龍球これくしょん ー龍(ドラ)これー 着任!!ベジータとピッコロ‼最強の戦士達 作:ムリアリア
島風「私達が出てくるのおっそーい!」
し、仕方ないじゃない!それに前振りは大事だって・・。
龍田「あら~?言い訳するなんていけない子ねぇ♪(スチャッ)」
ちょ、その槍どこにぶっ刺す気・・・アッー!(ブスリ♂)
ほ、本編開始です・・グハッ(ち~ん)
ナレーター「ピッコロはゴテンクスと自らを道連れに、魔人ブウを『精神と時の部屋』に
封じ込めた。だが、魔人ブウはあっさりと抜け出してしまった!超サイヤ人3になった
ゴテンクスとピッコロは、急いで空間から脱出するも、ピッコロだけが忽然と消えてしまう。
一方その頃、死んだと思われたベジータは、誰もいないであろう、小さな無人島で
目を覚ましたのであった…
第1話『どこだここ!?ベジータ異世界にたどり着く!』」
ベジータは魔人ブウとの闘いで自らの力を全て出し切り、自爆した。本来であれば自爆した者は確実に死亡する。Z戦士の餃子(チャオズ)、ベジータの側近であったサイヤ人、ナッパが
生み出した植物怪人・栽培マンがいい例だ。――最もセルの様に本来であれば死んでいる場合であっても奇跡的に生き残るケースも存在するが。魔人ブウに至っては、一瞬で細胞ごと
消し飛ばされない限りは死なないので、自爆はノーリスク・ハイリターンである。
自爆の話はさておき、全宇宙の生命体は死亡した際、閻魔大王のいる地獄に送られる。そして、
そこで天国行きか地獄行きかの判決を下されるのだ。ピッコロとの会話(プロローグ1話参照)で説明済みだが、人を殺した、物を盗んだ等の『悪い』行為を繰り返していけば当然下される判決は地獄送りである。ベジータもそれを承知の上で自爆した…
――のであるが、ベジータが目を覚ますと、そこは何もない、それこそ『精神と時の部屋』にでもいるかのような水平線の彼方まで真っ白な空間が存在していた。
「ぐっ…!…こ、ここはどこだ…!?俺は、確かに魔人ブウを道連れにしようと自爆した
はずだ…。まさか、ここが地獄?いや、それにしては何もなさすぎる!ピッコロが言った様に
魂とかいう奴がそこらにいるはず―」
そこまで考えて、ベジータはふと、気が付いた。なんと、手足があるではないか!服もボロボロの状態から元通りになっていて、傷も一つもついてない。
「どういうことだ…!…まるで理解不能のバーゲンセールだ。」
よくわからない言葉をブツブツと呟きながらベジータは腕組みをする。
「とりあえずここから動かない事には始まらん。…とはいっても、目印が無い以上どこに行くか
わからんが。……うっ!!?」
まず行動せねば、そう考えをまとめ、一歩踏み出そうとしたベジータの目の前で、突然眩い程の光が生まれる。
(な、なんだこれはッッ!?う、うおおおおお!!)
慌てて目を瞑り、顔面をガードするように腕を交差させるも、光の奔流はなお続き、ベジータを
包み込む。
漸く光の奔流が収まり、ベジータが少しずつ目を開けると、辺り一面に海原が広がっていた。
「ここは…海か。ということは…まさか、地球に戻ってきたのか!?」
何度目かにわたるベジータの驚愕。そして、ベジータは頭の上に『本来であればある物』が無い事に気付いた。
(カカロットについていた輪っかの様な物が付いていない…まさか、ドラゴンボールで
生き返ったのか!?だが一体、誰が何のために・・?)
