……後半、勝てると確信してからのプレイが杜撰だったな。俺は、手札にいた『ガガガガードナー』の効果を発動した。このモンスターは直接攻撃の際特殊召喚でき、手札を1枚捨てることで一度だけ戦闘で破壊されなくなる。そして捨てたカードは――」

「『タックル……セイダー』!?」

「カウンターは裏側表示になった際リセットされる。確かにワンショットキルは魅力だが、その『闇紅の魔導師』には手札破壊効果もあった。お前がもう少し慎重なら、こうはならなかったぜ?」

「く、くそっ、調子に乗るな! ターンエンドだ!」

 

場:セットモンスター(闇紅の魔導師)

伏:無し

LP4000 手1

 

「俺のターン、ドロー!! ジルをこんな目に合わせた償いをしてもらうぜ……! 『ガガガガードナー』をリリースし、『ミレニアム・スコーピオン』をアドバンス召喚!!」

 

攻撃力2000

 

「さらに『ビッグバン・シュート』を装備する。攻撃力は400アップし、貫通効果を得る。さぁ……バトル、『スコーピオン』で『闇紅の魔導師』を攻撃。捕食しろ、『スコーピオン』。」

 

燃え盛る炎のオーラを纏い、禍々しい姿の蟲神が、裏向きのカード表示を引き剥がし、姿を現した闇紅の魔導師を碌に抵抗もさせないまま、人飲みにした。捕食を終えた『スコーピオン』の肩から、先程喰らった闇紅の魔導師の頭部がまるで猛毒の沼を地獄の炎で沸騰させたような、何とも言い難いグロテスクな音を発しながら突起した。

 

月城LP4000→3800

 

攻撃力2400→2900

 

「ヒッ……」

「さぁ、ここからはドロー勝負だぜ。ターンエンド」

「ぼ、ボクのターン、モンスターをセットしてターンエ

「喰らえ」

 

『スコーピオン』が非力なマンドラゴラを食い散らかし、不味そうに破片を吐き出す。今度は頭部にマンドラゴラが生えて、この世のものとは思えない絶叫のハーモニーを奏でる。本当にただの科学技術、ソリッドビジョンなのか疑いたくなる。周りの大男達も耳を塞ぎながら顔面蒼白になっている。

 

月城LP3800→1100

 

攻撃力2900→3400

 

「さぁ、次のカードを引きな。何か良いカードが引けるかもだぜ?」

「ヒッ、ハハッ……ドロー! き、来たぞ! コイツでお前のモンスターなんかイチコロだ! セット!」

「……なんか、逆に可哀想に思えてくるが、ジルにやったことは事実だ。その身で罪を償ってもらうぜ。やれ、『スコーピオン』」

 

『執念深き老魔術師』がリバース効果を発揮する間もなく、絶命し、貫通により飛び散ったガラス片のソリッドビジョンが月城のLPを襲う

 

月城LP1100→0ピー

 

月城のライフポイントが0になったことでデュエルが終了し、スコーピオンのビジョンが消える。想像より遥かに悍ましかった……ジルが気絶していて良かったと心の底から思った。

顔面蒼白で、目を見開き、時折身体を震わせながらうわ言を言っている月城を大男の一人が担いで、一度俺の方に振り向いたかと思うと、恐ろしいものを見たような顔になり、三人(と担がれた月城)は時折道端の石ころに転びつつ、慌てふためきながら暗がりへと走り去っていった。

 

――

 

その後、俺は気絶しているジルをおんぶの要領で女子寮前まで連れて行った。女子寮の寮監に勘違いされて、危うく捕まる所だったが、途中で起きたジルが必死に事情を説明してくれたおかげで、事なきを得た。

 

―後日―

 

結局、昨日の主犯格である月城とハゲ三人は姿を現さなかった。いやまぁ、あれだけやったし、多分寝込んでいるんだろうけど。

 

「サガラ、私とても感謝デース……何か、ワタシを助けてくれたみたいデ。いきなりびっくりしたよー、女子寮エリアの門くぐる直前、急にハゲのHentaiに襲われて……」

「いいって、俺も昨日は最後まで見送るべきだった。あっ、そういや怪我とかはないのか? 奴らに何かされたとか……」

「フフッ、安心してください。私はキズモノじゃないデスよ?」

「なっ……あー、いや、そういう意味じゃないよな。」

「? 何の事デスカー?」

「何でもないって」

「んがー、教えろーっデス!!」

「うわ、こら、飛びかかるなっ! 危なっ――」

 

とりあえず、こいつが……ジルが無事で良かった。本当に、心の底からそう思った。

 

続く





【今回のエースカードッ!!】

闇紅の魔導師
レベル6 闇属性 魔法使い族 効果

魔力カウンターにより攻撃力を上昇させるぞ! 魔力カウンターを消費することで、相手の手札を捨てさせることも可能。状況に応じて器用に立ち回れるカードだぞ!

ミレニアム・スコーピオン「わくわk」

佐潟「安心しろ、お前じゃない」

ミレニアム・スコーピオン「しょぼん」

――――――――――――――――――――――
 第三話、月城くんが登場。デッキは何というか……【魔力カウンター】です。エンデュミオンすらない魔力カウンターとか雑魚では……? とか言ってはいけないです。後々再登場した際に強化するつもり、あくまでつもりです。
次回はジルのデュエルを書きたいとか考えてます。ではでは、また。

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