本編どうぞ!
【ジュリウスの家】
舞弥side
私はあの変な夢のようなものから目覚めると見知らない男性がいた。私は助けられた。それが一番にわかった。
だがブラートは死んだ、私の師匠の一人が。
あの人からは色んな事を学んだ。
辛いことも楽しいことも、だがそれはタツミも同じ。
いやタツミの方がもっと深く心に残っただろう。
タツミはブラートからインクルシオを貰った。
(………なら私がここで下を向いたら駄目だよね)
私は自分に言い聞かせた。
そうでもしないとまた下を向いてしまいそうだったからだ。
彼から色々と話を聞くことができた。というより勝手に喋ってくれた。
どうやら、彼は帝具持ちでジュリウスという男、それに帝都であの竜船の死闘は事故扱いされたらしい。
そして私の荷物の中に神様から貰った雪月花がなかった。
どうやらあの戦いで私とは別に流されたらしい。
それにジュリウスとあることを約束した。それは別に大したとこではなかった。いや、やった事がない人なら抵抗はある行為だった。
それから数日が経ち、私は今では軽い運動ならできるようにはなった。
私は今あるものを作っている。
それは小さなトマトを切ってこれをチーズやベーコンを薄切りしたものを竈にいれて焼いたピザの他に、合いそうなものを数品作っていた。
この後は洗濯物を干したりしなければいかない。
ジュリウスは今頃山へ行っている。猪を狩るとか言ってはいたが、この世界に普通の猪はいるはずないと思った私は岩のように大きい猪でも相手にしてそうだなと思っていた。
そして今は山菜の天ぷらを作っている。
油が跳ねて私に飛んでくるがあまり気にはしない。
今来ている服は簡単に洗うだけで軽く汚れが取れる神様から貰った服だからだ。
そう、それは家事には向いてる上に運動性にも優れているメイド服だった。
数日前、彼から言い渡された条件は『メイド服を着て家事をしてほしい』ということだった。どうやら彼は料理という料理はできないらしく肉をただ焼く。といった豪快なことしかできないらしい。
と、考えているうちに竈からいい匂いがしてきた。
チーズと肉の香ばしい匂い、そろそろかと思い私はピザを取り出す。
すると表面はちゃんと焼けていておしいそうだった。
それと同時だろうかジュリウスが家のドアを開けて入ってきた。
「おかえりなさい……………それが猪?」
「ただいま…ん?これかそうだぞグレイトブル○ァンゴ」
「へぇ………夕食の用意できたわ。熱々で火傷しそうだし、もう少ししてからでいい?」
「あぁ、構わないよ。にしても良かったわー。昨日君が作ってくれたお寿司というものも美味しかったからね。それに今晩も美味しそうな匂いが森まで来たから期待できそうだよ」
彼は私を褒めてくれているが内心不安だった。
この世界の魚は刺し身として食べれるのか不安が多かった。でもいざ実食すると合うことがわかりホッとしたのも覚えている。
「……………」
「……………?どうしました?」
彼の視線に気づき私は疑問に思った。
がそれはいつもの事だった。
「いや、昨日もそうだったけど林檎で足りるの?」
「はい……………といっても今は沢山食べれないだけですけど」
「林檎ねぇー…………………そういえばね、さっき猪を追いかけていたときね、神秘的な場所に一つ色が変な林檎があったんだ」
「変な林檎?」
私は疑問には思ったが、内心はそこではなく味が気になった。美味しいなら食べてみたいし育ててみたかったのだ。
「そう、真っ黒い林檎」
「…え」
その一言で私は食べれそうになさそうな気がした。
「まさか食べるつもりだったの?」
「え、あ、はい………」
ジュリウスは唖然としていたが急に笑いだした。
「ちょっ、笑わないでくださいよ」
「いやいやだってねwそこまで林檎好きなんだなーってw」
確かに林檎の為なら用事をすっぽかしてでも食べたいくらいだ。でもそこまで笑われるとは思っていなかった。
「まぁいいや、まぁ場所は綺麗だったし明日見にいかないか?」
「そうですね………はい見にいきます」
「おーけー、なら明け方行くかその方が綺麗だと思うからね」
「はい、それはそうとこのままだと料理冷めてしまいますよ?」
「バッカ!それを早く言え!」
ジュリウスは急いで料理を口にした。
彼から美味しいとかまた作ってくれと言われたがそこまで時間はあるのかと私は思いつつ、彼が食べ終えた食器を洗いはじめた。
その日はその後普通に過ごし明日に備えた。
次の日の早朝私とジュリウスは昨日ジュリウスが発見した場所へと向かっていた。
私の傷は完璧に治り激しい運動ですらできるまで回復した。
「一応ここには危険種がいるからな警戒はしろよ」
「わかってます………と言っても武器はないですけど」
「そうだな。でも俺のこの絶風奮刃(ぜっぷうふんじん)ゲイルスラッシュがあればな」
「帝具ですか……それなら安心ですね」
ジュリウスの帝具は綺麗な装飾がされた細剣で見た目ならどこからの王族の細剣といってもおかしくないくらい綺麗な見た目だった。
「おっと、どうやら心配はないな、目的地だぜ」
「これは……………綺麗ですね」
幻想的と言えば納得できる。
大きな滝が湖に落ちてその途中に綺麗な虹が見える。
そしてその湖の中心に大きな木がありそこに一つだけ林檎があった。
真っ黒い一つの林檎があった。
読んでいただきありがとうございますm(__)m
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