龍球これくしょん ー龍(ドラ)これー 着任!!ベジータとピッコロ‼最強の戦士達   作:ムリアリア

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す、すまねぇ!こんなはず(8ヶ月もかかる)じゃ...

全王様「ムカつくね、消えちゃえ!」

ギャアアアアアアアアアアアアアア!?

※余りに長いので前後に分けてます。説明多く含むので原作を知っているファンにとってはゴミのような回です。所詮俺は屑なのだぁ...



ナレーター「異形の存在、深海棲艦と呼ばれる怪物の軍団を見事に返り討ちにしたピッコロ。だがそこに現れたのは、な、なんと!
魔人ブウと相打ちになったと思われていたベジータであった!なぜベジータが生きていたのか?どうして二人はこの世界に現れたのか?
そして二人は元の世界に帰ることができるのか!?

第5話『俺達が提督に!?ベジータとピッコロの鎮守府着任!』前篇」



第5話『俺達が提督に!?ベジータとピッコロの鎮守府着任!』前篇

 

 

 

「ここが異世界…だと?」

 

「ああ。あくまで推測の域ではあるが、な」

 

蒼い海原のはるか上空を二本の白矢…否、二人の人間が飛んでいる。ベジータとピッコロである。

 

先程の戦闘の後、ピッコロは結果報告と助けてくれた礼を言うのを兼ねて自分が飛んできた場所、鎮守府に向かおうとした。ベジータは不愉快な表情を隠そうともせずピッコロを睨む。だがピッコロが自分よりも多くの情報を知っているかもしれない事がわかると、渋々ピッコロの後をついていくことにしたのだ。

そして現在に至る――

 

「ふざけるな!俺は貴様のジョークをわざわざ聞くためについてきたわけじゃないんだぞっ!!」

 

「落ち着け。推測でしかない、と言っただろう」

 

怒鳴るベジータを冷静に受け流すピッコロ。並の人間ならばそれだけでも一目散に逃げだすであろうベジータの睨みを受けてもなお涼しい顔をしているのは流石、といった所か。

 

「お前も見ただろう?あの『化け物』達を」

 

「ふん、あんな雑魚共が如何したというんだ。戦闘力が多少ある所を除けばそこらの星にいる原生生物と大してかわらん。珍しくもない」

 

ベジータやカカロット…孫悟空に限らず、サイヤ人は好戦的な者が多い(悟空の父バーダックの妻であるギネやベジータの弟のターブルの様な例外もいるが)。彼らは宇宙に広がる星々を侵略し、支配圏を拡大していった。フリーザ軍の傘下に入った後は環境の整った惑星を見つけると、そこの原住民を殲滅し他の惑星に高価で売り飛ばす『宇宙の地上げ屋』となっていった。そんな事もあり、嫌々ながらもフリーザ軍の兵士として様々な惑星の生物と闘ってきたベジータにとっては、深海棲艦など別段珍しい存在ではないのである。

それがどうした、と言わんばかりの態度をとるベジータに対し、ピッコロは顔は前を向いたまま、淡々と話を進めていく。

 

「そうだ。だが問題は奴らが何故今になって出てきたか、だ」

 

「…?何を言ってやがる。訳の分からん事を言ってないで・・・」

 

「魔人ブウが暴れまわっている時におかしいとは思わないか?明確に知性があると思われる奴等がそんな愚行を犯すとは考えられん」

「……」

 

ピッコロの疑問に、ベジータは黙り込む。確かにその疑問は最もだ。彼はピッコロと共に鎮守府へ向かう最中、自分が死んだと思われた後に起きた様々な出来事を聞いた。

魔人ブウがやはり生きていた事。魔導士バビディがピッコロ、悟天、トランクスを炙りだす為に地球人を皆殺しにしようとした事。孫悟空と魔人ブウの闘い(これを聞いた時はベジータが激昂し、ピッコロがそれを宥めるのに苦労した)。

悟天とトランクスがフュージョンでゴテンクスとなり魔人ブウ相手に戦った事…。

 

重要な事は魔人ブウは人間を殺してピッコロ達を悔しがらせてやろうというバビディみたいな陰湿な思考の持ち主でもなく、また人間を地球人憎悪している訳でもない。ただバビディに「たのしい遊び」と教わって地球人を殺していたに過ぎない。

更にブウはサイヤ人程ではないが強い相手と闘う事に興味がある。それを考えれば自分達サイヤ人には遠く及ばないものの、少なくとも地球人を遥かに凌ぐ戦闘力を持っている深海棲艦は正にうってつけの『遊び相手』になるだろう。

恐らく戦えばあの『化け物』達はブウに敵わないと判れば地上、基海上に出てこようとはしないだろう。勝ち目の全くない戦いをするほど愚かな事はないのだから。

 

そこまで考えるとベジータはふん、と吐き捨てると、考え事で下げていた頭をピッコロの方に向けた

「回りくどい事をペラペラ言ってやがるがもっと確信的な要素があるだろう。…魔人ブウの気を感じない、というな」

 

「ああ。魔人ブウが気を消せるという可能性もなくはないが…奴の性格を見る限りそれはありえんだろう」

 

「だろうな。あのデブがセルの様にこそこそやっていたらと思うと笑えるぜ」

 

くつくつと笑うベジータ。7年前、セルが初めて姿を現した際、セルはピッコロ達相手に勝てぬとみるや、太陽拳で目くらましをし、逃走した。

そしてピッコロ達に気付かれない様気を消しつつ、自分の体の一部である尾を使い人間を吸収、パワーアップしていったのだ。

気を察知する能力は便利ではあるが、17号・18号達人造人間の様な気を持たない存在に対しては効果を発揮できない。逆を言えば、ある程度の気をもってさえいれば地球のどこにいようが判ってしまう。

あれほど地球で我が物顔で暴れていた魔人ブウがわざわざ気を消して行動している確率は限りなく0に近いだろう。

 

「だがピッコロ、そのフュージョンで合体したトランクスと悟飯の弟…ゴテンクスだったか?

