元勇者だが、今はモブです(白目) 作:ジャック・ザ・リッパー
今回は、主人公がやらかします。
感想求む。
俺は、クルス少年を連れて自宅まで帰ってきた。
俺がクルスを連れて帰ってきた時に母が出迎えてくれた。母はクルスを見ると、少し不振な顔をしたがすぐに笑顔で接してくれた。まぁ、仕方ないとは思う。息子がいきなりはっきり言って汚い少年を連れて帰ってくれば、何事かと思うだろう。
「母さん、こいつ汚いから洗っていい?」
「こら!ごめんなさい、クレムは口が悪いの。えっと?」
「ク、クルスです。クレムさんに助けてもらいました!よ、よろしくお願いします!」
「あら、きちんと挨拶ができるのね。うちのクレムとは大違いね。」
「母さん、一言多い。こいつ、風呂に入れてくる。」
俺はそう言って、クルスを風呂場まで連れていった。風呂場の桶にはお湯が張ってある。この世界では、シャワーというものはなく、それどころか湯船にお湯を張るような文化はない。
一応、温泉というものはあるらしいが、そこまで風呂が好きではないので俺的には気にならない。
「ん?どうかしたか?」
俺が服を脱いで全裸になったのだが、クルスは顔を赤くしながらモジモジしていた。
「どうした?早く脱げよ、風邪引くぞ。」
「え?う、うん......」
俺の問に、クルスは答えるも動かない。人前で脱ぐのが恥ずかしいのか?それとも、一人では脱げないのか?しょうがないな、俺と同じ年のくせして。
「おい、両手を上げろ。引き抜いてやる。」
「えっと......う、うん。」
俺は、クルスに両手をあげさせて、泥だらけでグショグショになった上着を引き抜いた。上着の下から、筋肉のついていない雪のように白い肌が露となった。
下も脱がせようとすると、クルスに腕を捕まれた。
「や、やだよ......やめてよぉ...。」
もしかして、見られるのが恥ずかしいのか?
まぁ、昔は俺も水泳の時間で、男同しで相棒の大きさ比べをしたものだ。小さかったり大きかったりすると、よくからかわれてかわいそうな奴もいた。本当に、恥ずかしそうにしていたな。
だが、俺の腕を掴むクルスの手はとても冷たくなっている。早くしないと本当に風邪を引く。そう思い、俺はクルスのズボンを強引に脱がせた。
「やめてよぉ......お願いだから...。」
残りのクルスのカボチャパンツを脱がせようとすると、クルスに頭を殴られた。俺は、クルスの顔を見ると、クルスは俺を涙目になって睨んでいた。なんだ、そんな反抗的な顔ができるじゃないか。何故虐められているときにその顔ができないんだ?
「別に、からかったりしねぇよ。あいつらじゃあるまいし。」
「そ、そうじゃない......や、やだぁ...。」
クルスは泣きながら俺を拒絶していた。あれか?クルスの種族は他人に肌を見せてはいけないとか言う掟でもあるのか?
「わかったよ。だけど、後できちんと着替えろよ。濡れた服を着ていると気持ち悪いし、体を冷やして風邪を引くんだからな。」
俺はそう言って、クルスのカボチャパンツから手を離した。クルスは泣きながら頷いた。
クックックッ、馬鹿め。この俺が、そんな簡単に諦めるわけがないだろ?
「かかったなアホが!」
俺は、クルスのパンツをつかんで一気にずり下ろした。
クルス少年よ、さっさと洗われろ。
「えっ......ぃゃあー!」
「......ん?えっ!?」
クルスは悲鳴を上げて、一瞬でしゃがみこんで体を隠した。俺の目に写り込んだのは、俺と同じような相棒ではなかった。
そう......無かったのである。
無い筈のものがあった。fate的に言うと、クルスにはエクスカリバーではなく、アヴァロンの方が付いていた。
そう、クルス少年は、
彼ではなく......彼女だった。
あ、あれ?もしかして俺、とんでもないことをしでかしたのでは?頭の中が真っ白になった。
「クレム......何をしているのかしら?」
俺の後ろから、母の声が聞こえた。
今の俺はクルスのパンツを握りしめ、クルスはしゃがみこんで泣いている。どう見ても、犯罪的な絵面だった。
俺の手から力が抜け、クルスのパンツを離した。クルスのパンツがパサリと落ちる乾いた音が聞こえた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「クルスさん、誠に申し訳ございませんでした!」
俺は、クルスに向かって土下座をして謝った。
本当に、クルスには大変なことをしてしまった。あの後、クルスには母が体を洗った。今のクルスは、灰色の髪は本当に灰を被っていたようで洗われたクルスの髪は、とても美しい金色の髪だった。クルスの正体はエルフだったのだ。
だが、俺も問題があったがクルスの方にも問題があると思うのだ。クルスは女の子らしくなく、髪は男のように短髪でズボンを履いているのだ。女の子には見えない。
しかし、これも仕方がないことだとも思う。彼女は虐められていた。髪を長くしていれば掴まれる、スカートだと走りづらいので逃げられない。そういった理由で、彼女は髪を切り、ズボンを履いていたのだ。
「もう、いいよ。僕は、もう帰るよ。」
クルスは、目元に涙の後をつけて帰ろうとした。
俺は、無意識にクルスの手を掴んだが、振り払われてしまった。
「ご、ごめんなさい!......虐めないで...くださいっ!」
クルスは、俺を見て怯えていた。彼女の目は、虐めっ子達が俺を虐めさせようとしていた時にしていたあの時の目だった。
彼女は、俺が助けるまでずっと一人で虐められ続けていたのだろう。俺の手を振り払ったことで、自分はまた虐められてしまうのでは、そう思って必死なのだろう。俺は、クルスの手を握った。
「クルス、俺と友達になってくれないか?」
「......えっ?」
クルスは、俺が守ってやらなきゃいけない。虐められていた彼女は、助けてくれた俺をまるで希望のように見ていた。それに、今回のことで彼女への責任をとらないといけない。
なら、なってやろうじゃないか!
彼女の、クルスの希望に!
「俺を、クルスの友達にしてくれ。」
「......う、うん。よろしくお願いします。」
これが転生者クレム七歳の、責任の取り方だった。
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