田植えをしたら筋肉痛になりました
《若獅子タッグマッチトーナメントもいよいよ決勝戦!!優勝するのはどちらのチームか!!》
さて、この長い茶番もようやく終わりが見えた。
決勝の相手は燕のいる知性チーム。
必勝の策が効かなくなってどうするつもりなのか、いろいろ考えてみたが特に浮かばなかったので、おそらくノープランだと思う。
「アルトリアが燕の相手をするでいいか?」
「ええ。あの小さかった子がどれくらい強くなったのか興味ありますから」
「じゃあ任せた」
「はい」
◇
(はあ~ホントどうしよ)
私は舞台の上で内心ため息を吐いた。今回私が神上さんに対して言った切り札とは、この観客の前で彼らは年齢を偽っていると言うことだった。実際神上さんと会ったときからすでに10年以上過ぎている。神上さん達はそのとき既に10代後半か20代前半だった。それから10年以上過ぎているということは、25歳以下という年齢制限のあるこの大会に出られるはずがないのだ。
しかし神上さん達のことを調べても、戸籍上では22歳となっていた。改竄された様子もなく、まさに正真正銘の本物だった。しかも不思議なことに簡単なプロフィールぐらいしか調べられず、今までどこでなにをしてきたかなど一切不明だった。胡散臭いプロフィールで急遽用意しましたといわんばかりなのに、きちんと正規のルートで処理されている。はっきり言って疑念が尽きない。神上さん達はなにものなんだろう――――
◇
《若獅子タッグマッチトーナメント決勝戦!!知性チーム対カオスチーム!!レディィィィゴォォォォォォ!!》
開始と同時にアルトリアは燕の方に向かう。拳と剣がぶつかり合い鈍い音が響いている。二人が戦っているのを俺は少し離れて見物していた。もちろん大和のほうにも気を配りながら。しかしあの泣いていた娘がアルトリアとぶつかることになるとはな。時間が経つのは早いな。いつもダラダラと過ごしてるからかもしれないが。
ガッ!ギンッ!ガッ!とお互いの攻撃がぶつかり合う。私は向かってくる拳を紙一重で避け横薙ぎにカウンターを繰り出す。しかし燕は向かってきた勢いのまま跳躍し、私を飛び越えていく。後ろを向いて着地している燕に袈裟懸けに斬りかかるが、振り向きながら横に跳び回避する。そのまま追撃をかけしばらく攻撃を繰り返して一旦離れる。
「あの時泣いていた娘が……強くなりましたね」
「うっ、あの時のことはあんまり言わないでほしいな」
「ふふ、そうですね。もうあの時とは違いますね」
「どうして2人はこの大会に?」
「マリアが景品の旅行に目をつけまして、優勝して取ってこいと」
「以外と物欲に忠実なんだね」
「後はただの暇つぶしですね。紫苑はいい加減面倒臭くなってきてイライラしてますが……」
「面倒臭いって……」
「私は付き合わされた感じですが楽しんでいますよ。さて話はこの辺にしていきますよ?」
私は剣を握りなおして燕に斬りかかった。
2人が離れて何か話した後アルトリアが攻撃を再開した。先ほどのような実力を測るものではなく倒すために。燕も踏ん張っているが防御の上から確実にダメージを受けているのが見て取れる。
(倒れるのも時間の問題だな)
俺は腕を組みながら内心呟く。そしてこの状況をなんとかできないかと必死で考えているだろう大和に声をかけた。
「何か考えは浮かんだか?」
「…………」
「その様子ではなにもいい案がでなかったみたいだな」
「ええまあ。俺がこうして立っていられるのも神上さんが攻撃してこないからですし、そうじゃなきゃとっくにこの試合は終わってましたよ」
「まあな」
視線を戻せば燕が気絶していた。
一番おいしいとこ見逃しちゃったよ。
これで俺たちが優勝。次はエキシビジョンだ。
メンドイから早く終わらせよ。
体中痛いっス