そいつが超サイヤ人3とやらになれたんだったらブウを完全に消し飛ばす事もできるだろう」

 

気は個人の強さを表すと共に生命力を示している。すなわち気が完全に消えればその生命体は死亡したという事になる。

 

「うまくいけば、な。ゴテンクスの性格を考える限りかなり怪しいが…」

 

ピッコロは渋い顔をしながら呟く。フュージョンの訓練で成功したはいいものの、合体したゴテンクスは過剰なまでの自信を持ち、このままで十分とピッコロの制止を振り切り、魔人ブウに戦いを挑んだ事があった。

…結果は当然惨敗であり、ピッコロからもキツイ言葉のお灸を据えられた。しかし、再び超サイヤ人で合体した際はまたもや同じ事をやらかしてしまった。

その時は直前に遊びすぎたせいで時間が足りず、闘う前にフュージョンが解けてしまったので事なきを得たが…。

無論ゴテンクスの強さを信用していないわけではない。フュージョンで戦闘力が大幅に上がったうえに超サイヤ人3になったのだ。

単純な強さで言えば孫悟空の超サイヤ人3すら上回る。だがその強さのせいで天狗になり、お遊び感覚で戦闘をされてはとどめを刺す前にフュージョンが解けてしまった、という最悪の可能性が起こる事もあり得る。

 

ベジータもピッコロの言葉に渋い顔をする。思い出すのはトランクスと一緒に重力室で修業をしていた際、彼がさも当然の様に超サイヤ人になって150倍の重力が掛かる中を余裕で走り回っていた光景だ。

流石自分の息子と誇らしげに思うより、伝説の戦士がまるでバーゲンセールの様にぽんぽん出てくる事への何とも言えない気持ちと同時に、この年でこれ程までの力を身に着けたことによって調子に乗って増長するのではないか、という不安を感じた。

故に、ベジータには勝てる相手にも慢心してちんたら遊んだ挙句、合体が解けてピンチに!…となった姿が容易に想像できたのである。

 

「…すまんな。トランクスが迷惑をかけて」

 

「!?…あ、ああ」

 

てっきりブウを仕留めそこなった事で詰られるのかと思ったピッコロは、珍しく謝るベジータの姿に驚きの余り目を見開く。

何故謝る、と言いかけた所で口をつぐむ。恐らくベジータも自分と同じ事を考えていたのであろう。ピッコロは理由を察し、言いかけた言葉を飲み込み黙ることにした。

 

「………」

 

「………」

 

ほんの僅かの間、無言の空間が作られる。そしてその空間を最初に破ったのはベジータだった。

 

「チッ、薄々わかってはいたが…ジョークでも何でもなく別の地球に飛ばされたみたいだな。ピッコロ、何か方法は無いのか?」

 

「現状では元の世界に戻る手段は無い。この異世界に飛ばされた理由がわからん以上どうしようもないからな。俺が来た時と同じ様に力づくで次元に穴を開けて出る、という方法もなくもないが…」

 

言いかけてピッコロは押し黙る。ベジータもその理由を察し、苦い顔をする。

 

「パワーが足りん、という訳か」

 

「そうだ。俺と超サイヤ人3になる前のゴテンクスの二人で試してみたが…針の先程の穴も開かなかった」

 

 

変異した魔人ブウ、或いは超サイヤ人3のゴテンクス程の力を持たないベジータではどうする事もできない…その事実が彼にとってはたまらなく悔しかった。7年の間修行を続け、ようやくセルを倒したときの孫悟飯を超える強さを身に着けたと思っていたら

自分のライバルは更にその一歩先を行っていた。それどころかフュージョンしたとはいえ、自分の息子にまであっさり追い抜かれたのだ。

ギリッ、と歯ぎしりするベジータであったが、今はそのライバルも息子(と孫悟飯の弟)もいないので腹を立てた所で何の意味もないのである。

一方のピッコロは苛々しているベジータをちらりと見た後、視界を前に戻し話を続ける。

 

「悔しいのはわかるが…今はどうしようもない。今せねばならんのは情報収集だ。運が良ければ元の世界に帰れる手段も見つけられる可能性がある」

希望的観測ではあるがな、と一言付け足すピッコロ。ベジータはひとまず苛立ちを抑え、疑問を投げかける。

 

「情報収集か…どうするつもりだ、ピッコロ?ここが異世界なら俺達に当てなどないはずだぞ」

 

「それは俺もわかっている。とりあえず今はこれから向かう場所に望みを託す他ない。先程の地球人達と話ができれば何かわかるかもしれんからな」

 

地球人、の所でベジータはつい数十分程前に顔を合わせた人間の事を思い出した。特に印象が強かったのは目つきが鋭い白と青のへんてこな服を着た女であった。

 

(クソッ、あの地球人の女め、気に入らん!何故だか知らんがブルマを思い出す…。どうもああいう奴は苦手だ!)

