佐潟のデッキもやっとこさ固まってきたと言いますか、正直、流石に『昆虫』×『岩投げ』なんて変態デッキ、リアルでも組んだこと無いので、かなり手探りです(自業自得)
ではでは、本編始まります。
ここ、デュエルアカデミア アークティック校は、今や世界各地に存在するデュエルアカデミア姉妹校の中でもトップクラスのレベルを誇っている。
と、言っても、実技はともかく講義の内容は――
「このように、従来は特殊召喚したタイミングでも、効果の発動が可能であったが、現在適用されているマスタールールでは、この効果の発動に関して――」
……優先権か。確かに大事なことなんだが、知っている身としては、聞いていて退屈でしかない。ふと、隣のジルを見てみた。
「……すやぁ」
すやぁってなんだ。すやぁって。今時、そんな絵に書いたようなお手本居眠りをするやつがいるか? 実力は確かなんだが、実技と興味のある講義以外は大半寝ている気がする。と、その後も特に変わったことはなく、時間は流れる。
――
「ふあぁ、よく眠れたデス」
「もう、ツッコまないからな……」
「ム、ムムッ、何やら人混みができてマスネ。見に行きましょーッ!!」
このアークティック校にも当然、様々なサークル・同好会が存在するのだが、どうも人混みの原因はこの『オカルト研究同好会』が貼り付けた記事によるものらしい。
内容は、「ついに目撃! アークティック七不思議、真夜中の森のライオン人間ッ!! ……コスプレか何かですカネ?」らしい。
正直、この手のネタはかなり好きだ。ジルもまぁ乗り気だったんで、俺達は早速ライオン人間探しに、校舎から外れの森林地帯に足を踏み入れた。
スネーク・レインというカードをご存知だろうか。そう、大体景観としてはそのイメージだ。時折、足元を見た事もないイキモノが走り去っていく。
しばらく探していたか。結局未だにライオン人間は見当たらず、俺達は晩御飯を摂ることにした。何故か鍋を背負ってきていたジルが、手早く薪から火を起こし、これまたどこからか取り出した食材を投下。あっという間にシチューが出来上っていた。流石フィクション(?)
「と、いうわけで。」
「「いただきまー」」
グギュルルルー。妙に暗いと思って上を見上げるとそこには、ヨダレを垂らしに垂らしているライオン人間が、いた。何故か、手にデュエルディスクを着けて。
「ガウ……食べ物、食べ物よこすガウッ!!」
ライオンが強靭な前足(二足歩行をしている形なので、腕か?)から放つ引っ掻き攻撃で襲い掛かってくる。間一髪、たまたま避けれた。
「おい! 腕のデュエルディスクは飾りかよ!! デュエリストなら、デュエルで挑んできな!」
「そうデース! そして、大人しくオナワにツクデース!!」
俺はライオン相手に何を言っているんだろう。あとジル、絶対意味分からずに言っているだろ、それ。
「ガウ。確かに、申し訳ないガウ。デュエリストはカードで語る……ガウ。」
「へ、あー、通じちゃった……? まぁいいや、デュエルするなら構えな!」
「言われなくとも、ガウ」
1人と1匹がディスクを構え、向かい睨み合う。
「「デュエル」ガウ!!」
先攻 佐潟
後攻 ライオン
「俺のターン! 『棘の妖精』を表側守備表示で召喚。」
守備力2000
相手は昆虫族を攻撃対象にできない。戦闘を行ったモンスターを守備表示にする。
「さらに、フィールド魔法『岩投げエリア』発動!! カードを1枚セットし、ターンエンド」
場:棘の妖精 守備表示
伏:1
岩投げエリア
LP4000 手札2
「ドローガウ。まずは永続魔法、『儀式の檻』を発動。そして、『儀式の下準備』発動ガウ。デッキより『スーパー・ウォー・ライオン』『ライオンの儀式』を手札に。
そのままライオンの儀式を発動! 『レオグン』を含む3体のモンスターを生贄とし、儀式を執り行うガウ!!」
レオグン
バニーラ
サクリボー リリース
「降臨せよ、『スーパー・ウォー・ライオン』!!」
☆7 攻撃力2300
スーパー・ウォー・ライオン……? 記憶だと、何の効果も持たない儀式モンスターだったか。よくよく見ると本人にかなり似ているので、ネタデッキの類だろうか。
「まずは生贄に使用された『サクリボー』の効果で1枚ドローするガウ。そして、『スーパー・ウォー・ライオン』に『メテオ・ストライク』を装備! おまけに『ポイズン・ファング』も発動ガウ!!
