ソードアート・オンライン Players: Reito 作:drakg
私は、トールバーナまでの案内人、に見立てた彼を追うのに必死だった。それにしてもあの人の敏捷値、どうなってるのよ…あの人がタゲ取られて索敵スキル使う時だけしか距離を縮められない…
「しかもあの人、片手剣のくせになんで、盾を使わないのよ…!」
剣を握っていない右側から敵が飛び出してきた時は、左手で握っている剣を即座に投げて右側に持ち替え、ソードスキルを放っている。彼は、なぜあんなにも急いでいるのか。
「!! 危ない!」
その男の人からは見えないであろう、斜め後ろ、私の真左からダイアー・ウルフが彼めがけて突進して行っていた。私は言葉を発するとほぼ同時に腰の剣を抜き、細剣スキル最下位のリニアーを放った。決して倒せなくてもいい。この突進型スキルでないと、彼がダメージを食らってしまうから。
そう考えた頃には、私が左手に握っていた小剣の光る剣先がダイアー・ウルフの右脇腹にヒットしていた。同時に、狼の悲鳴に気づいた彼が振り上げた剣をそのまま後ろ方向にまで切り倒し、ダイアー・ウルフを2分割にしてしまっていた。…彼の剣の扱いは、私の知る範囲をはるかに超えているのではないか。私はそんなことまで考え始めていた。
「ありがとう、助かったよ」
彼がそう言ってきた。この人、強い上にしっかりしてる…
「いいえ、気にしないで。私もあなたの後をつけさせてもらっていただけだし」
あああああ私のバカ!!!なんで初対面の、しかも今まで利用させてもらっていた人に対してこんな無愛想になっちゃうの!?絶対怖いって思われちゃうじゃない!!
「あ、やっぱりそうだったのか。ということは君もトールバーナを目指しているのかい?それなら…」
彼はおもむろにメニュー画面を開き、私にメッセージのようなものを送ってきた。
パーティ申請を受けました。
Y:受ける N:断る
「えっ…」
私の無愛想な態度で何も感じなかったのか、その人は私に「パーティー」の申請をしてきた。そもそも、パーティーってなんなんだろう…
「あの…これって…」
「ああ、パーティーを組もうって話さ。さっきは狼の声で君が助けてくれたってわかったけど、いつもそういうことができるってわけじゃないだろう?」
私は少しムッとした。君にはさっきのようないいプレイがいつでもできるわけではないだろう?みたいにバカにされた気がしたからだ。
「…わかったわよ」
…また無愛想になってしまった。後ろを向きながら、小さくため息をついた。でも、言ってることはあっていたので、仕方なくYを押した。
「それじゃ、よろしく、メグミ」
「!?」
どどどどど、どうしてなの!?私、この人に名前を教えてないのに!!!
メグミは、驚きの表情を隠せずにいた。が、それをレイトがすぐに察したようで、
「ああ、名前?目線を左上に持って行くと、自分の名前の下に新しい名前が表示されてるだろ?体力ゲージと一緒に。」
「あ…こんなところに…。えっと、レイ…ト…それがあなたの名前?」
そう言うと、彼はにこりと笑って頷いた。
「ああ、よろしくな」
よろしく、そう言われてメグミは安心しきった表情で、
「ふふっ、こちらこそ」
レイトは、心の中でやっと笑った、と一安心しているのだった。
次回、新キャラ登場。
ややこしくなり始めたら、忘備録として登場人物のまとめを作ろうと思います。