 

強制的に思考をシャットアウトし現実に戻るベジータ。孫悟空と同じく、彼も地球人の女性には弱い。戦闘力が、と言う訳ではなく頭が上がらないのだ。

もちろん彼の妻であるブルマとここでいう地球人の女…加賀とは違う点もたくさんあり似てはいない。だが何故か、ベジータは加賀に対して嫌なイメージしか持てないでいた。

そう言う訳で、艦娘…特に加賀と顔を余り合わせたくないベジータはふい、とピッコロに向けてた視線を逸らす。

 

「そのあたりは貴様に任せる。俺は地球人共のご機嫌取りなぞ御免だからな」

 

「だろうな…むしろお前がそんな事をする姿が想像できん」

 

何気にひどい発言をするピッコロである。だが当然と言えば当然だ。自分がよく知っている人物が普段では絶対やらないような事を予想することはできないはずである。

この時、ピッコロの脳内ではベジータがダンスをする、タコヤキを作る、カップラーメンを作る姿が出てきたのであった。

 

そんなこんなで一応、今後の方針が決まったベジータとピッコロの前に、目的地である鎮守府が見えてきた。レンガと御影石を使った重厚な造り、尚且つ凝ったデザインである鎮守府を見たベジータはほう、と感嘆の声を漏らす。

 

「見えてきたぞ、あそこだ」

 

「なかなか大きな所だ。余計な装飾が無いのは評価できるな」

 

カプセルコーポレーション程ではないがな、と遠回しに嫁自慢をするベジータ。そんな惚気話(?)をピッコロは華麗にスルーして鎮守府から少し離れた場所にある桟橋に降下していく。

 

そこには先程自分を助けた地球人の少女、電がピッコロに向けて手をぶんぶんと手を振っていた。ベジータはそれを遠目に見ながら少し驚いた顔をする。

 

(あの地球人のガキ、トランクスとあまり変わらんくせにそこそこの気を持ってやがる)

 

実はこの時、ベジータが感じた電の戦闘力は、かつてナメック星で死闘を繰り広げた宇宙の帝王フリーザとほぼ同等レベルであったのだ。

 

(そういえばあの時は苛々してて気づかなかったが…あの加賀とかいう女も相当の気を持っていやがった。それに…)

 

視線を電からずらし、鎮守府の方に向ける。流石に戦闘時ではないのでかなり低いが、ちらほらと気を感じられた。

と、そこまで考えていると降下を中断し、その様子を見ていたピッコロから声がかかった。

 

「お前、まさかあの地球人達と闘ってみたい、など思ってはいないだろうな?」

 

「バカかてめぇは。カカロットならともかく俺はそんなことは思わん!そんな事より元の世界に戻る方が先決だ。さっさと奴らと話をつけて来い!」

 

「わ、わかった(…図星だったか)」

 

地上にいる電に指をさして若干早口で怒鳴るベジータ。ピッコロは激しい剣幕に多少押されるも、すぐに降下を再開し電の元へと降りていく。

 

ベジータの方といえば、先程ピッコロの言葉通りの感情が出た事を恥じ、それを指摘された事からようやく収まってきた苛々がまたぶり返していた。彼はこの場にいない自分のライバルに向けて鬱憤を晴らすかのように怒鳴り散らす。

 

「くそったれ!苛々させやがる…カカロットめ、元の世界に戻ったら必ずボコボコにしてやる!!」

 

思いっきり言葉を吐き出して多少気分が落ち着いたのか、「ふぅ」と一息つくとピッコロの後を追うように桟橋の方に向けて降りて行った。

 

 

 

―――――

 

「~~~ぃいっきし!!」

 

「わっ!か、風邪ですか?悟空さん」

 

「ずびっ…おっかしいなぁ、何か急にムズムズしてきてよ。多分風邪じゃないとは思うんだけど…」

 

その頃、ベジータの元いた世界にある聖地、界王神界ではカカロット――孫悟空が盛大にくしゃみをかましていた。近くにいる少年、東の界王神は間近にいた為驚いて若干距離を取っていた為無事である。

 

「そもそもオラ死んでる身だけど…死人って風邪引くんかな?界王神様」

 

「さ、さあ…しかし悟空さんの様な死んでいるのに腹のすく人もいるのですから、もしかしたら風邪をひく者もいるのではないでしょうか?」

 

「かもな~~…っっくしょい!!」

 

――――

 

 

「…報告は以上だ」

 

「うむ、ご苦労だった」

 

 

 

一方、ベジータ達が鎮守府に到着したのと同時期、鎮守府内のとある一室では、ある一人の艦娘と一人の男性による会話が行われていた。

腕組みをして立っている女性の方は、頭部には艦橋の信号桁を模したヘッドギアに首からは首輪のようなパーツをぶら下げている。上半身は手に指ぬきの黒の長手袋、金のラインが入ったノースリーブの和服を意識したボディスーツのような上着を着ており、下半身は白の長めのミニスカートに大日本帝国の象徴である菊の御紋をあしらったベルトをつけ、赤に黒ラインのニーソックスをはいている。

長身でアスリートのような引き締まったライン、かつ出るところは出るといった世の中の女性が羨むような体系だ。露出がそこそこ多く、鍛え上げられた腹筋が見えるこの服装もその体系の魅力を極めて引き立たせている。

流れるような黒の長髪に淡褐色の鋭い瞳、凛とした表情とその立ち姿は歴戦の武人、あるいは戦乙女を想像させる。彼女の名は長門。長門型戦艦の一番艦であり、世界最強の七艦『ビッグ7』に名を連ね、連合艦隊の旗艦を務めた偉大な艦娘である。

 

男性の方は部屋が薄暗く、電気がついていないせいもあってか、顔の辺りや体つきはよく見えない。だが、少なくとも艦娘であり軍人でもある大淀と話をしているのを見る限り、彼が軍人である事は間違いないだろう。そして長門よりも上の立場であるという事も。

 

「長門、先程加賀から寄せられた報告の件…どう見る?」

 

