元勇者だが、今はモブです(白目)   作:ジャック・ザ・リッパー

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オリジナルは気楽に書けていいね。

原作のある作品だと、設定とかを理解していないとボロクソ言われるけど、オリジナルは自分で考えるから書いていて楽しいです。
みんなも私の作品を読んでみて、自分達も書いてみたいと思ってくれればいいなと思います。

感想待ってます。


モブの3話

クルスと友達になってから3年、俺は10才になった。意外と充実した3年で、クルスは俺が友達になってから変わっていった。

 

まず、一番始めにクルスは明るくなった。初めのうちは、ぎこちなく笑っていたのだが、自然と笑うクルスは笑うと結構可愛いのだ。

 

次に、クルスは虐めっ子達に抵抗する力を手にいれた。エルフである彼女は、戦うために魔法を学んでいたのだ。最初はシャボン玉しか出せなかったが、今では虐めっ子達に水の玉を撃ち放つ位に強くなった。もう俺が守らなくても良さそうだ。

 

そして、彼女は可愛くなっていた。短かった髪は長くなり、ズボンからスカートを履いて女の子らしくなっていた。相変わらず眼帯だが、今では村一番の美少女として有名だった。

 

俺の方はと言うと、この世界にレベルの概念があることを学んだ。父さん達にレベルカードを見せてもらった。父さんはレベル28、母さんはレベル52というこの中で母さんが一番強いことが判明した。

 

レベルカードは、12才から発行され学校で初めて手に入れることができるのだ。発行されたレベルカードは、本人の素質によって最初のレベルは異なり、強さのランクが決まるのだ。レベル15が平均とすると、30が一般兵、50が上級兵、75以上は歴戦の猛者とされる。勇者に至っては、歴代で最も弱いものでも150を越えるらしい。

 

母さんは元々、ネオン帝国の王宮魔導士だったのだが、父さんに求婚され、咄嗟に『一ヶ月以内にレベルを10以上上げたら付き合ってあげる』と言われたそうで、父さんは死ぬ気でレベルを10以上上げたらしい。

母さんは、父さんがあまりにも必死で頑張っている姿に感動し、結婚したらしいという呆け話も聞かされた。

 

多分、今の俺の体は前世とは違う体だろう。

おかしな能力を持っているせいで、勇者のパーティーに加えられないかが心配になるが、きっと大丈夫だと思いたい。

 

だが、俺はまだ知らない。自分の心配をしている間に、別れの日が近づいていることに。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

その日、俺は本を読みながらクルスが家に来るのを待っていた。そんな俺に、珍しく父さんが話しかけてきたのが始まりだった。

 

「クレム、今日もクルスちゃんと遊ぶのかい?」

 

「ああ。」

 

「クレムは幸せ者だな、クルスちゃんに好かれていて。本当にお父さんは嬉しいよ、クルスちゃんが僕の娘になると思うと鼻が高いよ。」

 

「勝手にいうのは構わないけど、俺はクルスとそういう仲になるつもり無いよ。告白されたとしても、嫌いだって言うつもりだし。」

 

「え?」

 

「ん?」

 

父さんは何を言っているのだろう?クルスと俺が結婚する?......無いな。俺の目標は、強くて優しく、家事や料理ができるそこそこ美人の人間の奥さんを貰って隠居暮らしをすることだ。そして二人で年を取りながら、孫に囲まれて見送られることが俺の最大目標なのだ。

 

だが、クルスはエルフである。普通の人間よりも若くいられ、長く生きる存在だ。結婚しても、同じように老いていくわけでもない。先に死ぬのは絶対に俺であろう。彼女が幸せになるとすれば、同じエルフや長く生きることのできる種族と結婚する方が現実的だ。俺と結婚しても、俺は寿命で亡くなりもしかすると後を追う形で自殺も考えられる。愛する人にそんな死に方をしてほしくないのだ。

 

俺の説明を聞いて、父さんが俺に聞いてくる。

 

「クレム......お前、もしかしてクルスちゃんがお前のことを好きなことを知ってて言ってるのか?」

 

「知ってるよ、だから俺は彼女と友達以上の関係にならないんだ。彼女には幸せになってほしいけど、幸せにするのは俺じゃない別の奴だ。多分、そのうちクルスは別の人を好きになるよ。俺の役目は、その日が来るまで友達をして、クルスに君のことなんて嫌いだと言うことだ。」

 

「......自分の息子に言いたくはなかったが、クレム、お前は最低だな。お前が息子であることが恥ずかしいと思ったのは、これが初めてだ。」

 

優しかった父さんは、初めて俺をゴミを見る目で見てきた。そんな悪い空気の中、母さんが部屋に入ってきた。

 

「クレム、さっきクルスちゃんが泣きながら出ていったけど、喧嘩でもしたの?」

 

「えっ?今日俺は、まだクルスに会ってないけど?」

 

「クレム!クルスちゃんを追いかけろ!きっと、さっきの話を聞かれたんだろう!」

 

父さんに言われ、俺は出ていったクルスを追いかけた。外に出るとクルスの姿はなく、俺はクルスと遊んでいた場所を虱潰しに探した。しかし、クルスを見つけることはできなかった。

 

家に帰ると、母さんに叩かれた。そして家族会議をすることになった。母さんや父さんが、恋は理屈じゃない等言ってきたが、一応俺が明日クルスに謝るということで解決したが、その日以来クルスは俺の家に来なかった。

 

クルスは、俺の家に来た日にネオン帝国に引っ越したと村の人から聞かされた。クルスはあの日、別れを言いに来たのだと知ると俺の中にモヤモヤしたものが残ってしまった。

 

転生者クルス、10才の初めての別れだった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

多くの荷物を積んだ馬車の荷台で、一人の女の子が泣いていた。それをあやすように、女の子の母親が女の子に寄り添っていた。

 

「ひっぐ...ぐすっ......」

 

「クー、泣かないで。クレム君とは、もう会えない訳じゃないんだから。」

 

「だって......クレム君は、私が好きだって知ってて......でも、私のこと嫌いだって......うわぁぁぁん!」

 

「そう......クー、どうにかする方法があるわよ。」

 

「......教えて、お母さん。」

 

彼の知らない所で、一人の少女が動き出そうとしていた。




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