ドラゴンボール――詳しい説明は省くが、大抵の願いは叶える事のできる夢のマジックアイテムである。それを使えば、たとえ死者であろうと(条件付きではあるが)よみがえらせる事が可能だ。
しかし、自分は天下一武道会で大勢の人間を殺した。その殺された人達をよみがえらせるなら
ともかく、人殺しをした自分まで生き返るなんて―
否、とベジータは頭を振る。もしも…もしも、であるが、あの時の自爆で魔人ブウがまだ
生きていたら?そう考えると自分が生き返った理由も察しがつく。だがそうだとすれば――
「くそったれがッ!!!じゃあ俺は犬死にだったって訳か…!!ピッコロの奴が
ちゃんとトランクス達を無事に逃がしてくれればいいんだがな…」
脳内にあのピンク色の肥満体がニヤニヤ笑っている姿が映る。思い出す度に苛々が増していき、歯ぎしりをする。
「あの醜いフーセンデブめ!!今度会ったら一欠けらも残さず消滅させて…ん?」
とてつもなく物騒な事を叫びながら、何気なくベジータは後ろを振り向いた。そして、
「なッッ!!?カ、カカロット!?それに魔人ブウとかいうヤローまで…!!」
―しつこいようだが、またもや驚くベジータ。しかしそれも無理はない。ベジータの目の前には、自分の宿敵にして永遠のライバル・孫悟空と、先程までブッ殺すと思っていた魔人ブウの姿が、
そこにあった。
(どういうことだ!?まるで気を感じなかったぞ…!…いや、そんな事はどうでもいい!)
色々疑問に思う所はあるが、目の前に倒しかねた相手がいる。それだけでベジータが次にする
行動は決まっていた。
「カカロット!!手を出すなッ。こいつは俺が始末する!!」
カカロット、地球名で孫悟空に左手で牽制の手を振り、右手を魔人ブウの方に向けて必殺の
気功波を放とうとする。…が、孫悟空から反応はない。
「おい、聞いているのか!カカロット!!…チッ、まぁいい。
てめぇが闘う気がないんなら俺が…」
こいつを殺す、と言おうとしてベジータは気功波を打とうとした手を止めた。孫悟空が突如、
超サイヤ人になったのである。そして間髪入れずに超サイヤ人2に変身した。
「むっ・・カカロットの奴、俺と闘った時と同じ状態になりやがったか。…だがそれではブウの
ヤローは倒せん。どうするつもりだ・・?)
ベジータは先程の激昂がウソのように冷静になり、気孔波を打とうとした手を下げ、腕組みを
する。そう、今の孫悟空ではブウを倒すことはできない。ベジータはその身を持ってその事を経験したのである。
(それにしても気味が悪いぜ。ブウどころかカカロットまで一言も喋らんとは・・。
いや、そもそも俺に気付いてすらいないのか?)
普段だったら『無視しやがって!』と大いに怒る所ではあるが、先程から連続でありえない事を経験しているベジータは、怪訝な顔をしながら考えを巡らす。
超サイヤ人2に変身してから少し間を置き、悟空はまたもや気を溜め始める。目を見開き、唸り声(実際にはベジータには聞こえないから口が開いているだけに見えるが)をあげながら
気がどんどん膨れ上がっていくのをベジータは感じ取った。
最初からいきなりフルパワーで挑むのか、と考えるベジータであったが、すぐに違いに気付く。悟空を中心に、空気の流れが変わっている。しかも――
(まだ気が上がってやがる!?フルパワーでもここまでは・・はっ!ま、まさかカカロットの奴、更に『壁を越えた』のか!?)
そう、『超サイヤ人を超えた超サイヤ人を、さらに超えた』のである。悟空の足元では、海が轟々と波立つ。青空に浮かぶ雲は悟空の方にまるで吸い寄せられるように動いていく。
地上では世界各地で大津波が発生し、地響きによって建物が次々と崩落していく。
正しく天変地異と呼んでもよいだろう。
「クソッタレ!なんてヤローだ。この俺が震えてやがるとはッ…」
必死に踏ん張りながら悟空に目を向けるベジータ。そして悟空から膨大な光が放出され、
「う、うおおおおお…!!――――」
余りの眩しさに片腕で顔を遮りガードする。そして、光はそう間を置かずは収まった。
ベジータが薄ら目を開けると…
「な、何だと!?カカロットの奴とブウのヤローはどこに行きやがったッ!?」
先程までの様子がウソのようにしん、と静まっていた。それもそのはず、魔人ブウ、そして
凄まじい気を発していた悟空までもがこの場にいないのである。
―まさか自分は今まで夢を見ていたのか?あまりの突拍子のない出来事に、一瞬そう思い込んだ
ベジータであったが、即座にそれを否定した。
(いや、あの光景は紛れも無く現実だ。あのカカロットの凄まじい気が全身に纏わりつくかの様に感覚として残ってやがるッ…!)