「私的な意見ではあるが、俄かには信じがたいな。空を飛ぶ事に加え砲撃や雷撃とも異なる攻撃で敵の艦隊を瞬く間に壊滅…流石に私やこの鎮守府の最大戦力である大和でもその様な事は不可能だ。さらに言えばタイミングも出来すぎている。加賀達が危機に陥った場所に偶然…なんてことはな。深海棲艦と艦娘の戦いが始まってから数年は経っているが、この様な事例は今まで聞いたことも無い」

 

「然り。今回はその矛が深海棲艦に向いただけであって、その脅威の力が我ら人類と艦娘に向けられる危険性も充分に在り得る。しかし、だ」

 

「うむ、理由はどうであれ我らを守ってくれたのは事実だ。もし助けがなければ加賀達の部隊は壊滅、この鎮守府も甚大な被害を受けていただろう」

 

――彼等(ベジータとピッコロ)が現れたタイミングが重要な事ではない。加賀達を轟沈の危機から救い、皆の住まいであり拠り所である鎮守府を守ってくれた事の方がが大事なのだ――

 

男性は長門の答えに満足するかの様に組んでいた腕を解くと、ゆっくりと立ち上がり窓のカーテンを開けた。そこから見えるのは駆逐艦の電が件の人物――ピッコロとベジータを相手に何やら話をしているのが見える。

 

「ああ、私も同じ考えだ。そこでだ、私は彼等と会い話をしようと思っている。もしかすると」

 

「こちらに協力してくれるかもしれない、か?」

 

男性を見る長門の目が厳しくなる。彼女が目を光らせる理由も最もだろう。先程はああ言ったものの、いくら自分達を助けてくれた人物だとしてもまだ完全にこちらに対して無害だと決まったわけではない。万が一提督が狙われたりでもしたら――

 

長門の視線に気づき、男性はカーテンをもとの位置に戻すと彼女の方へ顔を向ける。

 

「そこまでは言っておらんさ。ただ面白い話の一つや二つでも聞ければ、と思っていてな」

 

「本音は?」

 

「本音さ。…まぁ、彼等が我等と手を取り合ってくれるのならばそれに越したことはないがね」

 

疑惑の目を向ける長門に対し、男性は苦笑いをしながら机の後ろにある椅子に座る。そしてまた机に肘をつけて腕を組み直す。

 

「大丈夫だ。これでも人を見る目は十二分にあると自負している」

 

「勘便りの当てずっぽうの間違いだろう。その勘がよく当たるのが解せんが」

 

「ははは…相変わらず厳しいな、長門は」

 

真剣な話をしているのにも関わらず冗談めいたことを口にする男性に長門は呆れた目を向けながらため息を漏らす。長年秘書艦として彼のそばにいただけあって、行動や考えをよく知っている様だ。彼女は男性の机に立てかけられている羽ペンを取ると、手持ちの書類になにやら書き込む。恐らくこの提督の行動を記録しているのだろう。

 

「私と陸奥がお前の護衛をする。これで問題無いとは思うが、油断するなよ――    提督」

 

「いつも済まんな。さて、鬼が出るか仏が出るか…」

 

提督、と呼ばれた男性は軍帽を深く被り直すと、部屋の扉を開けて秘書艦の長門と共にベジータ達の元へと向かった。

 

 

 

 

「ところで提督よ、先程の腕を組んだのと部屋の電気を消していたのは意味があったのか?」

 

「以前夕張から借りた漫画の中の人物がやっていたポーズと演出を真似てみたんだが…どう?恰好良くない?」

 

「阿呆かお前は」

 

 

 

そしてその話題の人物――ピッコロとベジータであるが、桟橋を少し進んで鎮守府の敷地内まで移動したのは良いのだが…

 

「もう!私達がどれだけ心配していたかわかっているのですか!?」

 

「う、うむ…済まん(な、なぜこの様な目に…)」

 

電の雷(艦娘に非ず)がピッコロに落とされていた。どうやら先程単独で出撃していった事について咎められている様だ。二人の後ろではベジータが腕を組んでじっとしている。だが口角が僅かに吊り上がっている所を見る限り、ピッコロの普段見せない姿に笑いを堪えているのだろう。

 

「はぁ…もういいのです。元はといえば無理にでも止めなかった私の方が悪い訳ですし」

 

ため息をつく電。実はピッコロが出た際、提督にその旨を報告しに行こうとした所で鎮守府を出る何か(ピッコロ)を目撃した雷、暁、天龍から何事かと詰め寄られ、正直に話したら盛大に叱られたのであった。(ちなみに一緒にいた響は既にその場から姿を消していた…)

 

緊急で仕方なかったとはいえ、仮にも軍人である者が真っ先にせねばならない報告を忘れるのは大問題である。病み上がりのピッコロを止めなかった事もあり、気づいた時には電は顔を両手で覆いやってしまった、とおおいに落ち込んだ。ひとしきり反省した後、電は次からはピッコロが絶対無茶をしない様に厳しく言い聞かせようと決心したのであった。

 

「私にも至らない所があったので反省します。だからピッコロさんももう絶対危ない事を一人でしないで欲しいのです」

 

「う、うむ。善処する」

 

「それは出来ない人が言うお約束という奴じゃないですか!全くもう…」

 

「むむむ…」

 

ため息をつきながらジト目で睨む電にたじろぐピッコロ。過去に悟空と一緒に妻のチチに叱咤された事もあってか、こういう時の地球人の女性には敵わないと彼は悟った。

と、ようやくここで電はたじろぐピッコロの後ろにいるベジータに気付く。

 

「あれ?その人は...」

「ようやく気付いたか。早く貴様等の上司の所へ案内しやがれ」

 

