悪魔には階級があったりするんですが、なんとなくクトゥルフ神話で表してみました。
例えば、ダンタリアンさんは上から三番目の階級である公爵なので、クトゥルフやハスターと同じ位置、ウァサゴさんはその上の君主なのでシュブ=ニグラス、アスモデウスさんやバアルさんは王なのでヨグ=ソトースぐらいですかね。私は、そうですねぇ、ニャルラトホテプってとこですかね。彼とは違って、上に従ってるわけではありませんが。
では、ラヴクラフトは?私たちを呼ぶ魔道書か、それともファウストさんか、それともゲーテなのか。戯言ですけどねぇ。
特化型のCADを抜いた男子の名前は森崎 瞬、杏が拘束した女子の名前は光井 ほのかとわかった。もう一人、北山 雫という女子もいる。森崎は捨て台詞を吐いて去っていったが、残りの二人は一緒に帰りたいと言ってきた。
達也の隣には深雪が、反対にはほのかが陣取っている。
(……あ、彼女、達也クンが、好きなんだ……)
ダンタリアンの権能の一つは思考操作。人の思考を自在に操り、どんな秘密の企みも暴き出し、愛情すらも植え付ける。そんな彼女が、人が恋する瞬間を見逃すはずがない。そもそも、ダンタリアンの獲物は、知識を求める人間と、誰かと恋仲になりたい人間である。稀に、誰かと敵対したいとか、そんな変なのもいるが。
達也が深雪のCADのメンテナンスをしているという話になり、エリカが自分のも見てくれと言っていた。だが、
「無理。あんな特殊な形状のCADをいじる自信はないよ」
拒否。それも、技術的な問題で。エリカのCADは刻印型という、とても特殊なもの。一つの術式に特化させた武装一体型だ。杏ならいじれなくはない。幾何学紋様は一種の芸術。ダンタリアンの得意分野だ。もっとも、CADの技術自体、芸術に入る可能性があるので、ダンタリアンは自分のCADを自分でカスタマイズできたり、魔法式の編纂ができたりするのだが。
ーーその後、エリカが兜割りをマスターしていると判明し、美月が「この高校は一般人の方が珍しいのかな?」との天然発言、雫の「魔法科高校に一般人はいないと思う」という的確なツッコミが入り、シリアス含め色々な空気が入り混じった状況はグダグダに終わった。
三日目である。今日はいつもより遅く登校した。そして、なぜか達也の名前を呼びつつ手を振りながら走る生徒会長を目撃することになった。
「……嫌な予感」
杏は真由美に捕まった達也たちの横をこっそり通り抜けていった。達也からは睨まれたが。
杏は、一人で静かに弁当を食べる派である。すぐに食べきって読書したり、食べながら本を読んだりしたいからだ。けれど、達也に捕まってしまった。
「すまんが、会長にお前も呼んでこいと言われていてな。一緒に来てもらう」
「選択肢」
「ない」
そんなわけで、杏も生徒会室へ向かった。
生徒会室の中には、四人の人間がいた。生徒会長の真由美に、会計の市原 鈴音、書記の中条 あずさ、そして、なぜかいる風紀委員長の摩利。真由美はそれぞれのことを、リンちゃん、あーちゃんと呼んでいた。リンちゃんはともかく、あーちゃんは似合っていた。
それぞれの間に共通の話題はない。よって、話は今食べている料理の話になる。摩利と杏は弁当、それ以外はダイニングサーバーによるレトルトだ。
「渡辺先輩と杏の料理はご自分で?」
「意外か?」
「いえ、少しも」
「……アパートの大家が作った。ちなみに、男」
「……一口もらいますね。……男性に女子として負けた気がするわ」
「杏はアパート住まいなのか」
「案内する気は、ない……」
そんな和気藹々とした空気の中で、会長はいきなり本題を話してきた。深雪を生徒会に入れたいということだ。だが、深雪は達也が一緒でなければ嫌だと言う。が、規則なので、達也は生徒会には入れない。深雪はおとなしく、生徒会に入ることになった。
「一つ言わせてもらおう。風紀委員に二科生を選んでも何の問題もない」
そして、摩利が爆弾発言をしてきた。
「まだ、生徒会枠が二つ埋まっていない。つまり、だ。達也くんと杏を風紀委員に入れたいと思うのだが?」
杏は了承したが、達也は拒否している。話は放課後に持ち込まれた。
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