ふざけやがって、と思わずにはいられなかった。バビディの呪術を受けてまで、限界を超えた
パワーを手に入れたベジータであったが、自分の宿敵はそれをさらに一歩も二歩も上回っていた。あまつさえ決闘の際にはその力を出さずに闘っていた―つまりベジータは2重の意味でプライドを傷つけられたのだ。
「カカロットのヤロウ、次に会ったら徹底的に叩き潰してやる!!…チッ、それにしても
ここはどこだ?地球なのは間違いないが」
血が出るくらいの勢いで拳を握りながら額に青筋を浮かべ、歯ぎしりするベジータ。
…が、いない相手にどうこうするも無いので、舌打ちをしながらベジータは辺りを見回す。
最初と同じようにベジータの周りは透き通るような青の海原が広がっている。これだけ見れば、何も変わらないように見えるが…ふとベジータは気付く。
「服がボロボロの状態に戻ってやがるな…おまけに自爆する前ほどじゃないが、
傷まで残ってやがる。…仕方あるまい、あの小島に降りて休憩するか」
今のベジータは少し腹が減っている状態だった。幸い、先とは違い島がある。そこでなら少しは食えるものがあるだろう、そう考え、ベジータはそこらに浮かぶ小島に適当に当たりを付け、
降下する。
サクっ、と軽い音を立てながらベジータは着地する。海岸近くに降りたために、着地の際に風が
少々舞い、それに伴い砂が巻き上がる。
「げほっ!ペっ!ぺっ…くそったれ、砂が口の中に入っちまった。
どこまでもイラつかせやがるッ!…ん?『アレ』は…」
軽く砂を蹴り飛ばし、理不尽に怒るベジータ。恐らく先程の出来事が余程腹に据えかねたので
あろう。―だからといって今ので怒るのは少々子供っぽい所でもあるが。
それと同時にベジータは、視界に入った『ある物』を発見し、歩きながら近寄っていく。
それはバケツであった。冗談ではなく、本当にただの緑色のバケツである。
「チッ、ただのゴミか。わざわざ砂が巻き起こらないように
歩いてきてやったというのに、骨折り損だぜ」
そう呟くとベジータは溜まっていたストレスを吐き出すが如く、そのバケツを放り投げる―
――投げようとした所で、ベジータはバケツに白い文字で何かが書かれている事に気付いた。
「何か文字が書いてやがるな。…『どんな傷でもこれを被ればあっという間に全快します!
あなたも試してみませんか?【高速修復材】』…傷を治すだと?こんな気色悪い液体が?」
ちゃぷん、とバケツと同じ色をした謎の液体を凝視しつつ、ベジータは訝しむ。一瞬ベジータは栽培マンの肌の色――ではなく、かつて地球に来て大怪我を負って惑星フリーザに帰ってきた際、傷を癒す為に入ったメディカルマシーンを思い出した。
「あれも緑か水色かわからん色をしてたな。ふっ、今となっては懐かしい思い出だ。
…とりあえず使っておくか。こんな所に打ち捨てられているんだ。誰も使いはしまい」
普通だったら気味悪がって誰も使わないところであるが、流石はサイヤ人と言ったところか。
バケツの取っ手をぶっきらぼうに掴むと、逆さまにして一気に緑色の液体を被る。すると――
「…確かに治ってやがる。おまけに服も元通りか。だが全快、とまではいかない様だな」
先程まで穴だらけだった服が傷一つない状態に戻り、あちこちにあった傷があっという間に
塞がったのである。…普通であれば全快するのだが、ベジータにはまだ少し傷が残っていた。
改めて仙豆のありがたみを知ったベジータ。そしてバケツを捨てようとするも、バケツの裏面にまだ文字が残っていることに気付く。
「くそったれ。表に全部書いていればいい物を・・・『※注意!艦娘以外には効果が
薄くなります。というか毒なので決して艦娘以外には使わないでください!
使ったとしても自己責任でなんとかしてネ☆(by大本営)」
最後の文字にイラッとしつつ、ベジータはある単語に注目した。
「艦娘、だと?個人名だとは思えんが…まさかサイヤ人・地球人の様な種族名か?
