【???の家】
???side
今日も彼女は目を覚まさない。
あれから数日、顔色は若干良くなっているがそれでもまだ起きては来ない。
この猫耳と尻尾が生えた銀髪少女、いや一部が黒くなっていた彼女は未だに目を覚まさなかった。
男は黒い色なんて混じってたかなー?と一人疑問していた。
怪我は殆どが治り残るは背中に貫通していた傷だけだった。
あれから森を散策したりすると彼女の荷物らしき物がいくつかあり今はその中に入っていた白い服を着させている。
「……………ん………うぅ」
突然少女がうなされていた。
男は座っていた椅子から立ち上がりすぐそばまで駆けつける。彼女は苦しそうに手を握っていた。
男がその手を握ると彼女は開放されたかのようにスヤスヤと心地の良いリズムで眠った。
「………今日もうなされていたな。この子に何かあったのか?せめて目覚めてくれればわかるかもしれないのになー」
男は再び椅子に腰を掛けた。
男の言うように数日間彼女はうなされていた。
何かから逃げるようなそんな感じだった。
〜数日後〜
朝早くに彼女が目覚めた。
といっても彼女はまだ体を起こせなかった。
それもそうだろう、あの傷で起きられたらこっちが困る。
彼女は不思議そうに周りを見ていた、が、俺に視線を合わせるとどうやら状況を把握したそうだ。
「………貴方が私を助けてくれたのですね。ありがとうございます、見ず知らずの私を助けてくれて」
「あ、あぁ。とりあえず目を覚ましてくれてよかったよ。まだ傷は痛むか?」
「はい、それにしてもかなり私の傷は深かった筈なのにどうして?」
「あぁ、俺は元医者だったんだ。まぁ今はしてないけどな。その時の知識が役に立っただけさ」
「そうだったのですか。本当にありがとうございます」
彼女はこちらにむけて綺麗なお辞儀をしてきた。
俺は一瞬見とれそうになっているが大事なこと………いや、単純なことを思い出し我に帰った。
「そういえば名前を聞いてなかったな俺はジュリウスだ。」
「私は………舞弥です」
「舞弥…か…よろしくな。とりあえず怪我が治るまでここにいていいぜ」
彼女はその言葉に驚いたようだった。
どうやら治療とお世話になるは別と思っていたようだ。
「え………いえ、そこまでお世話になるわけには」
「いいってことさ、それにその傷で無理をして倒れられたほうが迷惑になるからな」
「……………わかりました。ですが私も恩知らずではありません。怪我が治ったあとで良いなら何かお礼をさせてください」
「お礼か……………うーんそうだなー……………そういえば君の荷物の中にこれがあったしこれにしようか」
そういって俺は彼女の荷物の中からあるものを取り出す。
彼女はそれを見てすぐに頷いてくれた。
それを見た俺は多分ここ最近の幸せになっただろう。
「そういえば君って『普通』のやつじゃないな?」
彼女はそれを聞いた瞬間、僅かに反応したように見えた。
俺はあえて普通を強調してみた。
それはあることを確かめるためだった。
「そんなに驚かなくてもいい。俺だって普通じゃないんだから、わかっただけだ」
「……………普通じゃない?」
「あぁ、君も帝具もちなんだろ?」
「……………は?」
「え?」
「え?」
彼女は唖然としていた。
そこから俺は彼女に対しての予想した言葉がこずやや恥ずかしかった。
「あ、いや………うーん…………まぁいいか」
「?」
彼女は首を傾げた。
俺の反応に何処か戸惑っているようだ。
「俺は………帝具持ちなんだ」
「はい、それは先程の会話でわかっていました」
「………………」
「……………あの?」
「いや、なんでもない」
「?……………そうですか」
(穴があったら入りたい)
俺はただその一言しか考えていなかった。
が、話を濁すためすぐさま話題を変えることにした。
「えっと、傷がまだ癒えてないんだしそれそろ休んだらどうだ?」
「………そうですね………あのここに情報とか届きます?」
「ん?あ、あぁ、一応来るぜ。そりゃないと困るからな。ここは帝都から少し離れた距離にあるから馬で最低2日はかかるからな、なにか心配事か?」
「あ、いえ………ちょっと帝都がどうなっているのか気になって………」
「………なるほどな、帝都も最近は物騒だからな。1週間前なんて竜船の爆発事故があったしなー、死者はいなかったと聞いたがな、あれで死者が出てないなんて奇跡だぜ」
「……………そうですか、ありがとうございます。休みますね」
「おう、ゆっくり休め」
そういうと舞弥はゆっくりと眠りについた。
そしてまた俺は気づけなかった。
舞弥の眼に小さな涙があったことをーーー
次の話は明日になります
読んでいただきありがとうございますm(__)m
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