知識の悪魔の高校生活   作:零崎妖識

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会議

放課後、杏はさっさと委員会本部へ向かった。途中で達也と合流し、達也がエリカと回ることを聞いた。

 

 

 

「なぜお前らがここにいる!」

 

「……しゃら、っぷ」

 

本部に入った直後、杏と達也に浴びせられたのは罵声だった。

 

「ここは風紀委員会本部だ。なぜ二科生のお前らがここにいる!」

 

「やかましいぞ、新入り。その答えは今お前が言っただろう。ここは風紀委員会本部だ。ここにいるのは風紀委員だけだ」

 

「申し訳ありません!」

 

一瞬で、森崎は直立不動の姿勢をとる。まだ、摩利への緊張が抜けてないらしい。

 

「全員揃ったな。そのままで聞いてくれ。

今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやってきた。風紀委員会にとっては新年度最初の頃山場となる。

この中には去年、調子に乗って大騒ぎした者も、それを鎮めようとしてさらに騒ぎを大きくしてくれた者もいるが、今年こそは処分者を出さずとも済むよう、気を引き締めて当ってもらいたい。

いいか?くれぐれも風紀委員が率先して騒ぎを起こすような真似はするなよ」

 

摩利の言葉に、委員会の半分以上が首をすくめた。

 

「さて、今年は卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう。三人とも、立ってくれ」

 

事前に聞かされていないことだったが、3人はまごつくことなく立ち上がった。森崎は緊張を隠せず、しかし熱意を表したような顔をし、達也は肩の力を抜きすぎているようであり、杏は無表情でぼーっとしていた。上下関係に厳しければ森崎の態度が好ましいだろうし、実力主義なら達也の方が頼もしく見える。杏は……よくわからない。

 

「一-Aの森崎駿と一-Eの司波達也、古木杏だ。今日から早速、パトロールに加わってもらう」

 

ざわめきが生じる。二人も二科生がいるからだろう。

 

「誰と組ませるんですか?」

 

「もちろん、各自単独だ。それは新入りであろうと変わりはない」

 

「役に立つんですか」

 

「実戦で使えなければ切り捨てる。一週間を乗り切れば、こいつらが使えるかどうか、はっきりしてるだろうさ。

 

よし、では早速行動に移れ。レコーダーを忘れるなよ。それと、森崎、司波、古木の三名は残ってくれ」

 

他の委員が出て行き、摩利と新入り三人が残る。

 

「さて、まずはこれを渡しておこう。レコーダーは胸ポケットに入れておけ。ちょうどレンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側面のボタンだ」

 

摩利から腕章とレコーダーを渡され、言われた通りにする。腕章はまだいいだろうと、ポケットへねじ込んだ。

 

「今後、巡回のときは常にそのレコーダーを携帯すること。違反行為を見つけたら、すぐにスイッチを入れろ。ただし、撮影を意識する必要はない。風紀委員の証言は原則としてそのまま証拠に採用される。念の為ぐらいに考えておけばいい」

 

三人とも頷く。摩利は三人に携帯端末を出すように指示し、それぞれに委員会用の通信コードを送信した。

 

「報告の際はこのコードを使用すること。こちらからの指示もこのコードを使用するから必ず確認してくれ。

最後に、風紀委員はCADの学内携行を許可されている。使用に関しても、いちいち誰かの指示を仰ぐ必要はない。だが、不正使用が発覚した時には、委員会除名の上、一般生徒よりも厳重な罰を与える。一昨年はそれで退学になったヤツもいるから、甘く見るな」

 

「質問があります」

 

「許可しよう」

 

「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

「構わないが、理由は?釈迦に説法かもしれないが、あれは旧式だぞ?」

 

「……確かに、旧式、だけど……エキスパート使用の、高級品。調整は面倒でも、達也クンなら、問題、無いね……」

 

「……そうなのか?」

 

「ええ。杏の言う通りです。しかるべき場所へ持ち込めば結構な値段がつきます」

 

「……それを我々はガラクタ扱いしてたという訳か。なるほど、君が片付けにこだわる理由がわかったよ。よろしい、使ってやってくれ」

 

「わかりました。では、この二機をお借りします」

 

「二機……?君は本当に面白いな」

 

通常、CADは汎用型一機で事足りる。いや、二機同時操作が難しいのだ。互いのサイオン波が干渉しあい、魔法が発動しなくなる。だが、達也はそれでも二機持っていくと言う。杏は目を輝かせていた。面白いものが観れるかも、と。

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