それに娘、ということは女か。大本営というのも一体…ッ!」
ひとまずバケツを投げ捨て、腕組みをしながら考え事をするベジータ。
だが、即座に考え事を中断し、即座に地面を蹴って後方に飛ぶ。すると――
≪…ルルルルル…ドッゴォオオオン!!!≫
ベジータが先程までいた場所に何かが落下し、激突。大きな音と共に砂が激しく舞い上がる。
舞い上がる砂を片腕で防ぎながらベジータは飛んできた方に目を向ける。
すると、海に生き物の様な何かが見えた。数は二つ。ベジータは何かが落下した場所に
駆け寄り、砂に埋もれている物を手に取った。
「これは…大砲の弾か?ふん、あそこにいる奴らはこれを使って攻撃してきた訳か」
―少し前にトランクスに映画館とやらに連れられて見た映画を思い出した。海の上を動く
大きな鉄の塊がこれを大きくした物を棘が生えた歯車の様な機械に向けて
撃っていたシーンだったか。
『機械だけを殺す機械かよぉ!』と電波の様な物を受信した――かどうかはさておき。
ベジータはポーン、ポーンと2,3度弄ぶように大砲の弾をお手玉する。そして、
「そらっ!返すぞ!!」
ベジータは狙いを定めて攻撃してきた生き物に対して大砲の弾を投げつける。
「「!?!?」」
謎の生き物は声は出さないものの驚いたらしく、一瞬遅れて、大砲の弾を避ける。大砲の弾は
遥か遠くまで飛び、着弾。派手に水柱を立てる。2匹はその光景を呆然と見るも、
すぐに体勢を立て直そうとする。が、その一瞬の隙が命取りとなる。
「勝手に人様に攻撃してきやがって!今の俺は気が立ってるんだ。近づき
すぎて…火傷するんじゃねえぞぉお!!!」
今までに溜まっていた鬱憤を晴らさんと、ベジータは2匹に対して急接近する。派手に水飛沫を
上げながら突っ込んでくるベジータに対して、生き物は口を開き、そこからまた弾を発射する。
「ふん!…つあッッ!!!!」
ベジータは右手を構え手刀の形にし、飛んでくる弾に対して薙ぐように振った。
手刀に当たった弾は真っ二つに割れ、ベジータの後ろで爆発した。
「「ギギッ!?」」「雑魚が…ずりゃ!!」
―避けるのではなく、真っ向から弾を叩き潰した。またもや驚く生物に対してベジータは
懐に潜り込み、胴体に向けてボディーブローを繰り出す。
凄まじい衝撃と共に、身体をくの字に曲げる生物。間髪入れずに、ベジータは回し蹴りを放つ。生物は大きく吹き飛び、すぐ近くにいたもう1匹にぶつかった。今ので大ダメージを受けた
らしく、体のあちこちから煙を吹き出しながらふらふらと、自分を吹き飛ばした人間を
視界に入れようとする。が、既に人間―ベジータの姿はそこにはいなかった。
「バカめ、後ろだ!!」
声をした方に振り返る生物。そこには、右の掌を全面に突き出したベジータがいた。
「喰らいやがれ!!」
一瞬掌が光り、そこから金色の光が撃ちだされる。
破壊の力を秘めた光は生物に吸い込まれるように飛んでいき――
≪ドグォッ!!!≫
先程より派手な水柱をあげる。水柱が収まると、そこには黒焦げになり体中から煙をあげ、
身体を半分海に沈めながらぴくぴく、と浮いている生き物の姿があった。
本当は消し炭にしてもよかったが、もしかしたら食えるかもしれない、と考え、
敢えて威力を落としたのだ。
ベジータはその生物の脚を掴んだ。大きさとしてはちょうど悟天達より少し大きいくらいか。
これなら2匹まとめて島に持って帰ることができそうだ。
姿は胴長、というよりも後ろについている足をのぞいたらほぼ胴体だけの様に見える。
目と思われる部分には、超サイヤ人と同じくエメラルドグリーンの光が宿っている。口には歯がぎっしりと並んでおり、サメの様な刃物の如き鋭さはないものの、人間の頭くらいなら
簡単に噛み砕けそうである。
―気味の悪い奴。ベジータはこの生き物に対してそう感想を抱いた。とはいえ、ベジータは過去に様々な宇宙人と会っている(もれなく皆殺しにしたが)為、別に驚きはしないのだが。
「ふん、雑魚のくせにこの俺に挑むとはバカな奴らだ。
…あまり美味そうではないが贅沢は言ってられん」
