転生系ヒャッハー少年フリード   作:谷原きり

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兄貴のメガネをクラッシュしたい


負け犬と神父の邂逅、つまり物語の始まり

転生して色々あって、気づいたら神父になって破門された。

 

俺の人生14年、この一言で終わる。

 

だって教会(ここで戦士に育成された)ってのが基本狂信のいかれポンチどもの巣窟だし娯楽なんざねぇしつまんねぇし、そんな日々の中で唯一の楽しみが背教者とのバトル。

んでそうやってエクソシズムに励んでいた敬虔(笑)な神父を欲の皮突っ張った老害どもったら破門してくれちゃって。俺はただホモ司教からケツの穴守るために過剰防衛しただけだってのに。思わず審問の場でファッキンホモゴッドって叫んじまったゼ☆いや別に教会に執着とかないけど。

 

そんなこんなで根なし草。今日も今日とてクズを狩って賞金をGETしちゃうぜ。

 

…とか、おもってたんだけど。

 

「…ホントさ、何様なわけ?アレデスカ、私は至高の堕天使として、誰々様に仕えるのー!だからこの程度の相手につまづいてられないわぁー!とかっていう暑苦しい自己陶酔的な何か?だとしたらマジウケるわー、主に俺のムカつきスイッチが」

「ぐ…ぅ」

 

俺のケツの下でズタボロになって寛いでらっしゃる堕天使。この世界の人外ならではの整った容貌の、その後頭部に銃口を突きつけられて、何も出来やしない。

え、何でこんな状況かって?簡単簡単、悪魔発見→2/3殺し→俺ごと殺そうって一撃が後ろから→かわしたら獲物取られる→ぶちギレで半殺し→今ココ。

…あーあ、ホントこーゆー人外ってツマンネ。対して強くもないのに私こそ至高!とかいう無駄なプライドを持って、こちらを見下してあっさりやられんだよな。

 

と、なにやら堕天使が口を開いた。

 

「な…何で…人間の癖に、そんなに、強いのよ…」

「あん?決まってんじゃないですかー、才能だよさ・い・の・う。ま、それを見事に磨いた結果出来たのがダイヤモンドの如くキラめく完璧天才美少年神父☆フリード様なわけっすけどねー、ひゃはははっ」

「…くっ」

 

悔しそうに、だがそれだけではなさそうに呻く。少し疑問に思うが、まぁいい。何と言うか、心が満たされる…何だろうこの自分が上だと勘違いした奴に、現実を突きつける爽快感。たまんねぇ。

ニヤニヤ笑って、改めて銃を後頭部に突き付け直す。

 

「そんじゃ死んじゃう?死んじゃう?今なら三択目の選択肢、一思いに死んじゃうもあるゼ!さぁどれにします制限時間は10秒!堕天使生最後の時間をゆっくり楽しんでいってね!じゅーう、きゅーう---」

「…アンタ、さっき才能を磨いたって言ったわよね」

「---あん?」

 

首を精一杯ひねり、左の目だけが見える。なにやら据わった目。諦めたわけではない、決意の見える目だ。

人外にはなかなか見ることの少ない、美しさすら感じる目に、俺は意図せず口角を吊り上げる。

 

聞き返した。

 

「…だったらなんざんしょ?」

「私を、鍛えて」

「…っぷ。ひゃは、ひゃははは、うひゃひゃひゃひゃっ!!」

 

爆笑。こんなの笑うしかない。

如何にもな低級の、プライドばかり高い人外が、たかが人間に懇願する。それを思えば笑うしかなかった。

 

こうした低級の人外であるほど、人間や他種族を意味なく貶す。貶める。取るに足らない存在だと、利用されるだけの家畜のような存在だと。

そういう奴等ほど、その家畜にあっさりとやられるのだ。この中級下位の堕天使がそうであったように。

 

だが、今のこいつは違う。弱さを突きつけられ、死を目前にして、それでも屈辱に耐え、立ち上がらんとする貪欲な意思を感じる。

前世の知識から引用するなら-----気高く飢えている。

 

泥にまみれた横顔は漫画のように格好よくはない、けれどもその目だけは前世で読んだ漫画のヒーローのようで。

 

「ひゃひゃひゃ----…それで?お前は俺様に何をしてくれんの?」

「何だって。殺せと言われれば殺す、裸になれと言われたら脱ぐわ。何だって、やってみせる」

「お前を捌け口にしようとしたら?」

「受け入れる」

 

ノータイムでの返答に口笛を吹く。そこから口角を吊り上げ最後に問う。

 

「ならよぉ…死ねって言われたら?」

「----何をしてでも、あんたを道連れにするわ」

「ひゃーっはっはっはっはっはっ!!最っ高だぜ最高ォ!!」

 

銃を放り投げ堕天使から退き、手を差しのべる。呆然とする堕天使の手を無理矢理掴んで引き上げ立ち上がらせた。

今の俺とほぼ同じ身長のそいつは目を白黒させる。急な態度の変化に着いていけていないらしい。

 

「改めて。フリード・セルゼンだ。今日からお前の師匠ってやつになる。歓迎するぜ、盛大になァ!」

「…レイナーレ。中級堕天使よ。よろしく」

 

ぶっきらぼうに告げるそいつの名前で理解した。

 

----ああ、ここはハイスクールD×Dの世界だったのか。

 

前世で読んだライトノベル。その一巻ボスと子悪党。自分の名前で、なんか聞き覚えがあるなんて思っていたが、十四年も生きてれば前世の知識なんて薄れる。

すでに原作知識はだいぶ薄れているが、もうそんなことどうでもいい、俺は予感した。

 

やっと詰まらなくならなさそうだ、と。




フリードらしさとかはあんまりない。ただヒャッハーさせたいだけ
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