電に会っていきなりピッコロが説教をくらっている間、ベジータはじっと腕を組んで待っていた。が、先程の苛々がまだ残っている状態であるので、待っている間

ベジータの眉はずっと上がりっぱなしでいた。

 

その悪人面と相まって凄まじい表情となっている彼の姿を見た電の感じた衝撃は相当の物で

 

「ひぃやああぁ!?」

 

と、悲鳴を上げ尻もちをついてしまう。その目には涙がたまっており、明らかに恐怖に震えているのが見て取れる。

 

「.........ベジータ」

 

「お、俺は何もしていないッ!!このガキが勝手に勘違いをしているだけだっ......」

 

非難する様な目を向けるピッコロに対し、ベジータは先程の苛々した表情から一転、焦った顔になり必死に弁明しようとする。とてもじゃないが先程まで鬼も裸足で逃げ出す様な顔をしていた者とは思えない光景である。

 

「まったくお前という奴は…おい、電…であってたな?」

 

「ひっぐ…そ、そうなのです…」

 

「こいつは今少し不機嫌な状態でな、別にお前に怒ってる訳ではないのだ。だからそう怖がらなくてもいい」

 

「ほ、本当ですか?でも、物凄く怖い顔をしているのですっ…」

 

涙は収まったものの、まだ少し震えている電。誤解は解けかけてはいるが、これでは話をするのは少々難しい状況だ。ピッコロは右手を顎に当てて少しの間黙り込む。そして何か思いついたのか、中腰になり電の頭に手を添え

優しく撫でた。撫でられて「はわわわ!?」と驚く電であったが嫌がる様子はなく、寧ろ心地よさを感じているのかされるがままとなっていた。

 

「落ち着いたか?」

 

「はっ!?わわわわ!!ご、ごごごごめんなさいなのです!!」

 

「な、何故謝る…」

 

泣き顔から一転、今度は顔を真っ赤にしながら電は必死に謝る。怒ったり泣いたり驚いたりと目まぐるしく表情が変わる彼女にピッコロは戸惑いながらも忙しい奴だ、と思い苦笑する。

 

(悟飯の奴も出会って間もない頃はこんな感じだったな…まぁ泣き虫の面が強かったが)

 

ふと、自分の元いた世界で魔人ブウに殺された悟飯(死んでいないが)の事を思い起こしていたピッコロ。

 

と、その時である。鎮守府の入り口の扉がギィイイイ、と重い音を響かせながら開いた。それに気づいたピッコロ

とベジータは顔を音がした方向に向ける。

 

扉から出てきたのは白い軍服を来た男性と黒髪と茶髪の女性の3人であった。

男性は両脇の女性と共にピッコロとベジータの元へ歩いてゆき、目の前まで来てから被っている軍帽を外し、一礼する。精稈な顔立ちをしており、漆黒の如き黒髪は後ろで一つに束ねられている。瞳はまるで黒曜石のナイフの様な切れ目の黒瞳であり、左目から唇の下あたりまで大きな切り傷と思しきものが付いている。本人は柔和な笑みを浮かべているもののそれが逆に恐ろしく見えてしまう。正直子供なら泣いて逃げ出すレベルだろう。体格は180を超えるであろう長身に細身の体ではあるが、軍人である事を考えると服の下はかなり鍛えられているであろう事が容易に想像できる。

 

「此度は私の部下を助けて頂き、誠に感謝いたします。貴方方の助けが無ければ私達も無事では済みませんでした」

 

「大したことじゃない。助けられた恩を返したまでだ。…それよりもお前は?」

 

軍帽を外し、頭を軽く下げ感謝の言葉を述べる男性。ピッコロは彼の出で立ちを見て横に控えている女性達より上の立場の者である事を察した。しかし一応勘違いという可能性もあるので、念の為に男性に聞いたのである。

男性は手に持った軍帽を被り直すと、多少顔を上にあげながら(ピッコロは2mを超えるので見上げる感じになっている)ピッコロの質問に答える。

 

「申し遅れました。私はこの『呉鎮守府』で提督を務めさせてもらっている『神代 総司』と申します。私共を窮地より救って頂いた事、重ね重ね御礼申し上げます」

 

自らの名を名乗った後、神代と呼ばれた男性は姿勢を正し肘を斜め右に、脇を締めて伸ばした五指を顔の右に当てた。所謂『海軍式』の敬礼だ。左右に控えている2人の女性もそれに倣い全く同じタイミングで敬礼をする。

 

「長門型戦艦、一番艦の長門だ。貴殿等の救援、誠に感謝する」

 

凛とした表情を崩さず、敬礼をしつつ名前を名乗る長門。その後に続いてもう一人の女性も自己紹介をする。

 

「同じく長門型戦艦、二番艦の陸奥よ。私達と『家』を護ってくれて有難うね」

 

少し癖のある茶のボブカットで瞳は透き通る様な黄緑色。和風をイメージしたヘソ出しノースリープの上着は姉の長門と変わらないが、頭の飾りがカチューシャ型、

白の手袋、長門より短いスカート、左足に巻かれた鎖付きの錨など、細かい所に違いがある。軽装な見た目故か、長門よりフランクな感じを漂わせている。姉が『武人』なら、妹は『大人のお姉さん』という言葉がしっくり来るだろう。

 

「ピッコロだ」

 

「………」

 

シンプルに名前だけを挙げるピッコロ。省きすぎな気がしないでもないが、やれ元地球の神だ、やれナメック星人だと言っても自分達の仲間(と身内)以外には判るわけが無いので省略したのである。

 

一方のベジータは腕組みをしたまま無言で前の三人を睨みつける様な目で見ていた。その目は敵意を持った物ではなく、観察し情報を分析する様な目つきであった。

 