ベジータは2匹の生き物を小脇に抱え、元いた島に戻っていった。
―パチパチ、と火花が飛び散る。そこらに生えている木を伐り、気で火をつけた後、
仕留めた生物を同じく先を削って尖らせた木の棒に突き刺し、じっくりと炙る。
頃合いを見て、一匹を手に取り頭から噛り付く。味は地球に出発する前に制圧した星の原住民と似たような味で、平たく言えば美味くもなく、不味くもなく、と言ったところか。
―それにしても。ベジータはもぐもぐと口を動かしながら考え事をしていた。
(あの光景が夢でないのであれば、ここはどこだ?地球にこんな生物はいないはずだ。
いたとしたら恐らく、ちょっとした騒ぎになっているはず…)
結果はベジータの圧勝であったが、普通の人間は言わずもがな、兵器を使ったとしても
この生き物を倒せるかどうかはわからない、とベジータは考える。
流石は戦闘民族と言ったところか、その辺りは恐ろしく勘がよい。
2匹とも食べ終わるのにそう時間はかからず、ベジータは口元を腕で拭いながら立ち上がる。
そして、尻辺りの埃を払った後、焚火に向かって足で砂をかけ消火した。
「さて、これからどうするか…ん?気を複数感じるぞ。まさか戦闘が起きているのか?」
孫悟空達Z戦士が得意とする、気をサーチする技術。ベジータもそれを使うことができるのだ。ベジータは感覚を鋭敏にする事で、複数の気配をキャッチした。
(数は10・・・そのうち5つは気が小さくなってやがる。ここにも僅かだが音が聞こえる…。
と、いう事はかなり激しい戦闘をしてやがるな)
――面白い。ベジータの口角が上がる。戦闘民族サイヤ人の血が騒ぐのだろう。身体から
白い炎の様なオーラが立ち昇る。どうやら戦闘に乱入するつもりらしい。
「はっ!!!」
ベジータは掛け声をあげると急上昇して空高く舞い上がる。そして、戦闘が起きているであろう場所に猛スピードで飛んでいく。
――蒼天を一筋の白い矢が翔けて行った――
一方、ベジータが辺りを付けた場所では、彼の予想通り激しい戦闘が行われていた。
「くっ…流石は姫級ね。ここまで追い込まれるなんて…」
短めに纏めた黒のサイドテール。左肩には艦載機発艦の為の飛行甲板。背中には矢筒と大量の矢が入っている。胸当て、腰紐、袴にはその人物のカラーリングであろう青色があしらわれている。
ブラウンベージュの瞳は鋭く、百戦錬磨の雰囲気を感じ取れる。この人物こそ、
正規空母『加賀』。元は加賀型戦艦一番艦であったのが『とある事情』により、空母として
生まれ変わったのが彼女である。
――その空母がどうして人型なのか?それはさておき、彼女を含む、味方の何人かは
負傷していた。加賀本人も身体のあちこちに傷があり、袴はボロボロ、甲板も焼き焦げて
その機能を発揮することは叶わなくなっている。
「うう…真っ先に狙われるなんて不幸だわ…(ぐすん)」
と、加賀の左でボロボロな状態で俯きながらブツブツと暗い表情で呟いているのは扶桑型戦艦、
その2番艦である『山城』である。
加賀と同じく黒髪ではあるが、髪型はボブカット。緋色の瞳に巫女装束を意識した服に
瞳と同じ色のミニスカート。頭の右側からは艦橋の様な髪飾りが付いている。
しかし、何よりも目を引くのは背中に付けている機械群――艤装である。巨大な砲塔4基を背中からはやしているその姿は、まさしく『超弩級戦艦』と言うにふさわしいであろう。
だが、その砲塔も根元から折れ曲がり、機能を半ば停止している状態になっている。4基全部が壊滅しわけではないので攻撃できなくはないが、良くて駆逐艦の様な小型しか
倒すことはできないであろう。
実は彼女、戦闘が開始してすぐに、この状態になったのである。…確かに不幸である。
そう、どこかの狼の動きを模した拳法使いの様に―
「そこまで私は弱くないわよ!!…はぁ~…」
と、誰もいない虚空に向けて力一杯叫ぶ山城。だからと言ってどうにもなるわけではなく、
余計に落ち込むのであった。
「何やってんだ山城さん…って、ンな事よりもどうするよ加賀さん?
