《それではただいまより、若獅子タッグマッチトーナメント!開催いたします!》
8月の頭、夏真っ盛りのこの日。太陽が燦々と照りつける、ここ七浜スタジアム。
会場の観客席は埋め尽くされ、観客の声援で熱気を帯びている。
現在ここ七浜スタジアムでは次世代の武術四天王を決めるための武術大会が開かれている。
なぜこんな大会が開かれているかというと、話は数日前に遡る―――
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某日 川神学園
今回の全校朝礼はいつもと雰囲気が違っていた。一番の違いは学園外のものがおり、カメラやリポーターなどの姿があった。
大半の生徒はどことなくそわそわしているが、中には動じていない者もちらほら見受けられた。
あたりがざわつく中、川神学園学園長、川神鉄心が登場し壇上に上がると自然と喧騒は収まった。始めは夏休みの注意事項などのたわいもないことだった。
そして咳払いを一つ―――
「さて、ここからが本題じゃ。夏といえば祭りじゃが、今年はでかいのがあるぞい。まず、毎年この時期に恒例行事として川神院で武術大会を開いておるのはこの地に住むものなら知っておるじゃろう。じゃが今回、義経たちもおることじゃし規模を大きくしようと思っての。九鬼財閥にスポンサーとなってもらったのじゃ」
この発言にあたりはざわつく。―――しばらくして喧騒は収まる。
「今回は次世代を担う若き獅子たちの活躍のため年齢制限を設ける。故にこの大会を『若獅子タッグマッチトーナメント』となずける!!」
大会のテーマは『絆』。ただ武を競うだけでなく、ペアという縛りをつけらしい。
参加資格は25歳以下の男女。刀剣類はレプリカか峰打ちのみ。銃器類は九鬼財閥から専用のものが支給される。
試合は互いに2名ずつリングにあがり、2対2で戦い、どちらか片方でもKOすれば勝利でリングアウトは10カウントで敗北になる。
これを3人で見ていた俺たちは―――
「へ~面白そうなことするじゃない」
「お前が興味持つなんて珍しいな」
「こういうの見るの好きなのよ。というわけで2人ともこれに出なさい」
「おいおい年齢制限があるだろ。こっちは40億歳だぞ」
「見た感じ20前後だから大丈夫よ。アルトリアは興味あるでしょ?」
「ええ、ずっと鍛錬と模擬戦だけでしたから。それに今の武術のレベルがどれくらいか知りたいですし」
「じゃあ決定ね。景品は……旅行があるわね。――ほかにこれといった目ぼしい物は無いわね。後は要らないわ」
「ここにある物より上の物はないだろ。――アルトリア刃引きしたのを作るから後で調整しよう」
「お願いします」
すでに勝った気でいるマリアをよそに、2人で刃引きした剣の調整をした。
今回生成したのは『勝利する黄金の剣(カリバーン)』のレプリカを刃引きしたものにした。折れた剣をもう一度この手に握れたことに、アルトリアは喜んでくれた。
そうして話は冒頭に戻る。
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盛り上がる会場をよそに、俺はよく自分が出れたな~と思っていた。
鉄心は確認したのだろうか?―――あいつのことだから確認してもワザと見逃したんだろうな。
《続きまして予選Cブロック1回戦を始めたいと思います!チームカオスとチームブライドはリングへ!》
司会者の声に、思考の海から浮き上がる。
もうそんな時間か。長かったな……と思いながらリングへと赴く。
試合のルールは本線と同じ、どちらかKOか場外の10カウントで敗北となる。
今回はいつもの着物姿ではなく、白のノースリーブに黒のジーパン、その上に蒼のロングコートを着ている。このクソ暑い中異常と思うだろうが、通気性はよく夏は涼しく、冬は暖かいように改造してある。見た目は暑くても、着ている本人は涼しいのだ。
分かる人は分かるだろう。そう、Devil M○y Cry 3のバー○ルさんだ。
髪も銀色にして、手には刃を潰した日本刀を持っている。
剣術も長い間アルトリアと鍛錬したのもあってかなりのものになっている。
今回は能力を使わず、純粋に身体能力と氣と魔力だけでいくつもりだ。
アルトリアは蒼を基調に胸当てと篭手をつけている。
うん。まんまF○teのセイバーだ。
腰には今回使う武器『カリバーンⅡ』がある。一見すると装飾剣に見えなくもないが、実際は実用性に秀でている。
リングに立つと対戦相手の2人がいる。
2人とも日系のアメリカ人で、若い軍隊員だろう。迷彩服で銃武装に腰にはナイフをさしている。
《それでは試合開始!!》
試合開始と共にブライドの2人は2手に別れ、銃を乱射しながら俺たちを挟み撃ちにしようとしてくる。
俺は持っていた刀を回転させ銃弾を絡めとり、地面に並べ刀を切り上げ片割れに打ち返す。それに反応できなかった1人は銃弾をモロにくらい、衝撃で吹っ飛び地面に倒れる。
アルトリアのほうを見れば、アルトリアのほうに回った相手を気絶させているところだった。銃弾を切り裂き、すぐに近寄って首に手刀を当てたようだ。
《そこまで!!勝者カオスチーム!!》
司会の宣言を聞いて控え室にもどる。
歓声を受けながら戻ったが、チクチクと視線を感じる。チラリと後ろを横目で見ると川神百代がニヤニヤとこちらを見ていた。
内心うぜえ~と思ったが、出た以上はこうなると思っていたので諦めた。
けどやっぱうぜえ~~。
がんばれ、俺!!