(あの二人の女…やはり相当の戦闘力を隠し持ってやがる。提督だとか言ってたヤロウも女共程じゃないがそこそこできるようだな)

 

艦娘達の潜在能力を探り、その予想通りの高さに僅かに口角を上げるベジータ。

 

(…だが、何だ?この違和感は。この俺が強いと思える程の力を持っているはずだ、なのに……)

 

どうもおかしい、根本的に何かが間違っている様な…歯に物が詰まったかの様なもどかしさが彼の胸中を渦巻く。

 

「…い、おい!」

 

「チッ…ベジータだ」

 

自分を呼ぶピッコロの声に思考という名の海から浮かび上がるベジータ。自己紹介をまだしていなかった事に気づき、仕方なしに名前を名乗る。

 

その態度の悪さにピッコロは顔に手を当てため息をつき、叢雲は苦笑を漏らす。陸奥は「あらあら」と言うだけで特に気にした様子はない。長門はこめかみをピクリと動かし口には出さないものの、明らかに印象は悪い事が想像できる。

 

「すまん…こいつはいつもこういう態度しか取らんのだ。気に障るかもしれんが堪忍してもらえると助かる」

 

「構いませんよ。十人十色、とも言いますしね」

 

頭を下げ、ベジータのした事について謝罪をするピッコロに、神代は別段気にする素振りも見せず、話を続ける。

 

「立ち話も何ですので、中で話しませんか?無論、そちらが急ぎの用事があるのなら無理強いはしませんが…」

 

神代の言葉にピッコロは心の中で安堵した。元々態度の良くないベジータであったが、今回は更に輪をかけてよくない状態になっている為、何をしでかすか不安になってしょうがなかったのである。下手に相手を傷づける(物理)様なことがあれば、話を聞けないどころか追われる立場の身になっていただろう。神代と呼ばれる男が見た目に対して大らかな人物だというのも僥倖であった。もし気難しい性格であるならばこうはいかなかっただろう。

 

「…いや、その話を受けよう。こちらも色々気になる事があってな」

 

「助かります。私としても恩人に御礼もできないのは心苦しい事だと思っておりましたので。――では、こちらへ」

 

神代の提案に渡りに船、と乗るピッコロ。神代もその答えに満足するように頷くと、鎮守府の入り口に踵を返し

歩を進めだした。そして額の汗をぬぐい心の中で安堵の声を漏らす。

 

(話の分かる人で助かった。怒りやすい性格で下手に気分を損ね怒らせたりでもしたら、加賀達からの報告が本当なら自分の命どころかこの鎮守府一帯が壊滅しかねなかった所だった)

 

長門達がいる手前、平静を装ってはいたものの、ピッコロとベジータから視線をそらした瞬間、冷や汗が噴き出た。敵意を向けられていないにもかかわらず、無意識に体がこわばってしまった。これなら敵部隊を一人で壊滅させたというのも頷ける。

すぐにでも一息つきたい所だが、まだ最初の関門をクリアしただけであり、彼らとの話し合いこそが本命である。先程長門から言われた油断するなという言葉を嚙み締めつつ神代は鎮守府の扉を開くのであった。

 

 

―――

 

ざわ…ざわ…ざわ…

 

「ほう、彼の者どもが例の…ふぅむ。おかしな格好をしておるのう!」

 

「すっごく恰好よくて強そうっぽい!でも緑の人、顔色悪いっぽい?大丈夫かなぁ」

 

「ふっふっふ…わかる、わかるで!あの額が広い兄(あん)ちゃんはお好み焼きを作れる!うちの目に狂いはないっ!!」

 

「ん~…な~んかあのピーマンみたいな色した人どっかで見たことあるんだよねぇ~」

 

「あんなMハゲ凸野郎やミドリムシなんてどうでもいいじゃないですか、北上さん♪(北上さんに手を出そうとしたらコロス…)」

 

 

(なんなんだこの場所は...!!お、女ばかりじゃないか!!)

 

 

鎮守府内の通路を歩く提督・長門・陸奥と後ろからそれについていくピッコロとベジータ。

が、ピッコロは既に疲れたような顔をしていた。何故かというと、先程から艦娘達とすれ違う度に好奇の目線と騒がしい声を受けているからである。電や長門、陸奥と会ってある程度予想はしていたものの、この鎮守府という建物には提督である神代と工廠(兵装を作る場所)にいるわずかな整備員達を除いて男が存在しない。つまり戦いの主軸となるのがこの艦娘という女性達だ。女三人寄れば姦しい、というが3人どころかもう両手で数えても到底足りないくらいの艦娘とすれ違い、その度に同じ反応をされるのだ。騒がしいのが苦手なピッコロ達にとってはたまったものではない。しかも時たま物凄く敵意をむき出しにしたような視線も感じるのだ(妙な悪寒を感じたのでスルーしたが)

ベジータはこの展開をすでに予想していたのか、両目をつぶり、腕組みをしながら歩いている。恐らく精神を集中させて余計な雑音を防いでいるのだろう。…それでも額(M字ハゲ)の話がでると耳がかすかにピクリ、と動いてはいるが。

 

「申し訳ありません。なにしろたくさんの艦娘がここで生活していますので、施設も広くせざるを得ないのです」

 

歩きながら顔と体を半分ほどピッコロ達の方に向け、申し訳なさそうに話す神代。

 

気にしてるのはそこじゃないんだがな、と思いながらも口には出さないピッコロ。そうとは知らず神代は歩みを続け、やがて数ある扉の一つの前で立ち止まる。

 

「着きました。さぁ、此方へ」

 