このままじゃ正直やべぇぞッ…!」
ジト目で山城の方を見た後、即座に加賀に目を向けた彼女は、高雄型3番艦、重巡洋艦の
摩耶である。彼女の言う通り、正直戦況は不利な状況にあった。
加賀は中破、山城は大破しているものの、摩耶本人、そして駆逐艦の島風は小破であり、同じく軽巡の球磨はほぼ無傷である。
対して敵はベジータが闘った生物に似た存在――駆逐ロ級、ハ級は撃沈。軽巡ホ級、重巡リ級は大破。戦艦ル級は中破。…これだけみれば加賀達の方が有利なのは明白である。
しかし、残りの1体が厄介であった。その1体は、右手を加賀達に向けた。
「ククク…サスガカンムスタチトホメテヤリタイトコロダケド…
トウトウオワリノトキガキタヨウネェ?」
まるで地獄の底から湧き出た様な恐ろしい声でどこかで聞いたようなセリフを呟くその人物は、空母棲姫と呼ばれる生命体であった。
長髪とサイドテールを掛け合わせた奇妙な髪型。全身を包む漆黒の重装甲は
所々破壊されており、闇の様な色の服装が露出している。手足にわずかに残った装甲には血の様な模様が走っており、彼女の陶磁器の様な白い肌も合わさって、まるで幽鬼の様である。
艦娘―加賀達が身に着けているのと同様に、彼女も艤装を装備している。が、その艤装は一言で言えば『異様』であった。左右の砲台からは滑走路が伸びており、ここから
艦載機を発艦させるのであろう。
目を引くのはその滑走路と砲台が付いている本体である。空母棲姫本人より二回りも巨大な艤装には口があり、そこからは歯がずらりと並んでいる。まるで生き物の様なその艤装には空母棲姫と同様に血の様に赤い模様が至る所に浮かんでいる。亡霊の様なその姿は、敵の恐怖を掻きたてるには十分であった。
「オアソビハシマイダ…ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ…ッッ!!!」
死刑を執行する執行人の様に空母棲姫は加賀達に向かって手をかざす。すると、背中の艤装が
鈍く赤色の光を放ち、それを合図に滑走路から艦載機が飛び出てくる。艤装もおどろおどろしい物であったが、艦載機もまた同様に『艦載機の様な何か』である。
白色の球体の姿、そこからは艤装と同じように鋭い歯がずらりと並び、頭の左右には角の様な物が飛び出している。目と思われる所からは赤色の光を発し、その姿は『鬼』の様にも見える。
艦載機は瞬く間に数を増やし、空を埋め尽くす程の大群となった。艦載機の真下からは
爆弾が生成され、加賀達の命を確実に奪うべく、その凶器を発射する。
「ッ…!これまで、かしら…ごめんなさい、赤城さん…。
…でも、あなたが無事なら、それでいいの…先に逝って…待ってるわね…」
艦載機を発艦できない今、加賀達にあの大量の艦載機を迎撃できるほどの力は残っていない。退却ができない今、運よく生き残れたとしても、その先に待っているのは絶望だけである。
加賀は覚悟を決めた。その瞬間、走馬燈の様に浮かんだのは、戦友であり、自分が一番気に留めていた人物であった正規空母の――
≪ズァオッッ!!!≫
――と、その時。大量の艦載機がいた場所を一筋の閃光が襲う。加賀達に攻撃を仕掛けようとした艦載機は、その巨大な光に呑まれていく。
「くッ…!」
「ナ、ナンダ!?」
いきなりの出来事に咄嗟に目の前を腕で覆い、必死に衝撃に耐える艦娘達と空母棲姫。
煙がはれ、その全貌が見えだすと、両者とも、その光景に驚いた。
「…!?艦載機が、全て撃墜された…!?」
「ソ、ソンナバカナ!?ワタシノカンサイキガ…!!」
そう、あの空を覆いつくしていた大量の艦載機が全て破壊されていたのだ。
――ありえない。空母棲姫は先程の余裕たっぷりな態度が嘘の様に取り乱していた。
