時刻は進んで放課後の時間。
今2-Sの前にいる。いるんだが足止めをくらっている。
なぜなら―――
「検問です。ここは通れないと知りなさい」
「だから義経たちに用があんだって。そこ通せよ」
「では用件とはなんです。話なさい」
「あいつらとの約束があんだよ。内容は言えない、っつーか部外者に言うつもりはない」
「ならば通すことはできません」
「あんだよ、ドイツ軍人の器は小っちぇな」
イラッ
「……いいでしょう。そこまで言うなら決闘です」
「馬鹿かお前?俺はここの生徒じゃねえ、外部の人間だ。ここの学園長からの許可もある。わかったらどけやボケ」
「くっ……仕方ありません」
ようやく俺は2-Sに入ることができた。
クラス内ではすぐに義経たちを見つけることができた。2-Fのやつらもいる。
うわ~川神百代までいんじゃん。面倒くさっ!ちょっとくるのが遅かったか。
とりあえず目的を果たすか。
「あ~ちょっといいか?」
「ん?」
「君が弁慶、そっちのポニテが義経でそこの銀髪が与一でいいのか?」
「そうだけどあんたは?」
「俺は神上紫苑。約束を果たしに来た」
いつのまにか回りはこっちに注目している。
「約束?」
「ああ、うちの先祖が生前の義経、弁慶と約束したらしくてね。なんでもまた酒を飲もうってね」
「そんなことが……」
「ああ、蔵を整理してたら手記がみつかってな。それによると五条大橋の傍の鴨川で釣りをしていたら話しかけられて意気投合。そんとき義経たちは伊豆に向かうみたいだったから選別に酒を渡したらしい」
もちろんそんな手記はない。俺が覚えていることをそのままいっただけだ。
「その手記みせてもらうことはできますか?」
執事服に身を包んだ老人が言う。クラウディオだ。
「あんたは?」
「失礼。私九鬼家従者部隊序列3位クラウディオ・ネエロと申します」
「そうか、さっきも言ったが神上紫苑だ。要望だが悪いが見せるつもりはない」
「仕方ありませんね」
「すまないな」
「いえいえかまいませんよ。そちらにも事情があるのでしょう」
「そういってもらえると助かる。でだ、二人とも先祖の約束果たさせてはもらえないか?酒はまずいので川神水につまみも用意した。一応そちらの執事に確認してもらおうか?」
俺はクラウディオのほうを向く。
「その必要はないでしょう。わざわざ確認を取るなど」
「そうか。後はそっちの返答しだいなんだが?」
「私はいいよ」
「義経もだ」
「ありがとう二人とも」
許可ももらったことだし川神水を取り出すとみんなが騒ぎ出した。
「これ【川神水・大地】じゃないか!どうやって手に入れたんだ?」
「ツテをつかって譲ってもらったんだよ」
「なあなあ私も飲んでいいか?」
髪の毛を前でクロスさせた女性が言う。
「あんたは?」
「川神百代だ」
「ああ、あんたが武神か」
「お?知ってるのか?いや~有名人はつらいなあ」
「ああ、金がなくては街で女の子を捕まえておごらせてるらしいな」
「な……なんでそれを」
「結構知られてるぞ?」
「……姉さん」
「……お姉さま」
「「「……百先輩」」」
「やめろよ……そんな目で見るなよぅ」
「自業自得だろ」
「グサァッ」
「まあ飲んでもいいが最初の三杯は静かにしていてもらうぞ」
「は~い」と聞こえた後銚子を取り出し義経と弁慶の前に置く。川神水を義経の杯に注ぎ、
「いただきます」
義経が飲み干した後弁慶の杯に注ぐ。
「いただきます」
弁慶が飲み終わったので今度は俺の杯に注いでもらう。
「いただきます」
杯の川神水を飲み終えた。
「二人とも悪かったな。つき合わせてしまって」
「そんなことない。嬉しかった。こうして先祖の願いを叶えてあげるなんて義経は感動した」
「私もおいしい川神水飲めたしね。しかも幻の大地!今日は言い日だ」
「まあ喜んでもらえて何よりだ。後はやるから。じゃあな」
俺は席を立ち教室から出て行った。後ろからクラウディオがあとをつけていたが角を曲がって自宅に転移した。気配が消えたんで驚いているだろう。
九鬼に目をつけられるだろうが、正直なんの弊害にもならないので放置だ。
さて次はどうするかな。
紫苑が去った後の2-S
「なあ弁慶」
「ングング、プハ~なに主?」
「義経はなんか変だ」
「なにが?」
「紫苑さんといるとなにかこう胸が熱くなるんだ。一緒にいると安心するし、それになんだか懐かしい気がしたんだ」
「……それは私も思った。たぶん私たちの細胞があの人のから一緒にいたときのことを感じとったんだよ」
「細胞が?」
「私たちにはその記憶はないけど、私たちを生むときに使われた細胞が覚えてたんじゃないかと思うね」
「………また会えるだろうか?」
「さあね。どっかで私たちをみてんじゃない?」
「だったらいいな……」
「だねえ……」
川神水にはランクがあって、大地はランクが相当高いと思ってくれればいいです。