神代の言葉を合図に、彼のそばを歩いていた長門がドアノブを手に取り扉を開ける。中は綺麗に整えられており、ソファーや時計等の調度品はよく使いこまれているように見えるが古ぼけた様子はなく、むしろ丁寧に磨かれていて輝きを放っている。ピッコロ達が入ったのは来客を持て成す時に用いられる賓客室だった。

 

「失礼する」

 

そう言いソファーにゆっくり座るピッコロ。すでに目を開けていたベジータも同じように座り込む。その後に反対側のソファーに神代が座り込む。長門と陸奥は座らず、先程と同じ様に彼の両脇に控えている。

 

(やはり警戒されているか…まぁ当然といえば当然だがな)

 

ピッコロは長門達の視線に気づき、その瞳に若干の警戒が含まれている事を察した。恐らく自分達の戦いが艦娘達に知られたせいであろう。何か事を起こそうとしようなら即座に反撃されるのは火を見るより明らかだ。最も、自分達は争いをしにここに来たわけではないのだが。注がれる視線に気づかぬふりをし、ピッコロは神代に質問をする。

 

「さて、早速で悪いが…1つ聞きたい事がある。重要なことだ」

 

「わかりました。わかる範囲であればですが、何なりとお聞きください」

 

早速話を持ち出してきたピッコロに、神代は心の中で身構える。何を言ってくるのか、金の要求か?それともこの鎮守府の戦力についての情報か?それとも

 

(いや、それはないだろう。…何を考えているんだ自分は)

 

勘とはいえ彼らを信じたはずなのに、こんな下衆な勘繰りをしてしまう自分に嫌になり人知れずため息をつきそうになる。が、今は対談中であるので顔には出さず、質問の内容に耳を傾ける。

 

「助かる。まず、この世界の歴史を知りたい」

 

「歴史…ん?歴史ですか?構いませんが…何故です?」

 

意外な事にピッコロが聞いてきたのは世界の歴史についてだった。なぜそのようなことを知りたがるのか?この鎮守府の事や今の世界の在り様についてではなく、もっと基本的な事について質問されるとは思っておらず、内容を聞いた神代も一瞬呆気に取られる。そしてすぐにその意図について尋ねた。

 

「少し気になる事があってな…ここに来るまで色々考えていた。恐らく世界の歴史が分かれば、俺達の知りたい事も自ずとわかってくると思ったのだ」

 

ピッコロの答えに神代は右手を顎に当て、しばし黙り込む。向こうが何を考えてるのかはわからない。しかし少なくとも軍機に触れる様な事ではない為、話しても別に問題はないであろう、そう神代は考える。

 

「ふむ…よくはわかりませんが、その程度ならお安い事です。ですが、話が長くなるといけないので最近の出来事についてのみですが…宜しいですか?」

 

「ああ、問題ない」

 

ピッコロの了承を得て、神代はこの一見普通の、しかして歪なこの世界について語り始めた――

 

 

―――

 

 

「…なるほど、大体の事はわかった」

 

ピッコロは神代の話を聞き終えて、おおよその事を理解した。神代の話を要約すると、

 

1;今から10年程前に突如として現在は深海棲艦と呼称される謎の敵が出現した。

 

2:それまでは世界中で戦争とはいかずとも小競り合いが繰り返し行われていた。しかしある期を切っ掛けに若干のわだかまりを残したものの、そういった争いが終わり一応の平和となった(深海棲艦が出現する30年程前だそうだ)。

 

3:深海棲艦に既存の兵器はほぼ通用せず、世界の有力国(アメリカ・ドイツ・イギリス等)が総力を結集して挑んだにも関わらず結果は惨敗。シーレーン(海上交通路)を破壊され、各国間の船での移動、物資輸送もほぼ不可能な状況である。

 

4;深海棲艦に人類が壊滅的打撃を被ってから2年程経ち、この日本という国から『艦娘』という存在が現れ始めた。彼女らは深海棲艦に効果的にダメージを与えられる存在である事がわかり、それ以降、艦娘達の奮闘により敵勢力をある程度駆逐する事に成功。現在の戦況は五分五分の状態になっている。

 

と、いう話であった。

 

「やはりな。当たって欲しくない予想だったが、当たってしまったか…」

 

右手を顔に当てため息をつくピッコロ。神代は彼の言動の意図が読み取れず、思わず聞き返した。

 

「予想…と、いうと?」

 

「神代、これから言うことはお前達にとっては全く非現実的な事となるだろう。だが全て事実だ」

 

「「「………」」」

 

ピッコロの真剣な表情から余程重大な話であることがわかる。故に、神代だけでなく長門、陸奥も押し黙り次の言葉を待った。

 

「恐らくだが、俺達は『元いた世界』から『この世界』へと移ってきてしまった。…理由はわからんがな」

 

「元いた…世界…」

 

「えっ?それって…」

 

「どういう事だ…?」

 

 

その衝撃的な発言に、3人ともそれぞれ別の反応を示した。神代は顎に拳を当て、同じ言葉をゆっくりと繰り返す。陸奥は口に手を添えて目をぱちくりさせて驚いている。長門は眉根を寄せて難しい表情をしている。

 

「まず、軽くだが『俺達の世界』について話す。突拍子もない話ばかりになるだろうが、心して聞いてほしい」

 

ピッコロは3人に自分達の世界、そして今何が起こっているかを話し出した。世界の43の小国が集まり一つの連邦国家となっている事、南北東西に大きな都がある事。そしてその世界が魔人ブウにより、壊滅的な打撃をこうむっている事等々…(過去に戦ってきた敵や天下一武道会等の話は関係ないので割愛)。

 

「…何というかその、色々と凄まじいですね」

 

話を聞き終えた後、神代はぽつりと呟く。その顔には明らかに疲労の色が窺える。陸奥も額に指を当て目を瞑り「う~ん」と唸っている。長門に至っては頭から煙を出して呆然とした状態になっている。