『儀式の檻』を受けた儀式モンスターは、発生する自分プレイヤーへの戦闘ダメージを0にし、モンスターの効果の対象にならず、同じく破壊されない効果持つガウ! さらに、『メテオ・ストライク』により貫通効果も得ているガウ。
バトル、『スーパー・ウォー・ライオン』で『棘の妖精』に攻撃。メテオ・スクリュー!!」
「攻撃対象にされた時、伏せから速攻魔法『蜃気楼の筒』を発動! 攻撃は通すが、代わりに1000ポイントのダメージを与える。
さらに、『岩投げエリア』の効果を適用! デッキから岩石族モンスター、『タックルセイダー』を墓地に送り、『棘の妖精』の戦闘破壊を無効にする!」
ライオンLP4000→3000
「小癪ガウ……だが、『ポイズン・ファング』の効果! ダメージを与える度、さらに500ポイントのバーンダメージを与えるガウ。切れ味は受けてもらうガウ。」
「くっ……」
佐潟LP4000→3200
「だが『タックルセイダー』の効果は発動させてもらう。」
「デモ、『ウォー・ライオン』は対象に取れないのデース……」
「いや、今回発動するのはもう一つの効果だ。場の表側魔法・罠を手札に戻し、このターンの発動を封じる!! 対象は『儀式の檻』。
さらに、『棘の妖精』の棘を受けたモンスターは、守備表示になる。」
スーパー・ウォー・ライオンの両腕に無数の棘が深々と刺さり、ライオンの身体を地に這いずらせる。
「む、ムム。小癪、小癪!! ターンエンドガウ」
場:スーパー・ウォー・ライオン 守備表示
伏:無し。
メテオ・ストライク装備
ポイズン・ファング
LP4000 手札1(儀式の檻)
手札には『寄生虫パラノイド』、そしてもう1枚は出来れば引きたくないレベルの、現状役に立たないカード……このドローにかかっているな。
「俺のターン――ドローッ!!
……来たぜ、逆転のキーカード! 『ブルブレーダー』召喚!!」
攻撃力1600
「何かと思えば、ただの下級モンスターガウ。それに、『スーパー・ウォー・ライオン』は墓地の『サクリボー』により破壊耐性を持っている。何が来ようとこのターンは突破不可能ガウ!」
「それはどうかな? 手札の『寄生虫パラノイド』をお前の『スーパー・ウォー・ライオン』に装備!」
全身ブルーの、毒々しい見た目をした昆虫モンスターがウォー・ライオンの腕に組み付き、寄生する。
「こ、これは……!?」
「バトルだ、『ブルブレーダー』で『スーパー・ウォー・ライオン』を攻撃。一刀両断・ブルブレードオォッ!!
ブルブレーダーの特殊効果。このカードの戦闘によって受ける、お互いへの戦闘ダメージは0になり、ダメージ計算後、戦闘を行った相手モンスターを効果によって破壊する!」
スーパー・ウォー・ライオン 破壊。
寄生虫パラノイド 破壊
「バカな、ウォ、『ウォー・ライオン』が……」
「そして、破壊された『寄生虫パラノイド』の効果。手札より降臨せよ、『究極完全態・グレート・モス』!!」
攻撃力3500
「Wao! あれはジャパンチャンプ・インゼクター羽蛾のエースカードッ!! 実物、初めてみまシタ!」
「トドメだ、『究極完全態・グレート・モス』でダイレクトアタック。
モス・パーフェクト・ストーム!!!!!!」
ライオンLP3000→0 ピー
勝者、佐潟。
デュエルが終了し、ソリッドビジョンが消えると、ライオンが項垂れる。
「負けたガウ……さぁ、煮るなり食うなり好きにするガウ」
「い、いや、俺達は別にお前を食うために来たわけじゃあ」
「そうデース。ていうか、七不思議は実際に居たんですし、目的は達成してマス。」
「ガウ? それじゃあ……」
「良いデュエルだったぜ。動物のくせにやるもんだな。」
ガッチャ! と、何でかしなきゃいけない使命感に駆られ、思わずポーズを取りながら決めてしまった。見るからにライオンの目元がうるうるし始めている。次瞬、ライオンが飛びかかりながら
「オレ、一生シショウについて行くガウー!!!!」
……こうして、この世界での友達(?)が増えたのだった。
続く
【今回のエースカードッ!!】
究極完全態・グレート・モス
カオス・ソーサr インセクター羽蛾の使用する『モス』シリーズの最終形態だ! その圧倒的な攻撃力は単純に脅威だぞッ!
元々、羽蛾から渡されたデュエルディスクに、一緒に付いていたデッキに入っていたカードらしいが……
【次回予告】
「ガウ、カードの精霊、スーパー・ウォー・ライオンガウ! シショウの実力が知れ渡ったのか、ついにセンパイである崔(サイ)から挑戦状が! サイバーって何だかカッコイイ響きガウ……」
次回、第六話 ランページ! サイバー流継承者 崔
お楽しみに((