その時、光が走った方から一つの声が聞こえた。
「ふん…数は大したもんだが頑強さがまるでなかったな。あれじゃあ的が小さい分、まだ虫の方がマシだ」
「ナンダトッ!!…!?ニ、ニンゲンがソラニウカンデイル!?」
自分の艦載機達を瞬く間に殲滅した人物。どんな奴かと殺意が籠った目で
声をした方向を振り返る。が、そこには…な、なんと!人間が腕組みをしながら
浮かんでいるではないか!しかも――
「ソノアタマハナンダ!?マ、マルデ『M』ノモジノヨウダ・・・ク、クククwww」
「空に人が浮いている?それに随分と奇妙な服装ね。…ちょっと危ない人にも見えるわ」
額にM字の禿、タンクトップ状のアンダースーツで筋肉ムキムキ、マッチョマンと言う、
一般的な価値観で見れば奇妙な風体に、一人は笑いをこらえきれずに吹き出し、もう一人は奇人、あるいは変態でも見るかのような冷めた目つきをしながらベジータを睨んだ。
――ピシリ――
と、まるでガラスに亀裂が入った様な音がした。音の発信源は空中で腕組みをしていた人間
、ベジータである。ベジータは額に大量の青筋を立て、両拳をメキメキ!と音が立てるくらいに
握りこみ。鬼の様な形相で叫んだ。
「笑うなぁあアアァアア!!命が惜しかったら、笑うんじゃッッねぇええええええ!!!!!」
ナレーター「砲撃が飛び交う苛烈な戦場に、サイヤ人の王子、ベジータは舞い降りた。
だが、自らの容姿を馬鹿にされたベジータは怒りを爆発させる!
その凄まじい怒気が向かう先は、艦娘達か!?それとも異形の存在か!?
悟空「オッス!オラ悟空!次回予告は引き続きオラだ!え?本編で忙しいから出られないんじゃ
ないのかって?心配ねぇって!「そこらへんは問題ない」って界王様が言ってたぞ。
何でかって聞いたら「お前に言ったところでわからん」って言われちまったけどな。
ま、よくわかんねぇけど界王様がそういうんだったらオラも気にせずやるぞ!」
ベジータ「おい、カカロット!そんなどうでもいいことをしゃべっている場合ではないだろう!
早くしないと終わってしまうぞ!」
悟空「ベジータ!いやぁ悪ぃ悪ぃ☆…よし!それじゃあ気を取り直して。
ベジータの奴、相変わらず気が短けぇなぁ~。せっかく艦娘っちゅう奴らを助けたんだから
間違っても攻撃するんじゃねぇぞ?
ベジータ「こんのクソ女共!!この俺様を怒らせてそんなに死にたいかああ!!」
悟空「次回!龍球これくしょんー龍これー第2話『ぶっ飛ばす!!ベジータ怒りの超パワー!』」
加賀「ありえないわ…空を飛んでるだけじゃなくて、あの姫級を相手に圧倒するなんて」
空母棲姫「オノレッ!ニンゲンメエエエ!!」
はい、これで一話終了です。最初は一話で終わらせるつもりでしたが伸びまくって前後篇みたいになりました。グダグダで内容ない文章にしちゃってすいませんでしたぁあ!!(土下座)
島風「ちょっと!私と龍田さんにはセリフの一つもないってどういうこと!?」
あ、あれ以上入れるとものすごい文字数になるから先にあげるために
仕方なかったんだ!俺は悪くぬぇ!!
龍田「悪い子ねぇ~? お・仕・置・き・よ☆」
球磨「球磨もだクマ!!もう許さないぞ、お前クマー!!」
つ、次はちゃんとセリフ書くから勘弁sクソマァー!!
前書きの所と本編最初でタイトルが重なりくどいように見えますが、前書きの方は
アニメの再現だと思ってください。どうしても気になるのなら、何らかの手を打とうと思います。
アドバイス・感想・苦情、なんでも結構です!うp主に力を分けてくれー!
悟空「みんな!また見てくれよな!」
追記;本文の誤字修正しました。ていうか1話に1回必ずあるってどういうことよ(涙)
追記2;気孔→気功に修正 なぜ気がつかなかったし・・・