 

「ちょっと待って。言いづらいんだけど…本当にそれって実際の話なの?」

 

「そ、そうだぞ!!私達を騙してからかっているんじゃないのか!?質の悪い冗談だ!!」

 

陸奥は何とも歯切れの悪い言い方でピッコロに対して自分の疑問を口にする。はっ、と我に返った長門も陸奥と同じく食って掛かる様な態度で答えを求めて詰め寄る。

 

「すべて事実だ。最も『俺達の世界』ではだがな。俺からしたらお前達の世界の方も大概だとは思うがな」

 

何千もの国家があること。一つにまとまっているのではなく、いくつもの国が独立した勢力となっている事等、同じ地球であるにも関わらずこれほどたくさんの相違点がある事。驚くべき事ではあるがそれより気になるのは艦娘と深海棲艦という2つのキーワードだった。

 

「おい、貴様等!」

 

と、そこで突然割り込む様に声が響き渡る。ピッコロと神代、長門、陸奥が声をする方に顔を向けると、そこにはベジータが腕組みをしたまま苛々した表情でこちらを睨みつけていた。

 

「いつまでもどうでもいい事をべらべらと喋りやがって…!世間話をしにわざわざ俺をここに呼んだのか!?」

 

物凄い剣幕で怒鳴るベジータ。その様子にピッコロは周りに聞こえない程の小さい溜息をつく。

 

(もう少し詳しく話を聞きたかったが...これ以上は無理か)

 

 

「神代、お前達が望んでいるのは俺達との話し合いか、それとも『()()』か?」

 

「っ...私達はただ貴方達に御礼がしたかっただけですよ」

 

ピッコロの言葉に意表を突かれたのか、神代は一瞬言い淀み、吐き出された様に言葉を紡ぐ。

 

「確かにそれもあるだろう。が、それだけでここで一番上の立場にいるお前が態々出てくるとは考えにくい。隣の二人に護衛を任せているとしても危険である事に変わりは無い」

 

「.........」

 

畳みかける様に話すピッコロに神代は何も言わず、推測を聞き続ける。

 

「先程の話を聞く限り、人類と深海棲艦との戦いは一進一退を繰り返している訳だ。そんな折に俺達がお前達を助けた。ならば此方に協力してくれるかも知れない...だから危険を承知で自ら会って確かめたかった。違うか?」

 

「――何もかもお見通しですか。確かに貴方の言う通り、私はその強力な力が戦争を終結させる事が出来るのではないかと考えておりました」

 

 

観念したかの様に軍帽を深くかぶり直し、自分の胸中を明かす神代。陸奥と長門は神代がピッコロ達に会う理由を知っていたので、大丈夫なのか?と不安な気持ちになり神代に視線を向ける。

神代もそれに気づいたのか、大丈夫という目配せを二人に送った。

 

「ですが、これは私達の世界の問題です。巻き込まれた貴方方にこれ以上迷惑をかけたくはない。何より純粋に私達を助けてくれた貴方方を利用する様な卑怯な事はしたくありません」

 

神代は濁りの一切無い目でピッコロに自分の本心を語る。ただでさえ強面の顔が引き締まった事で、さながら893(ヤグザ)の様だ。そんな中、ベジータは神代をじっと見たかと思うと皮肉めいた言葉を吐く。

 

「どうだかな。口ではそうは言ってやがるが本心では俺達にあのバケモン共の相手をしてほしいんだろ?」

 

「おい、ベジータ...!」

 

まずい!と思いピッコロはベジータを止めようとするが時すでに遅く、ベジータは神代達に指を指し声を荒げる。

 

「あの加賀とかいう女共と話してそれがよーくわかったぜ。...この俺に他人の元で働けと?巫山戯るな!」

 

 

(~~ッ!!こ、こいつは...!!俺の気苦労も知らずにッッ...)

 

穏便に話を進めようとした矢先にこれである。ピッコロは頭を抱えてベジータと自分の運命(苦労人の体質)を恨む事しかできなかった。

 

 

 

 

話が始まったばかりでこの始末☆はてさて、この先、どうなりますことやら?

 

テレレーテレーテレーンテッテテー♪(アイキャッチ)

 

 

 

―――

 

(CM)

 

孫悟空「間宮!!」

 

ベジータ「寄こせぇ!!」

 

加賀「嫌です(キリッ)」

 

孫悟空「ドラゴンボールと艦これがコラボした!」

 

ベジータ「パフェくれよぉ!!」

 

加賀「やーだよ(もっきゅもっきゅ)」

 

孫悟空「給糧艦間宮特製ギャリックパフェ!!ベジタブル味!!艦娘ねんどろいども!!」

 

 

 

 




どうも、ムリアリアです。忙しい+文章たしたり削ったりしてたらこんなに長くなりました。ごめんなサイヤ☆

ちなみに提督の名前の元ネタは某クロスゲームの主人公の名前から取ってます。次は一月に投稿するはずです!もう少しお時間を!

ブロリー「出来ぬぅ!!」
ケール「ムリアリア...コロス!」

ふぉお!?(W岩盤)






追記;悟空の次回予告加えました。本来なら前後編ということもあるし、CM流した後に次回予告とかどうなのよとか思われるかもしれませんが、許してチョンマゲー!次に似たようなことが起こったらその時はちゃんと考えてやります。

追記の追記(2021/8/27);次を書いていていろいろおかしいと思ったので次回予告は破壊☆します。あと後編と書きましたがあまりにも長いので次回は中編です。なので次回予告も変えるという訳だぁ!行き当たりばったリーです・・・はい。
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